2016年2月29日月曜日

のぞみ通信 No.216(2016年2月24日)

「敬和のチャペル」               

寮長 信田 智

 敬和に招かれて、宗教主任として25年間、寮長として13年間合計38年間お世話になりました。そのうち37年間、この敬和の敷地内に住んでいました。子供たちは二人とも岡山で生まれましたが、太夫浜で育ち、太夫浜小学校―南浜中学―敬和学園と、ここから巣立っていきました。私自身は東京で生まれ育ちましたが、この太夫浜の地が、私の人生の中で一番長く住んだ、離れがたい実質的な故郷です。

 敬和学園創立30周年記念事業のメインはチャペル建築でした。私は、30周年記念事業の実行委員長として、このチャペル建築の学校側の建築責任者でもありました。どういうチャペルを造りたいのか、学校の委員会の意向を設計者に伝え、それに基づいて設計者が設計図を描いてきます。そのために、色々な高校のチャペルを見てきました。

 ある高校は、素晴らしい規模のチャペルでした。パイプオルガンだけで何億円とする立派な建物で、設備も充実していました。しかし私の心に、それはチャペルではなく講堂、音楽堂と言った感じにしか映りませんでした。また、ある伝統校は、立派な建物の中にチャペルがあるのですが、中は箱物の講堂です。それらを見ながら、敬和のチャペルは、木の温もりのある、心が安らぐようなチャペルにしたいと言う思いが募っていきました。

 そして、設計者、施工者と共に、秋田の能代杉を使った大断面の集成材の構造物を見学に行き、様々な施工例とパンフレットを見て、その魅力に心が躍りました。設計者の中にも、ある程度の構想が生まれてきたのではないかと思われます。そのようにして、学園の思いが形になって、このチャペルが出来たのです。

 敬和のチャペルには信仰的な意図が込められています。ステージは、ゴルゴダの丘に立つ3本の十字架がイメージされ、丘の上に立つ荒削りの主の十字架と、左右の摺りガラスの中に透明な十字が見えます。更に、イエスの十字架をイエスの12使徒が仰ぐ形で、パイプを隠すように、12本にくり抜かれたパイプケースが作られています。

 チャペル全体は、主の食卓をイメージする聖餐テーブルが中央に置かれ、朝毎に主の食卓を囲み、御言葉の糧を頂き、天からの光に照らされ、私達の祈りが天に届くように、吹き抜けのガラス張りの塔が立てられています。

 また、O・M(太田俊雄・Jモス記念)ホールのステンドグラスには、旧約聖書創世記1章の天地創造物語が図案化されています。「初めに、神天地を造り給へり。地は形なくむなしく、闇が淵の面を覆っていた。神、光あれ と言われた。すると光があった。・・・・・・」混沌の中に輝いた、神の光が帯となって、天地創造の御業全体を貫いている素晴らしいデザインです。(卒業生保護者 中村勝氏デザイン)

 このチャペルで、朝毎に主の食卓を囲み、全校生徒教職員が同じ霊の糧に養われて、敬和スピリットを身に付けて、敬和ファミリーを形成して行くのです。何という恵み、何と祝福された空間でしょう。

 

 

 

 

寮生リレー(127回)

 今回の寮生リレーは先日2泊3日で行われた1年生のスキー授業に伴い、1年生にはスキーのことを、2年生には2年生だけの夜に行われた4館合同礼拝でのお話と、寮生活で一度きりかもしれない鍋パーティのことについて原稿を寄せてもらいました。また、各館の3年生がラストメッセージとして語ったお話も掲載しています。

 

 

「待ちに待ったスキー教室」

H.S(めぐみ館1年:新潟県柏崎市)
 私は、山形の蔵王での2泊3日のスキー教室で様々なことを学びました。1日目は、午後から講習開始でした。私は、中級クラスで学年主任の真野先生の班でした。スキー教室を入学の頃から楽しみにしていました。小学校1年生の頃からスキーを始めたのでわりと滑ることに慣れていたのですが、足への力の入れ方や姿勢の取り方、改めて学ぶことがたくさんあり驚きました。夕食は美味しく、温泉も気持ち良く入りました。1日目はとにかく疲れたのでよく眠れました。

 2日目は、5時から目覚め、朝から元気でした。午前中はいろいろなコースに行きました。昼食のカレーをいただき、午後からはゴンドラに乗って蔵王の山頂まで行き、名物の樹氷を見ながらの滑走は気持ち良かったです。

 3日目は、天候は悪く視界は真っ白。リフトまでの道のりが分からず、前の人についていくのがとても困難でした。こぶの斜面にもチャレンジ。難しかったですが、楽しく滑れました。

 3日間の時間があっという間。1日目より格段に滑れるようになっていることを実感しました。もっともっと滑っていたい気持ちでいっぱいでした。このスキー教室で身に付けたことをこれからも持続させていきたいです。

 

 

 

「初めてのスキー」

M.S(大望館1年 新潟市南区)

 2月3日から5日にかけて、スキー教室がありました。僕はスキーをしたことが無かったので行く前はとても不安でした。4時間ほどかけて蔵王に着いてスキー場の雪を初めて踏んだ時に、雪の柔らかさにびっくりしました。新潟で生まれ育った僕が普段触れている雪とは違い、ふわふわとしていて感触がとても心地良いものでした。いざ、スキーをしてみると当然のことながら、うまく滑ることはできず、転んでばかりでした。それに僕はあまり高い所が得意ではないので、上の方から滑る時には足が震えてしまいました。ブレーキも上手く掛けることができず、スピードが出過ぎてしまい、怖くなって転んでしまうということの繰り返しでした。しかし転んで、立ちあがって、という動作を繰り返すうちに上達して、すぐに立ち上がることができるようにもなりましたし、スピードを出すことに慣れていきました。それにインストラクターの方のアドバイスを良く聞き、実践することで次第に転ばずに滑ることができるようになっていきました。それからどんどん楽しくなっていきリフトに乗っている間も「早く上に着かないかな」という気持ちでいっぱいでした。

