2018年3月23日金曜日

めぐみ館通信 2018年3月20日 第94号

共に歩める幸せを感じながら

 終業日を迎えそれぞれ家路に着きました。一人、静かなめぐみ館の中で1年の日々を振り返っています。仲間と過ごす生活は楽しいことばかりではありません。多くの生徒達は、悩み、しんどさを抱えながら過ごしています。けれども、共に生活することで喜びも多く感じていきます。生徒達は、関わることの不安や怖さの悩みを持ちながら、仲間の存在に少しずついやされ、心がほぐれていくことも実感していきます。自分自身とじっくりと向き合い、考えることで今まで感じたことのない感情にも出会います。様々な出来事を乗り越えた時の生徒達の表情は、なんとも穏やかです。一歩を踏み出す勇気は、仲間との関わりの中で築かれていく、日々の生活の中で、そんな場面に多く立ち会えました。あきらめないで、誠実に向き合うことの大切さを彼女たちの姿から私自身が教えられています。
 生徒達からの「めぐみ館に帰ってくるとほっとする」何よりうれしい言葉です。それぞれを思いやり、気づかいながら、安心して楽しく過ごす関わりの中で幸せをたくさん感じてほしいと願っています。
 私自身が彼女たちの笑顔に励まされ、支えられた毎日でした。
 それぞれの地からお祈りをしてくださったこと感謝いたします。今年度を無事終了することが出来てほっとしています。春休みのひと時、それぞれのご家庭でのんびりと体を休めてきてください。
 4月、みんなの笑顔に会える日を楽しみにしています。1年間ありがとうございました。感謝して…(小菅)

 

 

 

~2月からのめぐみ館あれこれ~

「鍋パーティーのひと時」

 3年間で1回だけ、2年生だけで過ごす3日間があります。1年生がスキー教室に出かける時です。前々からこの日を心待ちに、どのように過ごすか計画を練っていました。夕食の鍋も楽しみの一つです。あんなにあった食材もすべて食べつくしました。もちろんデザートも別腹で、おいしく楽しくいただきました。

0320_me01 0320_me02 0320_me03 0320_me04 0320_me05 0320_me06

 

 

 

~新1年生を迎える出会いの部屋替え~

0320_me07 0320_me08

0320_me09 今年度3回目の部屋替えです。段取りよくスムーズに進んでいます。部屋替えの度に荷物は増えていきますが、彼女達は収納に工夫をこらしています。新1年生を迎える部屋になるので、部屋移動をする姿は、いつも以上に来年度への期待が感じられました。4月からの生活をイメージしながら部屋作りをしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3年生へ感謝を込めて 練習風景~

0320_me10 0320_me11 0320_me12 0320_me13 0320_me14 0320_me15 0320_me16 0320_me17

 

 

 

~1.2年生合同ミーティング~

0320_me18 0320_me19 0320_me20 0320_me21 0320_me22 0320_me23

 

 年明けから、全体ミーティングの機会を重ねました。テーマ「安心した寮生活をしていくために大切していきたいこと」を様々な角度から話し合いました。学年を超えてのミーティングに不安を持つ生徒もいましたが、先輩たちが和やかな雰囲気づくりをしてくれ、1,2年生も安心して積極的に発言している姿が印象的でした。
 また、「3年生の卒業のお祝いの会」のために1,2年生が一緒に活動する時間が多くありました。共に過ごす時間の積み重ねの中で、関わりが深められていくことを一人ひとりが感じながら過ごすことが出来たと思います。達成感は、共に過ごした仲間とでしか味わうことはできません。今年度最後の全体ミーティングでは、1年間の振り返りを一人ひとりが自分の言葉で語っていました。仲間の言葉にもしっかり耳を傾け、関わることで知った仲間との絆をそれぞれが実感していることが伝わってきました。(小菅)

 