 僕は今回スキーを初めて体験しましたが、スキーが大好きになりました。そしてスキー教室を通して未体験のことを体験する楽しさ、失敗してもすぐに立ち上がり再挑戦することの大切さを学びました。とても楽しく学びの多いスキー教室になったと思います。

 

 

「食べ過ぎには注意!」

K.T(光風館2年 埼玉県所沢市出身)

0224_no01 1学年のスキー教室期間中、2学年全体で鍋パーティが開催されました。いつもの夕食開始時間よりも1時間早く集まり、テーブルを固めて設置し、鍋と具材を準備しました。食事委員による食前の祈りが終わり、文字通り“いつもとはひと味違う晩餐”が始まりました。時間をかけて煮た鍋の蓋を開けると、たちまち歓声が友愛館に響きました。意外と好き嫌いがある人、煮込む時間にやたらうるさい人、それまで誰にも気付かれず昼寝をしていて1時間遅刻して来た人、その彼を笑う人。大変盛り上がり、楽しく、そしてとても美味しいひとときでした。
 鍋パーティもいよいよ終盤にさしかかり、デザートにアイスクリームを頂き、片付けの時間となりました。みんな、満足そうな顔をしながらテーブルを動かしていました。その中、パーティでは休まず鍋を箸でつついては食べ、学年一たくさん食べたと思われる男子寮生が腹痛を訴えながら、椅子でうずくまっていました。彼は、礼拝委員として礼拝には出席したものの、その後に行われたセクシュアリティ講座の時には激痛により、自室のベッドに戻り、唸っていたそうです。その後、なんとか復活しましたが……険しい表情をしていた階段の鏡に映った彼の姿とあの痛みは忘れることが出来ません。ちなみに彼は、埼玉県所沢市出身の光風館生であり、「食べ過ぎには注意!」と心に誓ったそうです。

 

 

「大切なことを教えてくれた私のハムスター“まめ”」

N.E(みぎわ館2年 新潟県三条市)

 最近、私の大切な家族の一員が眠っているお墓に行きました。ちょうど雪がたくさん積もっている時期だったので、お墓がどこだかわかりませんでした。その家族とは飼っていたハムスターの“まめ”です。まめは、私が中学2年生の4月にやって来て、高校1年生のゴールデンウィークに息を引き取りました。私がハムスターを好きになったきっかけは、小学生の頃に親しかった友人が飼っていたゴールデンハムスターが可愛かったからです。私は「可愛い!飼いたい!」という単純な想いで母にその気持ちを伝えました。そうしたら、母は「金魚のお世話も出来ないのに、ハムスターなんて無理だよ。動物を飼うということは、大変なことなんだよ。お母さんは、犬を飼っていたことがあるから知っているよ。」と言いました。私は、以前飼っていた金魚を最初は張り切ってお世話していたものの、すぐに飽きてしまい、お世話をしなくなりました。母に認めてもらえませんでしたが、私のハムスターに対する想いはとても大きいもので、すぐに本屋さんに行き、ハムスターの本を買い、ハムスターを知ることから始めました。図書館に行って、別の本を読み、ホームセンターに通い、ハムスターを眺め、家では買った本を読み、ノートにまとめました。いざ、自分がハムスターを飼った時のことも想像し、病気になってしまった時のことも考え、近所の動物病院も調べ、まとめました。私は本当にハムスターが好きで、調べれば調べるほど好きになりました。けれど、母は認めてくれませんでした。私は、いつしかもう「飼いたい!」と口に出さなくなりましたが、私は諦めきれずに中学生になりました。

0224_no02 ある日、母が「私のハムスターを買いに行くけど、Eも来る?」と、言いました。私はビックリしましたが、喜んで付き合いました。これまで得てきた知識を活かし、母にたくさんアドバイスをしました。そして、まめが家にやって来ました。私はまめが大好きになりました。人懐っこくもないし、手乗りでもなかったけれど、まめは家族の人気者になりました。みんな、まめを可愛がりました。今も誓って言えますが、まめは他のどのハムスターよりも可愛かったです。私も家族も外から帰ると、真っ先にまめに声を掛けました。「まめは自分のことが好きだ」と、みんな言い合っていました。それくらい本当にまめを愛していました。家族みんながまめを大切にし、愛情を注ぎました。

 私は高校生になり、寮に入ったのでまめに会うことが出来なくなりました。高校1年生のゴールデンウィークに家へ帰ると、私が帰って来るのを待っていたかのように、まめが息を引き取りました。5月4日のことでした。私も母も泣き、家族みんなが悲しみました。もっとまめと一緒にいたかったけれど、動物を飼うということは、いつか別れが来るということなのです。悲しくてたまらなかったけれど、いくらか気持ちが楽でした。それは毎日、愛情を注いで可愛がっていたからです。後悔はありませんでした。むしろ、感謝の気持ちでいっぱいでした。私が落ち込んでいる時もまめは元気に種を欲しそうにして、こっちを見ながら、いつも変わらず愛嬌を振りまいてきました。私はそれだけで元気になったし、癒されていました。まめが家に来てくれて、本当に良かったです。私はまめがいなくなってから、ホームセンターに行き、ハムスターを見たりもしますが、まめより可愛いハムスターをこれまで見たことがありません。まめは世界一のハムスターです。

 みなさんにとって、家族とはどのような存在ですか?私はまめの他にも大切な家族、兄弟、友達がいます。ハムスターの命は、小さく短いと人間は知っています。だから、私はより大切に出来ました。ですが、人間の命はいつ無くなってしまうか、誰にもわからないけれど、私たちは心のどこかで長いものだと考えています。私たちは、普段の生活の中で“命は限りあるものだ”ということを忘れてしまいがちです。私はまめを思い出す度に、“命は限りあるものだ”と、まめが教えてくれている気がします。私たちは、ついついケンカをしたり、相手を嫌いになったりもします。ですが、まめに教えてもらった“命は限りあるものだ”ということを考えると、限られた一緒にいられる時間を楽しく大切に過ごしたいと思います。そして、相手をたくさん愛したいと思います。まめはこれからも私に大切なことを教えてくれる存在です。これからもまめを思い出して、大切なことに気付いていきたいです。