2018年3月19日月曜日

光風館通信 2018年3月15日 第505号

< 光風館48回生寮修了おめでとう!! >

0315_ko01 2月28日(水)寮修了礼拝が行われ、48回生が旅立っていきました。寮修了礼拝後、在寮生の言葉では49・50回生が笑いと愛に満ちたメッセージを贈り届けて、大成功でした!!光風館48回生だけでなく、その場にいた全員がキミたちの感謝の気持ちを感じてくれたことでしょう!!その雰囲気が私は嬉しくて誇らしかったです!!本当にお疲れ様!!
 光風館48回生は最後までやんちゃな学年でしたが、いつもエネルギーに溢れて、素直な彼らが大好きでした!!彼らがラストメッセージで語ってくれた熱い想い、何事も本気で取り組むひたむきな姿を忘れることはないでしょう!!今まで頼りになる先輩として、光風館を引っ張ってくれて本当にありがとう!!ここ光風館での経験を活かして、自分らしく輝く人生を送ってください!! これからの活躍、祈っています!!(片岡)

0315_ko020315_ko03 0315_ko04 0315_ko05 0315_ko06 0315_ko07 0315_ko08

 

 

 

< 誕生日おめでとう!! >

0315_ko09 2月27日(火)2・3月誕生会を開催しました!!2・3月誕生者からのリクエストは“お腹いっぱいチャーハンが食べたい”でした。ひとり当たり1合食べられるように作りましたが、食欲旺盛な彼らにとっては“余裕だった”ようです。この日は自宅学習期間だった48回生の帰寮日だったので、久しぶりの再会に会話が弾みました。この日が誕生日だったK.T君(3年)は3年間を振り返って、苦しかったことも笑い話にしていた姿が印象的でした。また、S.R君(3年)は後輩へ向けて「お前たち、マジで友達と過ごす時間を大切にしたほうがいいよ!!」と熱く語り、先輩らしく頼れる存在として成長した姿が感動的でした。
 これで、今年度の誕生会は全て終わりました。それぞれの誕生会が楽しい時間だったと感じてもらえたら嬉しいです。誕生会でお互いの誕生日を祝い合うこと、お互いを認め合うことによって「自分も仲間も大切な存在なんだ!!」と感じてほしいと願って、開催してきました。一緒に生活しているからこそ、寮生活の苦労も分かち合うことが出来ます。でも、それ以上に“寮生活ならではの楽しさ”を分かち合ってほしくて、誕生会を続けてきました。
 来年度も“自分のことも他者のことも大切にする”そんな光風生でいてほしいと心から願っています。この1年、お疲れ様でした!!(片岡)

 

 

 

 

< 礼拝のお話 >

「今、蒔かれている種を」      H.R(2年・大阪府和泉市出身)

 真面目な話をしようと思います。僕はクリスチャンです。冬休みに地元へ帰った時、僕が所属している教会へ行きました。こう見えてもちゃんと教会には行っています。その時にちょうど一人の女性の洗礼式がありました。その方のお話をしたいと思います。
 その女性はちょうど60歳です。60歳で神様を信じて、洗礼を受けました。教会へ行くようになったきっかけは、昨年の夏に僕の教会でフラダンスをやっている人たちが地域のお祭りで踊っている姿を見て、「フラダンスを習いたい!!」と思って、教会に来たことがきっかけです。“フラダンスを習いに来たら教会だった”みたいな感じです。教会に来て礼拝に参加したら、自分がずっと探してきたものがここにあったと思ったそうです。突然、教会に来てそう思われたのは、その女性が通われていた高校がキリスト教系の学校で、毎日礼拝があって、いろいろな聖書の話を聴いていたそうです。だから、自然と聖書の話が入ってきたそうです。
 でも、高校卒業後は全くキリスト教に触れることなく、生活していました。しかし、その方は今までの人生を振り返って、「神様はあの高校生活の中でちゃんと種を蒔いていてくださり、40年以上も経って、やっとそれが花を咲かせ、実を結びました。」とお話しされていました。すぐには結果が出なくても、何十年の時を経て、芽を出し、花を咲かせることもあることに僕は驚きました。
 人間はすぐに結果を出そうとします。周りもそれを期待しています。世の中の流れもそうです。今日、種を蒔いたら明日には花を咲かせないといけないくらいのスピードです。すぐに結果を出せないとダメな人扱いされます。敬和学園に入って、最初は自分が変わったような気がして良かったけど、しばらくすると「自分があんまり成長していないんじゃないか。言う程、変わってないんじゃないか」と思うようになりました。でも、60歳で洗礼を受けられた女性と話していると、「敬和学園での生活はいっぱい種を蒔いてもらえている時期なのかなぁ」というような気がしました。高校生活ですぐに花を咲かせる人もいるでしょう。それはそれで良いと思います。だけど、何十年か経ってから花が咲き、実が出来ることも楽しいと思います。どんな花が咲き、どんな実がなるのかを楽しみつつ、今、蒔かれている種を大事にしていけたらいいと思います。