 

 

「家と同じくらいに安心出来る場所」

S.H(光風3年・福島県郡山市)

 “父親と24時間、同じ場所で過ごすのはイヤだから……。”これは僕が寮生になった理由です。でも実は、あとから取って付けた理由でした。本当の理由は、寮生活に興味を持って、楽しそうだと感じたからです。

 僕は以前、福島県に住んでいました。当時、姉が敬和学園で寮生活をしていて、その話を聴き、おもしろそうなところだと興味を持ち、入りたいと思っていました。中学生になっても、その気持ちは変わらず「高校は県外に出て寮生活をするんだ」と考えていました。ちょうどその頃、東日本大震災が起こりました。

 震災から1年後、父親から「敬和学園で働くことになった」と伝えられました。それと同時に「福島に残りたいか、一緒に新潟に来るか。」と、質問されました。家族みんなで新潟に行くか、父親だけが新潟へ行くか、または僕だけ福島に残るか、そのどれを選ぶかという質問でした。僕は「転校してみたい」という浅はかな考えで、一緒に新潟へ行くことを選びました。しかし、それは失敗でした。僕たち家族が引っ越したところは、新潟市西区で家の近くには中学校が2つありました。1つは普通サイズの学校、もう1つはマンモス校でした。僕が選んだのは、少し近くにあった普通サイズの学校でした。その学校の生徒は、みんな良い人だったけど……僕はうまく話しかけられず、友達と呼べる人は出来ませんでした。また、クラス担任ともうまくいかず、自分の世界にこもるようになりました。

0224_no03 進学を考える時期になり、僕は第一志望に以前から考えていた敬和学園を選択しました。敬和学園を受験し、無事合格し、入学することが出来ました。そして、光風館に入寮しました。最初は、先輩たちのテンションに付いていけず、しんどかったことを憶えています。でも、入寮から2〜3ヶ月が経つ頃には、いろんな人と会話することが増え、心から寮生活を楽しめるようになりました。1年生の冬には、前任の三浦先生と一緒に十日町へ雪堀りに行き、今まで自分が経験していないことをして、自分で感じたり考えたりするきっかけがありました。2年生になる頃には、僕にとって、寮は家と同じくらいに安心出来る場所になりました。そして、家よりも楽しい場所になっていました。2年生になり、寮務教師が片岡先生に替わりました。そして3年生になって、指を大怪我して入院したり、心配や迷惑をかけたりしてしまったこと、このお話を書きながら思い出していました。

 この光風館でみんなと一緒に過ごせたことは、今までで一番幸せなことだと感じています。楽しかったこと、悲しかったこと、嬉しかったこと、悔しかったこと、いろんな想い出をみんなと作ることが出来て、幸せでした。今、1・2年生で寮生活がイヤだと思っている人がいるかもしれません。でも、この敬和学園を卒業する頃には、幸せだと思えるように過ごしてほしいと願っています。残りわずかですが、ここでの生活を全力で楽しめたらいいなと感じています。

 

 

「オール・オッケイ」

S.N(めぐみ館3年 福島県会津若松市)

 私は敬和学園に入って、それまでわからなかった自分をたくさん見つけました。学校や寮で生活する中で、私たちは一喜一憂どころではなく、時には泥沼にはまったような気持ちになり、どうしようもないように思えてしまうことがあります。それはいつ誰にやってくるかわからないし、たとえその状況に陥っていても周りから見てわかりやすい人とわかりにくい人がいます。私はなかなか辛い気持ちの人に気づくことができませんでした。人の気持ちには、自分優先になっていると気づけません。何度「あの時なんで気づかなっかったんだろう。」と思ったことでしょう。気付けない自分に気づいてから、私は周りの人の様子をよく見るようになりました。いつもと違う雰囲気の人に気が付けるようになって、次にそのような人にどう声をかけていいかわからずに何もできない自分に気が付きました。相手が何を求めているのかわからず、怖かったからです。この頃の私は、声を掛けてもきれいごとのようなことばかり言っていた気がします。でも 、自分が疲れている時にそばにいてくれた人たちが、逆の立場で疲れている時にキレイごとはあまり意味をなさないことに気づかされました。

 キレイごととは世間一般にいう「正しい」とされることです。では正しいとはどういうことなのでしょうか。私は人々の考えを同じようにするためにあるように感じます。でも、本当に疲れている人には誰にでも言える同じような言葉ではなく、その人に向き合っている自分だからこそ言える言葉が必要なのだと思います。だから、1,2年生には自分の周りにいる人を大切にし、よく見て声を掛け合い続けてほしいです。あなたが今まで体験して考えたことから、あなたにしか言えない言葉が絶対にあります。どうかそれを大切に伝えてください。

0224_no04 次に個性についてです。 敬和生活ではどうしても、自分から前に出て能力を発揮できる人が目立ちます。変なことができるほうが普通よりも良くて、普通がつまらないことのように感じてしまうことがあります。私も敬和に来てから自分の面白みのなさに幾度も落ち込みました。自分に個性はあるのかと悩みました。この中にも同じように思っている人がいるかもしれません。でも、私はめぐみ館でめぐみのみんなと生活していて、一人ひとり違って当然なんだなぁと感じました。実は私は、何でもかんでも「個性」という言葉でまとめてしまうことが好きではありません。本当は直すべき短所でもうやむやにしてしまう感じがするからです。寮の受けれてくれる人たちの中で、自分のいろんな姿を見せていれば自然と周りが個性を見つけて認めてくれると思います。他人のほうが実は個性を感じ取ってくれるものでもあるのです。

 1・2年生の皆さん、いっぱいルールを教えたり注意したりしたけど、みんながいるから私たちも成長できました。1・2年生がいてくれたおかげで私たちは先輩としてたくさんのことを学べました。ありがとう。3年生、たくさんのことがありすぎました。このみんなでいつもいる当たり前がなくなってしまうのはとても怖いです。でもきっと、いつも一緒にいてくれたみんなのおかげでこれからの私があり続けるのだと思います。いいことも悪いことも全部みんなと一緒だったからオールOKって感じです。この言葉だけじゃ収まらないけど、本当にありがとう。最後に、このように恵まれた環境で生活できたことに感謝します。

 

 

「この世にいらないものはない!」

H.T(大望館3年 兵庫県川西市)

 敬和に入って分かったことについて話します。僕は敬和に入って素敵なキリスト教の考えに出会いました。「それはこの世にいらないものはない」という考えです。キリスト教の考えだとこの僕は要らない存在なんかじゃないらしいです。けど僕は自分が本当に嫌いです。入学したときは自分はダメなやつだって思ってたし、何かがないと友達ができないって思っていました。今まで友達がいなかったからです。だから敬和でも友達ができるわけないと思っていました。

 僕は今まで相手の気持ちを考えて接するのが苦手で、思ったことをすぐ口にしてしまってよく相手を不快にさせてしまっていました。しかし僕は変わろうとは思っていませんでした。みんな僕のことなんて何とも思っていないとか、僕のことなんてどうでもいいって思ってるって思っていたからです。変わることはできないって思っていました。けれど2年生の時に部活である先輩とトラブルみたいなのがあり怒らせて、泣かしてしまいました。そのことで先生に怒られました。それまではさっき言ったようにみんな僕のことなんて何とも思っていない、どうでもいいって思ってると思っていました。しかしその時にやっと僕のことを気にかけてくれてる人はたくさんいる、僕のことを心配してくれてたり、大切に思ってくれてる人はいるってことに気づけました。そしたら本当に自分が嫌になりました。みんなに申し訳なくなりました。僕は今までにそう思ってくれてる人たちをたくさん不快にさせてきたんだなって気付いたからです。それからは変わろうって思えるようになりました。

 ある程度は相手の気持ちを考えられようになったし、今このこと言ったら不快に思うだろうなとわかる様にはなったと思います。友達が増えたと思います。しかし僕は僕でした。人の気持ちを考えるのが苦手以前に、人と話すことができないのです。僕はこのことが一番嫌です。けど僕と友達になってくれた人は、別に上手く話せなくてもいいよって言ってくれてるような気がして本当にうれしかったです。受け入れてくれたみたいな。本当に素敵な友達ができたと思います。

0224_no05 最初に話した、「この世にいらないものはない」というキリスト教の考え。なぜなら神様が必要だと思って創られたのだから。この世の中に自分と同じ人間は一人としていない。昔もそうだしこれからもそう。同じ人は絶対いない。みんな違ってみんな価値がある大切な存在らしい。そりゃ自分より勉強ができる人、運動ができる人っていうのはいっぱいいると思う。けど自分と同じ考えを持った人、これから自分と同じ人生を歩む人は絶対いないと思います。自分と同じ価値の人はいないです。だから世界のどこかにはこの世に一人しかいない自分のことを必要としてくれている人は必ずいます。自分にしかできないことって言うのがあると思います。もしかしたら自分にしかできないことってのは本当に小さなことかもしれないです。そして人間はいつか死んでしまいます。その一回しかない人生、せっかく神様から与えられたかけがえのない命に満足して、与えられた賜物を必要としてくれている人のために用いていきたいと思います。そして何よりこんな僕と友達になってくれた人のことも忘れずにいたいです。本当に感謝しています。ありがとう。

 もちろんみなさんのことを必要としてくれている人は必ずいます。それは何かすごいことが出来るからじゃなくて、世界に一人しかいないあなただから必要って思ってくれている人がいます。だから自分はダメなやつだって思う必要はないです。人間は誰かから必要とされているって知った時に、そして感謝された時に生きがいなどを感じるらしいです。一回しかない人生、自分らしさって言うのを大切にしてください。そして神様は私たちの事を愛してくれていて、どんな時でも一緒にいて見守ってくれると信じています。

 

 

 

 

☆お知らせとお願い☆

  先月、のぞみ通信と一緒に「寝具レンタル継続のご案内」を送らせて頂きました。申込み期限が3月11日(金)までとなっております。よろしくお願い致します。

 また、①新たに布団のレンタルを利用されたい方、②ご案内が入っていなかった方、③次年度はレンタルを利用されない方は、のぞみ寮本部までご連絡くださいますように、お願い申し上げます。

のぞみ寮本部 ☎025-259-2390(9時~17時:faxも可)

 

 

寮務教師からひとこと

 2016年度の入学試験も残すところ3月の最後の試験のみになりました。来年度、新しく迎える仲間もほぼ決まりました。この時期になると、今いる寮生の面接試験を思い出します。緊張しながら一生懸命語ってくれたあの姿を、忘れずにはいられません。そんな彼らが、頼れる先輩になろうとしています。日に日に成長していく姿を見守る事ができる大きな恵みに、改めて感謝したいです。

大望館担任 堀越 俊継

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2016年2月22日月曜日

めぐみ通信 No.49(2016年2月22日)

2年生だけの夜

 3年生が1月29日放課後から自宅学習期間に入り、44人いためぐみ館も28人での生活がスタートしました。初日の夜の点呼では3年生が居なくなったとたん、超がつくほど静かで早く終わってしまう点呼に、各館の先生達も早速寂しさを感じていたのではないでしょうか。