2018年3月14日水曜日

のぞみ通信 2018年3月5日 第234号

<3年生ラストメッセージ>

「Girls Be Ambitious」  N.Y(みぎわ館3年 長野県)

  3年前私は、地元を離れたい一心で敬和に入学しました。入寮当初の私はとにかくみんなに気に入ってもらおうと人の顔色をうかがうばかりでした。そんな中、さまざまな事情により、副ブロック長を担うことになりました。誇らしさと同時に重い責任を感じました。もっと人と仲良くなろう、仲良くなってもらおうと、色々してみました。結果、たくさん失敗して空回りして、自分に失望しました。それでも、私はそれを隠そうとしました。周りに弱いところを絶対に見せず、常に先を見通せる頼れる強いリーダーになることが一番重要なことだと思いこんでいたからです。
0314_no01  2年生になって、はじめて正面から他館の人と先生とぶつかりました。新しいことを始める難しさ、理解してもらえないことのもどかしさ、対立することの辛さ、価値観の違い、そして仲間の存在の尊さを知りました。
  私はみんなを引っ張るリーダーではありませんでした。自分は強くなれない、むしろ弱すぎて、一人の友人とさえも、まともに向き合えない無力なやつだということを思い知りました。私はリーダーを目指すことをやめました。私はリーダーとして求められているわけではないこと、私の思い上がった考えが、みんなとの間に壁をつくっていたことに気がつきました。そして、やめてみると不思議と気持ちが楽になり、なんだか拍子抜けしつつもほっとしました。
  3年生のある日、ある人から「変わったね」と言われました。彼女いわく、私の周りにあった壁がなくなり、関わりやすくなったそうです。その時はよくわかりませんでしたが、今ならはっきりとわかります。私は変わったのかもしれません。でも、きっとみぎわのみんなに変わらせてもらったのだと思います。
  みんなのおかげで私は、ここで本当にたくさんの自分と出会うことができました。無力で錯綜する自分、傲慢な自分、強くなれない自分、リーダーじゃない自分、面倒くさいって言うわりに仲間が好きな自分、本当に今まで全く知らなかった自分だらけでした  。自分探しとはどういうことなのか、ようやく気がつきました。今、自分探しに悩む人、自分を変えたいと思っている人、あせらなくていいんです。ここにいる時点で、あなたにはもう、いい変化が起こっているのです。本当の自分はいつもそっとそばにいます。あとは自分が気付く時を待っていればいいんです。
  48回生は、みなさんの目に一体どのように映っているのでしょうか。私からみた48回生は、魅力に満ち、さまざまな弱さと強さをもつ集団です。もうここ以外のところで生活している自分は思い浮かべられないくらい、一人ひとりに、みんなに魅了されました。みんなが私を変えてくれて、みんなが私に友達を愛することの素晴らしさを教えてくれた。そして私に本当の私の存在を気付かせてくれた。本当にありがとう。

 

 

 

「家族」  I.K(大望館3年 長野県)

 私は敬和での3年間で、家族の大切さを一番気付かされました。
  クリスチャンでも、クリスチャンホームで育ったわけでもない私が、わざわざ敬和学園の寮生になった理由は、寮で暮らしたかったからです。「とにかく家から出たい」の一心でした。家にいたくないが故に、寮ならどこでもよかったのです。どうせなら家から遠く離れた県外の寮がいいなと思い、学校の先生に相談したところ、のぞみ寮を紹介されました。中学の時、私と家族との仲は良くありませんでした。私が勉強をしない結果、テストの点数が悪かったり、家事を手伝わなかったり、親が何か言えばイライラして強く当たってしまう。どう見ても自分が悪いのにその頃の私は「全て親が悪い」の一点張りでした。何度も自分を変えたいと思いましたが、面倒くさがりの私がそうそう変われるはずがありません。そんな中、知った敬和学園。特に寮という大人数で毎日修学旅行とか、合宿のような日々を送れるなんてすごく楽しみでした。
 実際に入寮した時、ルールは厳しかったものの、家にいるときより気楽に過ごせました。先輩は優しいし、学校でも寮でも常に友達がいて、一緒に何かをするだけですごく楽しい日々を過ごすことが出来ました。ここが本当の家だったらいいなと思ったりしたこともありました。一方で親からかかってくる電話は、嫌いでした。あまり話をしたくないから、できるだけ早く切るようにしていました。
  そんな私にも、友達とうまく付き合えない時期がやってきました。辛くて一晩中泣いたこともあります。その辛さを誰にも相談することも出来ず、一人で抱え込んでいました。そんな時、私を救ってくれる存在がありました。親です。あんなに嫌いだった親に、恥を承知で相談しました。親は親身に聞いてくれました。家ではあんなにひどいことを言って、何もしていなかったのに、私の話を聞いて、一緒に泣いてくれました。私はその時初めて親に心の底から感謝しました。本当に生意気だった、こんなバカ息子に泣いて共感してくれる人は、きっと親だけだと思いました。
  その日から私は、親に常に感謝して生きています。何かしてくれるたびに「ありがとう」と言うように心がけています。私に誰にも相談できない本当に辛いことがあっても、親は絶対に自分の味方であり、心強い存在であることを知りました。皆さんの親はどうでしょうか?感謝していますか?それともお互い、いがみ合っていますか?寮にいられるのは親がお金を払ってくれているから。学校に通えるのも、お小遣いがあるのも、今の自分があるのも全て、親のおかげです。敬和はこんな大切なことを教えてくれました。もし私が地元の学校へ行っていたら、私と親の関係は何一つ変わらなかったでしょう。もし、まだ親といがみ合ったり、話すのが嫌な人は、ぜひ感謝を伝えてみてください。今は無理な人も、いつか必ず伝える事があると思います。これが寮生活において気付かされた、一番大切なことだと私は思います。

 

 

 

「信じることの幸せを感じながら」         A.E(めぐみ館3年 新潟市)