0222_me01 3年生居なくて静かだなぁ、なんて思っていたら2月3日~5日までの2泊3日、今度は1年生達がスキー教室に出かけていきました。「いってらっしゃ~い!」と元気よく送り出したものの、めぐみ館に残ったのは両手で数えられる人数の2年生のみ……。3年間で1度きりの2年生たちだけの夜がやってきます。みんながワクワク、ドキドキしていたのは言うまでもありません!
 この期間、各館でもそれぞれいろんなイベントが催されていたようですが、のぞみ寮としてもいろんな行事が企画されていました。2年生だけの全体礼拝に、鍋パーティ(アイスも食べ放題!?)。澤野先生によるセクシャリティ教育に、恵方巻き、行事委員主催のレクリエーションなどなど。のぞみ寮の2年生みんなで過ごす時間をたっぷり持った2日間となりました。
0222_me02 このたっぷり行事の中でも私が特に楽しみにしていたのは、当然(?)鍋パーティです!今年はめぐみっ子のテーブルに入れてもらい、たっぷり、がっつり堪能しました。めぐみっ子たちと最初から最後までテーブルを囲んだのは初めてだった私ですが、終始笑いっぱなしで、楽しいひと時となりました。めぐみっ子に比べたら、ちょっとだけたくさん食べる私に、「先生、大丈夫!?」「まだ食べるの!?」と目をまん丸にして覗き込んでくるみんな。その豊かな表情にもっともっと笑顔にさせてもらう私がいました。
 寒くて、人数の少ない夜でも、仲間と集まって一緒にご飯を食べ、語り合い、笑い合い……たわいもない時間ですが、それが何よりの幸せな時間だと再確認する事ができました。2年生達も、のぞみ寮生活が出来る残された時間はあと1年。仲間との交わりを大切に、日々幸せを感じながら豊かに育っていってほしいと祈ります。(森口)

 

 

 

 先日のフリーの日の夕食後、体育館を借りて女子寮全体でドッヂボールとバスケのレクリエーションをしました!各館の行事委員が企画してくれた今回の企画。めぐみ館・みぎわ館の1・2年生がごちゃ混ぜのチームを組んで、思いっきり体を動かしてとてもいいリフレッシュの時間となりました。これからもこんなふうに、館の隔てなしにたくさんの交わりの時間の中で、それぞれの館の素敵なところを受け取り合っていっていけたら素敵ですね。(会田)

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「ケンカをしませんか?」~受け止めあうために~      2年 S.A
 みなさんは人にしっかりと自分の想いを伝えることができますか?今日は人に自分の想いを伝えることについてお話したいと思います。現代は、携帯端末・スマートフォンが発達しSNSなどで友人と話すことが多くなっていますよね。機械を通して人に想いを伝えることが多くなっています。つまり人と面と向かって話すこと、想いを伝えることが少なくなっているということです。これは便利な時代になった現代の重視すべき問題だと思います。決してSNSなどをするのが悪いというのではありません。

 私ももちろん寮のパソコンや家に帰ったらスマートフォンで友人とSNSをします。ですが私たちは寮にいるために、いつでも友人とメールなどできるわけではありませんからとても不便です。しかし不便な分、ここで一緒に生活している仲間たちと面と向かって想いを伝えることができます。ぶつけ合うこともできます。

 人に想いを伝えたり、自分の意見を言うというのはとても難しいことです。携帯、スマートフォンを使ったら簡単に言えることでも面と向かって言うのは難しいなと時々思います。寮に入る前の私は、人に自分の想いを伝えるということができませんでした。これを友人に言ったら嫌われるかも、ケンカしてしまうかも、と思ってしまい言えなかったのです。ですが、今の私はしっかりと自分の考えや想いを伝えることができます。現にここでみなさんに自分の考えを伝えています。

 これは寮に入ってからできるようになりました。ちゃんと私の意見を聞こうとしてくれる人たちがいたからです。人の意見を受け入れてそれに対してアドバイスや、それはちょっと違うんじゃない?と言ってくれる人がいたからです。

 みなさんの中にも自分の意見や想い、気持ちをうちに秘めて隠している人がいるのではないでしょうか。想いや意見は声に出さなければ状況は何も変わりません。私の大好きな三代目J Soul Brothersのヴォーカル今市隆二さんは『努力は人を裏切らない。努力しなければ成功はしないし、失敗もしない。でも努力をすることで成功に近づける』と言っています。これと同じことだと思います。行動しなければ何も変わらないのです。きっと誰かがあなたの意見、想いを受け止めてくれます。

 私は今まであまり友人とケンカをした事がありません。人に嫌われるのを避けてきたからです。でも今の私はみなさんとケンカしたいです。ちゃんとケンカしてお互いの意見をぶつけ合って、泣いて、最後は和解し合って、仲直りして、大人になったら「あの頃はいっぱいケンカしたね」なんてお酒を飲みながら笑いあいたいです。

 私はケンカが悪いものとは思っていません。むしろしていいものだと思います。なのでぜひみなさん、私とケンカしてください。(礼拝のお話から)

 

 

 

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 1月27日に、自宅学習期間に入る“3年生とのおわかれディナー”の会がありました。どのテーブルも3年生との会話もはずみ、和やかな食事のひと時でした。

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 3年生が自宅学習期間に入り、1,2年生の生活が始まりました。片づけられた3年生部屋を見るにつけさみしさが募ります。静けさを感じる寮内です。3年生がどれだけ頼りになる存在であったかを感じています。
 1月の夕礼拝は、3年生一人ひとりがラストメッセージを語ってくれました。苦しいとき、しんどい時を乗り越えてきたこと、仲間のつながり、寮生活を通して成長したことを聞きながら、1年生の心にも強く響き、感じ、今の自分たちの姿に置き換えつつ、これからの生活にエールをもらっているとの会話を耳にします。
 新入生を迎える準備も始まり、自分たちの関わり、目標など、ミーティングを重ねています。今週は部屋替え。新しい部屋での新しい出逢いの時を、悩みながらもしっかりと歩んでいけようにと願っています。(小菅)

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みぎわ館 第229号(2月20日)

メイプルの香り

0220_mi01 45回生のK.Eさんが、メイプルシロップをくださいました!みぎわ館への留学からのお土産です。Eさん、ありがとうございました!  カステラボールを焼いて残泊している人たちで、開封させていただきました。だいじょうぶです。ご安心ください。まだたっぷりとシロップは 残っています。また、みんなで頂きましょう。このメイプルシロップ、とても良い香りを放ってくれていましたよ。
 2月になりまして、寒さの中にも、どこかしら、春の空気を一瞬感じる今日このごろ。3年生は、自宅学習期間に入って2週間が経ちました。しっかりと、次のステージへの備え に日々奮闘されていることかと思います。先輩たちは1,2年生と2月28日に会えるのを楽しみにしています。(榎本)

 

 

 

 みぎわ館では今年度最後の部屋替えを前に、各部屋でお楽しみ会がちらほらと開かれています。また各学年では、新しい年度を前に「ルールづくり」見直しがおこなわれています。

 例年ルールの見直しについては工夫がされています。今年も例にもれず、2年生は今まで同様、そして更に「みぎわ館が居心地のいい家のような雰囲気が漂ったもの」を大切に見直しをしています。

 一つ一つやっていく中で、「大切な事」が見えてくるはず……。しっかりと自分たちの納得いくものができればいいですね!

 更にルールを「ルールブック」という冊子化せずにコミュニケーションでということで、先輩たちが積極的にコミュニケーションをとって行く、原始的なスタイルを試みるそうです。  このように、来年度の新2,3年生のは新たな挑戦も始まり、わくわくですね!(榎本)

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「2年生のスポーツ大会」

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「1年生のスポーツ大会」

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3年生と最後の夕食を囲んで~!

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寮内にて~。

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「3年生を送る会 by みぎわ」

 

 

 

礼拝の話       

「親との時間を大切にしたい」     1年 K.S

 

 突然ですが、皆さんは、後どのくらい自分の親とすごす事ができると思いますか?私がこんな質問をしたのは、自分の母親が今57歳で、多分他の人の母親よりも年を取っています。母が60歳の時、私は18歳。母が70歳の時、私は28歳。母が80歳の時、私は38歳。自分の母親と祖母を思い浮かべてみても、やっぱり、私は母親とすごせる時間が普通の人よりは短いんだろうな、と思います。母親に孫を見せてあげられるか、とても心配になります。

 そんな事を思う私ですが、普段、母に親孝行ができているかというと、自信ありません。母の日に用意するプレゼントは、いつも肩たたき券ですし、母親の誕生日を、その日に思い出して、プレゼントを買っていなかったりしますし、とても親不孝者です。でも、私は、母の事が大好きです。母は、人生の先輩だと思っていますし、母と過ごす時間は、とても安心できます。寮に入ってから、そういう気持ちが多くなりました。皆さんの中にも、そういう人はいると思います。でも、母親と居られる時間は、ずっと続くわけではありません。実際、今高校で寮に入っているし、大学でも寮に入ったり、一人暮らしを始めるかもしれません。大学を卒業すれば、一人立ちして、親と別れて暮らす人も多いと思います。そうすれば、親と一緒にいられる時間はとても短くなります。そして、永遠の別れがいつかは来ます。私はまだ高校生だけれど、今寮生活をしているし、大学も寮に入ったりするかも知れませんから、今から母親とはあまり会えません。でもちゃんと親孝行して、親との時間を大切にしたいです。皆さんも、是非、親との時間を大切にして下さい。

 最後に、最近は医療技術が発展して高齢出産が増えてきました。でも高齢出産になった時、自分も歳をとって、あまり働けなくなります。子どもを育てるのには、お金と体力もいります。だから自分が、将来親になる時はそういう事もちゃんと考えたいです。



2016年2月19日金曜日

光風館通信 第466号(2月17日)

< 誕生日おめでとう! >

 1月24日(日)に11月誕生会を開催しました。

0217_ko01 今回のリクエストは『タコス』でした。去年に引き続き、11月誕生会からのリクエストなのです。去年の11月誕生者は、優柔不断な人やフラフラと遊びに行ってしまう人が多くて、話が全く噛み合わずメニューを決められないでいました。その中、ひとりがブツブツと言っていた『タコス、タコス、タコス、タコス…』という言葉に全員が賛成し、開催することになりました。
 そして、今年もタコスとリクエストしてきたのです。でも、今年もやってみてわかったのですが……タコスは時間が掛かり過ぎる。それは生地が手作りのため、焼き上げるのに一苦労だからです。コンロを前に大人数で火加減を微調節していたり、焼き上げてもひっくり返す時に生地が破れてしまったり、うまく焼き上げることが出来ずにいました。その中、失敗を積み重ねながらも上達していったのは、K.T君(2年)でした。とてもいい焼き色と生地の厚さを理解し、何枚も焼いてくれました。ありがとう!

 生地を焼く時間と食べる時間が割に合わなく、手持ち無沙汰な時もありましたが…恋バナで盛り上がり、楽しいひとときとなりました。

 

 1月26日(火)に12月誕生会を開催しました。

0217_ko02 今回のリクエストは『オムライス』でした。12月誕生会のメンバーは、食べる勢いが凄かった!ご飯6合を使ったオムライスが開始10分にして、無くなりました。大きな皿を目の前にしてガツガツ食べ、てんこ盛りにしていたオムライスの山が削られていく姿を見ました。彼らの食欲の凄さと賑やかに食べる姿に嬉しさを感じました。また、K.T君(3年)も特製ホワイトソースに喜んでくれたようで何よりです!(片岡)

 

 

 

 

 

 

 

< 光風館スポーツ大会〜ドッヂボール〜 >

 2月6日(土)光風館スポーツ大会〜ドッヂボール〜を開催しました。3年生が自宅学習期間に入り、参加者も減るかなぁと心配しましたが……20名を越える光風生で白熱した試合が展開されました。0217_ko03