 私はもともと人と話すことが苦手で、小学生の時から全く話しませんでした。それでも一人友達がいました。毎日遊ぶのが楽しくて、全く話さないのに仲良くしてくれるその子が大好きでした。しかし中学に上がり、その唯一の友達に見放されて、独りぼっちになりました。中学校は陰口がひどくて、全く話さない私への陰口は特にひどかったです。何をしても陰口を言われる気がして何もできなくなり、家族以外のすべての人に怯えていました。笑うこともなくなって、全てのものを閉ざしていました。そんな時に母を通して敬和に出会いました。
  入学してからもほとんど話せず、緊張で全身固まり、一秒一秒がとても辛かったです。寮に戻る事が辛く、とにかく家に帰りたかったです。中学生の時と違ったのは“話せるようになりたい”と思っていたことと、“話しかけてくれる人がいた”ということでした。とにかく話せるようになりたくて、自分なりに色々な事を試して見ました。仲間と話せたら嬉しくなり、逆に話せないと落ち込みました。“話したい”と思うからこそ、話せない自分が嫌になり、仲良く過ごすみんなの姿を見ては、おいて行かれている気がして焦りました。
 でも、寮の仲間は、うまく話せなくても何度も話しかけてくれました。飛び上がるくらい嬉しくて仕方がありませんでした。寮生活の中で、家族のようにはしゃいでいる仲間達の姿から、人ってこんなに信じてもいいものなのだと、だんだんと思えるようになっていきました。。
 少しずつ、私を無条件に信じてくれる人たちの存在に気づいていきました。私が話せるようになりたいと思っていることを寮の先輩方は気づき、見守り、成長を喜んで下さっているということを先生から聞き、私があまり話せなくても、みんな心を開いて話しかけてくれていたことを知りました。こんなことをしても、あんなことを言っても、絶対相手は受け止めてくれると、とにかく信じてみようと心に決めて過ごしました。少しずつですが、仲間を信じられる自分に気づいていきました。
  本当のことを言うと、今でもまだ人を信じ切れてはいません。そこにいる人が自分を見てどう思うか、陰口を言わないかなど、私はつい心配になってしまいますが、受け止めてくれると信じ切ること、どう思われてもいい、これが自分だからと思うことによって、その心配から解放される事を実感出来るようになってきました。
  それを気づかせてくれためぐみ館の仲間達にはとても感謝しています。自分でも驚いていますが、最近は家にいて、ふと寮に帰りたいなと思うこともあります。私がここまで話せるようになったのは、本当にみんながいたからです。私が心を開くまで待っていてくれていると感じていました。みんななら、私を見捨てないと信じることができ、話せるようになりました。信じて声をかけ続けてくれて、見放さないでいてくれてありがとう。めぐみ館で生活できて幸せでした。
  みなさん。人を信じて生きていってください。自分を受け止めてくれる人は必ずいます。そして、自分を変えたいと思っている人は願い続けて下さい。変わりたいと願う程、辛いことも多いと思います。でも願い続けていれば、必ず何かは変わります。今まで頑張ってきた自分と、自分を信じてくれる人たちを信じて、やりたいことを思い切ってやってみてください。

 

 

 

「母からの手紙で」  A.S(光風館3年 新潟市)

 私は、はじめ敬和学園に来ようとは考えていませんでした。“学校に自転車で登校すること”が憧れだったからです。なので、私は地元の高校に行こうと思っていました。ある日、父に「高校はどこに行くのか?」と聞かれた時、私は「地元の高校に行きたい」と言いました。すると、父から「なぜ、地元の高校に行きたいのか?」と聞かれ、「自転車で登校したい」と言ったら、父に「そんな理由なら高校に行くな!!」と言われました。当時の私は、今よりも面倒くさがりで何をするにしてもやる気が無く、進路のことを考えても、父を納得させる理由は思い付けずにいました。もう考えるのも面倒になってきた私は「高校に行かなくてもいいや」とさえ思えてきて、進路を考えることを止めました。それからの私の生活は、さらにダラダラとした毎日になりました。私が部屋にこもっていると突然母が来て、私に「敬和学園に入学して寮に入りなさい」と言い、強制的に敬和学園を受けることが決まりました。
0056_02 毎日ダラダラとした生活を送っていた私には、ルールで縛られた寮生活はとても過酷でした。ミーティングでは自分の思っていること、考えていることがうまく表現出来ずにいて、ストレスが溜まり、夜もなかなか眠れず「こんなんだったら通学生になりたい」と何度も思いました。「これも全部母が私を寮に入れたから、今こんなことになっているのだ」と思い、母を恨みました。
 ですが、5月分のお小遣いの封筒の中に入っていた、母からの手紙を読んだらこの想いは消えていきました。手紙には“私が入寮してから家に帰っても私がいなくて寂しい。入寮礼拝の帰りの車で、これから私と一緒にいる時間が短くなると思うと寂しくて、母は泣いてしまった。”この手紙を読んで私は、衝撃を受けました。入寮してからそれまで、母が私を寮に入れた理由は、家で会う度にケンカをして、家に居ても邪魔な存在で一緒に暮らすのに疲れたから、寮に入れられたのだと思っていました。たぶん、母は毎日ダラダラ過ごしていく私を何とかしようと思って、寮に入れたのだと思いました。この手紙を読んで家族に対する想いが変わりました。
 もし、私が憧れである“学校に自転車で登校すること”を叶えて地元の高校に通っていたら、家族に対する想いも変わることなく、ダラダラ過ごして憂鬱な毎日を送っていたかもしれません。そう思うと「寮に入りなさい」と言ってくれた母にとても感謝しています。それからの寮生活では、何事にも少しでもいいから頑張ってみようと思うようになりました。
 1年生の最初は、人と話すのは面倒と思っていましたが、少し頑張って人と話してみました。その甲斐もあって、48回生のみんなと打ち解けることが出来て、さらに先輩や先生と関わることによって、人と関わる楽しさや大切さを学びました。
 2年目の寮生活では、何のために寮に入ったのかを考えることなく、日々を過ごしていました。人のことを裏切ってしまったり、だらしない生活を送ったりした年になりました。
 そして、最上級生となり学校生活・寮生活・行事などいろいろなことが最後となる年になりました。私は選択体育という生徒たちが種目を決め、自ら授業を創っていくという授業を取りました。私は、この授業であることを学びました。それは、“本気でやれば何でも楽しめる”ということです。この授業の学びのおかげで、私はあまり好きではなかった行事を楽しむことが出来ました。
 私がこのラストメッセージで伝えたいことは、「残りの寮生活を存分に楽しんでほしい」ということです。確かに、この寮は携帯も使えなく、不便でつまらないと思うかもしれません。だから、パソコンやiPodで楽しむのではなく、人といる時間を楽しんでください。楽しいことはたくさんあります。行事・食当・内輪ネタなど、どれも本気でやれば楽しいことばかりです。私がこうして楽しく過ごせたのは48回生のみんなのおかげです。ありがとうございました。