 何と言っても大盛り上がりしたのは、最後のジャンケンでした。今回は1・2年生対抗で全員が一列に並び、勝った人が次の人とジャンケンし、最終的に残った人数が多いチームが勝ちという勝ち抜き戦としました。そこで大活躍したのは、K.K君(1年)です。最初は、互角の勝負だったのですが、彼はなんと6人勝ち抜きし、雄叫びと歓声で体育館がどよめきました。2年生は、その彼の勢いを止めるようとしますが、刃が立ちませんでした。しかし、そこで現れたのは、ドッヂボールの試合中に“監督”というあだ名を付けられたM.H君(2年)でした。あいこを繰り返して“監督”のメンツを守り、何とか勝ちを収め、彼の勢いを止めますが時すでに遅し。ジャンケン勝ち抜き戦は、1年生が圧倒的勝利を飾りました。(片岡)

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< 光風館たこ焼きパーティ >

0217_ko06 2月14日(日)バレンタインデイであるこの日に光風館では、たこ焼きパーティを開催しました。今回は49回生入学試験のため4連休となり、帰省した寮生が多い中、少数でも賑やかな時間を過ごしました。たこ焼きパーティの中、H.Aさん特製オレンジピールが登場し、大興奮の光風生でした。
 結局、好きな女の子からバレンタインデイのチョコをもらえたどうか、たこ焼きで大盛り上がりしている彼らには、最後まで聴けませんでした。(片岡)

 

 

 

 

 

< 礼拝のお話 >

『今、抱えている不安に向き合うこと』    S.R (1年) 東京都東村山市出身

 この中に、様々な問題を抱えている人がいるのではないでしょうか?自分のことでもいいですし、寮のことでもいいです。みなさんはその問題に対してどう向き合っていますか?目を背けてはいませんか?その問題を問題視せず、楽しいことばかりに目を向けている、そんなことはありませんか?もしそうであるなら後々自分の首を絞めることになります。

 寮というのは、社会の縮図だと僕は思います。ここで感じる不平不満はこの先社会に出ればもっと大きなものになり、今以上に辛くなると思います。今、ここで問題を問題視しなければ社会に出た時、どうなると思いますか?不満があってもそれを直接言わず、陰では誰かを一丁前に批判し、それを問題視せず他の楽しいことばかりに目を向ける。そして、それを何度も繰り返す。人というのはそれを繰り返すうちに小さなことに幸せや楽しさを見出せなくなる。つまり、幸せの感度が高くなってしまうのです。そうするとどうなるか。今まで目をつむっていた問題が次々と現れ、次第に自分を覆っていきます。繰り返すようですが、自分の首を絞めるのです。これから入寮してくる後輩たちが見れば、先輩に対して不信感を抱くでしょう。中には居心地が悪くなり、ここにいるのがとても苦痛になる人も出てくるのではないでしょうか。

 問題としっかりと面と向き合うのは簡単なことではありません。逃げ出したくなると思います。しかしみなさん、現実から目を背けないでください。しっかりと現状を見つめなおしてください。このままでは駄目だと思うならば、ちゃんと向き合ってください。1人では確かに大変です。しかし、ここにはそれを応援してくれる、支えてくれる仲間がいます。だから諦めず、どうかその仲間たちと問題に向き合ってください。僕自身、それが今できているかと言われれば出来ていません。しかし、僕はここにきたからには自分を変えたいです。みなさんにこれを強制するつもりはありません。しかし、もし本当に変わりたいという気持ちがあるのであれば、どうか取り組んでみてください。決して簡単ではありませんし、時間もかかると思います。でもこれが出来た時、本当に大きな人間になれるのだと思います。

 そして最後にもうひとつ、もしこの寮を楽しくて自由なものにしたいのであればどうか周りの人と関わってください。自由というのは信頼関係と周りに対する気遣いから生まれるものだと思います。自分だけのことを考えた自己主張や行動は、ただのわがままであり、そこから自由は生まれせん。だから少しずつでいいです。周りのことについて考え、気を配ってみてください、そして、出来るだけ自分の周りを見てみてください。そこからまた新たなものが見つかり、周りとの信頼関係にも繋がるのだと思います。



2016年2月8日月曜日

めぐみ通信 No.48(2016年1月30日)

冬だけど・・・冬だから!

 新潟にもようやく雪が降り積もり、雪かきが必要な天気がやってきました!そんな中でも寮生達は、「子どもは風の子」と言わんばかりに、各館がかまくらを作ったり、巨大滑り台を作って段ボールで滑り降りたり、わざわざ「雪が降ったから外出してみる」と歩いて片道30分のコンビニに出かけたりしています。「寒くないの~?」と聞くと「寒い~!でも若いから大丈夫!!」といって、食事後、友愛館からめぐみ館への帰り道に、きゃあきゃあと雪合戦をして遊びながら戻る姿はなんとも可愛らしいです。

 また、めぐみ館では今年度からアイスクリームの購買を行っているのですが、今回その売上げで出た利益をみんなに還元しよう!とクリスマス前に小菅先生と考えました。何か一人一人に小さなプレゼントでもいいかもな~とも思いましたが、今回は200円分のアイス代としてみんなに還元することにしました。1個100円と50円のアイスですが、めぐみ館生の唯一の贅沢でもあります。いつも、冷凍庫を前に、「昨日買ったからもう今週は我慢するんだ!」「…何の種類があるか見るだけ見てもいい?」と葛藤しながら、自分で親御さんからもらっている大事なおこずかいを(そして体重も)コントロールしようとしているみんなの姿があります。なので、みんなに、このささやかなプレゼントの発表をすると大喜びしてくれました!約1か月たった今もまだ、プレゼントの200円分を大切にとっている人もいます。

 冬だからこそ、雪遊びをしたり、お風呂上がりにアイスを食べたりするそんな時間が彼女たちのリラックスのひと時になっていればと思います。(会田)

 