2018年3月12日月曜日

今週ののぞみ寮 第57号

0057_010057_02

0057_03 卒業礼拝が終わり、3年生達がたくましい姿で巣立っていった姿を噛みしめて……いる間もなく、今年度最後のテスト週間へと突入しました。寮生には、しみじみと思い出に浸っている暇なんてありません。自分達の毎日がここにあるからです。3年生達と過ごした時間は、思い出としてではなく、これからを自分達がいかに毎日を充実させて暮らしていくかに活かされます。これって凄いことだと思います。そして、しっかり活かしているのだという事を、このテスト期間にも感じることが出来ています。3年生がいなくったって、みんなしっかりテストに向けて取り組んでいるのですから!大したものです。土日の友愛館は、まるで図書館の勉強室のようです!
 仲間と教え合い、仲間の取り組む姿勢を自らの励みとできる1・2年生達の姿には感心しっぱなしです!この取り組みが、満足する結果に繋がりますように!!

 

 

 

 

0057_040057_05

0057_06 先日、サプライズ夕食がありました。それは、見たこともないほど立派なホタテが山盛り!本当に山盛り入ったお味噌汁です。友愛館にやってきた寮生達は「ん!?良い匂い!何の匂い!?美味しい匂いする~!!」と大興奮。いつも美味しいのぞみ寮のご飯ですが、この日はとっておきでした。なんて言ったって、お味噌汁のおかわりに長蛇の列ができるほどですから!(いつも、長蛇の列のおかわりはお肉ばかりです。お味噌汁に列が出来るなんて、異例中の異例です。もちろん、私も並びました!)とっても、とっても美味しかったです!ごちそうさまでした!!
 夕食後、残ったたくさんの貝殻をいそいそと持って帰る女子寮生達。その顔は楽しそうで、嬉しそうで、企み満載。何を計画しているのか想像はつきますが、敢えて触れないでおきましょう……。とにかく、頂く前も、頂いている間も、頂いてからも興奮冷めず、楽しく過ごせたことは間違いありません!
 ごちそうさまでした~!!



2018年3月7日水曜日

大望館通信 2018年3月6日 第257号

<感 謝>

 48回生N君のラストメッセージを紹介します。

-------------------------------- 

 みなさんは、小学校中学校と卒業していますが、僕の場合、まともに卒業するのはこれが初めてなのです。小学校も中学校もろくに通わなかったので、僕の中で卒業したという感覚がありませんでした。でも今は、やりきったぞという思いが僕にはあります。

 

 僕がこうして卒業できたのには理由があります。それは、寮生だったことです。 

 

 もう1つ大きな理由があります。それはみんなが仲間でいてくれることです。 

 

 僕は寮に入ってきた最初の頃、みんなと距離を置こうとしていました。しかし、それでもお構いなしに、君達はズカズカと関わってきました。そのうち僕は君達と距離をとるのをやめました。 

 

 どんな事をしても心の底から嫌われることはないという安心感がこの寮にはありました。その安心感のもとで高校生活を過ごせたことは、僕が敬和で成長するために大きな役割を果たしてくれたと思います。

 

 そう、僕はみんなのおかげで卒業できました。

 --------------------------------

 彼に限らず、寮生のラストメッセージでは、必ずと言っていいほど『人との関わり』が話に出てきます。

 3年間で、仲間と本気で向き合ったこと、家族との葛藤、成功談や失敗談、様々な話を聞かせてもらいました。

 その中で48回生に共通していることがありました。それは誰かに『感謝』をしていること。そして私が改めて学んだことは『感謝することの大切さ』です。

 

 何事においても、感謝の気持ちは大切です。人はどんな時も、人からサポートを受けているもの。私自身、今の自分があるのは、彼らと出会い以外に他なりません。これからの歩みの中でこの『感謝』することの大切さを胸に、大望と共に歩んで行きます。ありがとうございました。(山﨑)

0306_ta00 0306_ta040306_ta030306_ta020306_ta01 0306_ta06



2018年3月6日火曜日

めぐみ館通信 2018年3月5日 第93号

旅立ちの日を迎えて

 祝福の日なのに、さみしさが込み上げてきます。彼女たちと共に過ごした日々があまりにもドラマティックでしたから想いもひとしおです。1ヵ月ぶりにあった彼女たちの表情は大人びて見え、旅立ちの時であることを実感しながらも、もう少し一緒に過ごしたかったなぁとしんみりと想いに浸っています。今春の桜はそれぞれの場所で、新しい出会いの中で見ることになります。新しい出会いの中で、様々な考えや感情に触れ、知識を得て、幸せを願うやさしい人となれますように……3年間の日々に感謝します。卒業おめでとう。
 ~彼女たちひとり一人のしあわせを祈りながら~(小菅)

 

 

3年生に感謝を込めて~3年生を送る会~

 インフルエンザの流行のため、1ヵ月遅れで行いました。各学年、3年生との思い出を振り返りながら、感謝を込めて準備に取り組みました。2月は、いつもの月よりも慌ただしい1ヵ月でしたが、取り組む姿は頼もしく、学年の団結も強まっていく事が伝わってきました。同じ目標に向かいながら活動していくことは、決して楽しいことばかりではありません。なかなかチームに溶け込めない仲間もいます。でも、そんな時こそチーム力が発揮される時です。それぞれのありのままを受け止め合いながら、しんどさを共に乗り越えていくことを経験していきます。やり遂げた時の達成感は、一緒に乗り越えたからこそ実感できることです。乗り越えたからこその表情は、イキイキしています。1,2年生の温かい想いが3年生へ届く、送る会のひと時でした。
 仲間と共にやり遂げる喜びを実感しながら、共に過ごしていきましょう。(小菅)

0305_me01 0305_me02 0305_me03 0305_me04 0305_me05 0305_me06 0305_me07 0305_me08 0305_me09 0305_me10 0305_me11 0305_me15

 

 

 

 

修了礼拝の日 ~出会えたことに感謝します。

0305_me16 0305_me17 0305_me18 0305_me20 0305_me21 0305_me22 0305_me23 0305_me24 0305_me25 0305_me26 0305_me27 0305_me28 0305_me29 0305_me30 0305_me32 0305_me33 0305_me35 0305_me36 0305_me37 0305_me38 0305_me39 0305_me40 0305_me47 0305_me42 0305_me43 0305_me45 0305_me46