新しい年を迎えて

 2016年もよろしくお願いします。めぐみ館生の中には、心配、悩み事を抱えてしんどい気持ちで帰寮してきた子もいます。「お話してもいいですか?」と相談に来る子もいます。話し合いの持ちかたも、相談の内容に応じてそれぞれです。寮務教師と一対一で話すこともあれば、先輩を交えて話をすることもあります。先輩も一方的に話はしません。まずじっくりと聞いてくれ、寄り添ってくれます。「わかるよ!その気持ち・・私もそうだったよ」先輩が同じような気持ちであったことが分かると表情に安堵さが感じられます。寄り添い、話を聞いてもらえたことで、心も少しずつほぐれていきます。

 これから1,2年生は、春からの新しいめぐみ館作りについての話し合いの時間も多くなってきます。学年で、そして1、2年生の間で多くの言葉が交わされて、より良いめぐみ館がみんなの力で築いていけるようにサポートしていきたいと思います。また一人ひとりのサインを見逃さずに言葉を交わすことを大切に関わり、つながりをふかめていきたいです。(小菅)

 

めぐみ館公開ラジオ放送

 夜、みんながくつろいでいると、めぐみ館内におもむろに音楽が流れ始めました。46回生のM.Kさんが3年間にわたり行ってきためぐみ館ラジオです。3年間と言っても、毎年1年に1回この季節に行われるスペシャル企画なのです。次第に観客も増え(笑)、しゃべりも内容も充実してきているのが感じられます。前回はたしか「バレンタインの想い出」をめぐみっ子からエピソードを集めて流してくれていました。

 3回目の今回は、46回生の1人1人の3年間のエピソード総集編や、47・48回生の後輩達とのエピソードを、おなじく46回生のS.Kさんと一緒に面白おかしく話してくれました。約1時間(!)もの間、厳選されたリクエスト曲とともにしゃべり倒した2人。始終めぐみ館のいたるところから、2人の館内ラジオに笑い転げたり、「えーー!!笑」と驚く声が聞こえていました。

 楽しい時間をありがとう。3年間のDJお疲れ様!(会田)

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館内放送を使ってめぐみラジオをする2人と観客のみんな

 

 

 

礼拝のお話

1年  W.Y

「大好きな人への気持ち」

 私は今までの話の中で家族の話しかしていませんが、今日はおばあちゃんの話をしたいと思います。私は小さい頃から、おばあちゃんが大好きでした。幼稚園の頃も家に帰ったらおばあちゃんの家へ、小学校もよくおばあちゃんの家に泊っていたし、中学の頃も家に帰らずおばあちゃんの家にいることが多かったです。私は本当におばあちゃんが大好きで、家にいなくて母に電話越しで怒られることが多かったです。でも、おばちゃんのことが大好きでも、さすがに小さい時の私は直接「だいすき」と伝えることはほとんどありませんでした。おばあちゃんの作ったラーメンも、おばあちゃんの家で飼っている猫も家も全部好きでいつも一緒でした。いつもにこにこしているし、元気だし、家でカラオケもしていたし、たとえ嫌なことがあっても、おばあちゃんがいてくれれば、毎日楽しいと思っていました。“毎日が楽しい”“毎日”がずっと続けばいいなぁと思っていました。

 私がいつも通り学校から帰り、おばあちゃんの家に行こうとしたら、母が困った顔で椅子に座っていました。みんなも元気がなく、お父さんの口からやっと言葉が出てきました。「おばあちゃん、ガンだって……」私は正直なんとも思いませんでした。ガンって何?病気?悪い病気なのかな?くらいしか頭になくて、でもおばあちゃんは学校から帰っても家にはいませんでした。私は静かにおばあちゃんの家の「ロンちゃん」という猫とずっと遊んでいるばかりでした。

 おばあちゃんのお見舞いにはじめて行った時、おばあちゃんはニコニコしていました。“なんだ 元気だ!いつもと変わんない”と思いながら「おばあちゃんいつ戻ってくるの?」と言ったら「もうちょっとで帰るよ。ロンちゃんも元気?」と返ってくる言葉に毎日安心していました。ほぼ毎日おばあちゃんに会いに行きました。おばあちゃんは髪の毛が無くなっていきました。「おばあちゃん、何で帽子かぶっているの?」と笑いながら言っても「おばあちゃん、寒いのよぉー」という言葉がかえってきました。強い薬を飲んで髪の毛がなくなっているとは思ってもいませんでした。

 3週間くらいすぎ、おばあちゃんに会いに行きました。でもおばあちゃんは起き上がらずニコニコしているだけでした。

 ひと月が経ち、母はテーブルに顔を伏せ泣いていました。「おばあちゃんが……」と母の口から出た言葉で全身が固まりました。家族6人そろって病院に行きました。おばあちゃんは目を閉じていて、しゃべってくれませんでした。ニコニコしていませんでした。その時はじめて泣きました。

 父に「手を握ってあげて……」と言われ冷たく、しわしわの手をつなぎました。涙が止まりませんでした。おばあちゃんの作ったラーメンが食べられなくなる。いっぱい食べられなくなる。ではなくて、ただおばあちゃんが大好きだったから泣きました。おばあちゃんが亡くなったひと月後に、猫のロンちゃんも天国へ行ってしまいました。

 私はおばあちゃんに“大好き”という気持ちを伝えられませんでした。私は天国のおばあちゃんに届くようにひと月ごとに手紙を書きました。ひと月の間に家に起こったこと、猫のロンちゃんにも手紙を書いていました。

 この前、母の引き出しを開けたら私の書いた手紙が入っていて、読み返したら思わず笑えました。「こんなの天国に届くかなぁ」という気持ちと、おばあちゃんは天国で読んでくれているという気持ちがありました。でも絶対読んでくれています。恥ずかしいけれどそう信じています。

 皆さんも大好きな人に気持ちを伝えていないのなら、恥ずかしがらずにぜひ気持ちを伝えてみてください。恥ずかしくなんかないです。相手は絶対にニコニコ笑ってくれます。自分を大切に思ってくれる人は必ずいます。