2023年3月24日金曜日

のぞみ通信 2023年3月22日 第279号

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題字 めぐみ館3年 H.Sさん

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寮修了礼拝

 

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 53回生の皆さん、卒業おめでとう。

 学校法人敬和学園が誕生する2年前の1965年、アメリカが軍事介入したベトナム戦争真っ只中、その反戦運動に参加するために渡米した大村勇は、当時のアメリカの若者の姿から、祖国日本における日本基督教団の不十分だった戦争責任を痛感する。帰国後すぐ、すでに日本は戦後20年を経ていたにもかかわらず、大村は韓国に渡り、韓国長老教会の総会議場で、戦時中の日本による侵略と教団の罪を謝罪した。この大村勇こそ敬和学園創立に深く関わり、学園第2代理事長となる人物です。

 日本基督教団総会議長も務めていたこの大村の後継者として教団議長となった鈴木正久は、西ドイツ留学中に、第二次世界大戦中のナチス・ドイツに抵抗していた「告白教会」の存在を知ります。その中の牧師の一人、D・ボンへッファーの命がけの抵抗運動に刺激を受け、鈴木は、戦時中の国家の在り方をただ黙認するような国民ではなく、日本においても本当の平和を実現していく若者を育てなければならないと願うようになる。時代的に、このような祈りの中で、設立された学校が敬和学園です。

 敬和学園は、一人の教育者がその教育理念を実現するために建てられたようなシンプルな学校ではない。激動の歴史の中で、祖国日本が過去に犯した戦争に対する深い反省と未来への希望が、奇跡的に一つのカタチとなった学園である。

 しかし、学校は一朝一夕には平和を創らない。ロイド・フォージャー(『SPY×FAMILY』)曰く、「何事も一朝一夕ではうまく回らない。……その地味で忍耐強いつとめをこなしながら、全てはより良き世界のために。戦争のない、子どもが泣かない世界を創るために俺はスパイになった」。これが、彼の使命感だ。同じように、敬和にも「使命の道」がある。それは、教育をとおして、愛と平和を実現する自立した若者を育てることだ、と私は思う。

 歴史は常に、辺境の地から始まっていく。古代オリエント時代にギリシア・ローマはまだ辺境であったように。日本の辺境とも言える太夫浜の丘に静かに誕生したこの敬和学園は、戦後の新しい日本の希望と未来が詰まった学園と言っていい。53回生の皆さん。この日本海の辺境から、世界を変えよう!

 これから皆さんの人生には、多くの困難があると思う。しかし、試練や困難が「私」をつくるということを覚えていてほしい。だから失敗していい試練の時にこそ祈りましょう。それは、世界でたった一人のかけがえのないあなたにしか為しえない使命を生きるためなのです。どうぞお元気で。(寮修了礼拝より)

 

 

 

 

寮修了礼拝

「自分に出会い。仲間に出会い。神様の恵みを感じながら歩んだ3年間」

 A.J(みぎわ館3年・新潟県) 

 私はこの敬和学園での三年間で、一番「敬和生をやりとげた」と言い切れるくらい、沢山成長を感じています。今改めて振り返ると、沢山の人の支えと神様が私の歩むべき道を示してくれたのだと思います。

 入寮前の私は、人との距離感がつかめず、自分に自信を持つことができませんでした。そんな自分を変えたいと思い、ここ敬和学園高校ののぞみ寮に入寮しました。でも実際入寮してみると、自分が思っている世界とかけ離れており、寮生活に息苦しさを感じていました。

 集団での生活には慣れていたはずなのに、なんでこんなにも気持ちが落ち着かないのか?どうして、周りと自分を比べてしまうのか?そんなことを考えながら生活していたら、いつしか一匹狼のようになってしまい、周りと少しずつ距離が生まれていきました。それでも私は誰かに頼るのが苦手で、ずっと「自分は大丈夫。自分で出来る」と強がった振りをしていました。

 そんな時にふと声をかけてくれたのは、みぎわ館の先輩でした。私が落ち込んでいたら、「いつでもどんな相談でもちゃんと聞くからね」とただの愚痴にしかなっていない相談を真剣に聞いてくれました。そして少しずつ先輩とかかわることが増えていき、逆に同級生とみぎわ館内で話すことが減ってしまいました。そのせいで、周りからは「先輩と関わりすぎ」などと言われてしまい、最初は受け入れられず、そのことに対して文句ばかり言っていました。「もういっそのこと高校生活最後の一年間はだれにも頼らずに一人で頑張ってみよう」とも思いました。

 しかし先輩が卒業してから、少しでも同級生と距離を縮めようと思い、今まで自分が避けていた事に目を向けることにしました。それでもやっぱり先輩の前で見せる自分と、他の人の前で見せる自分は、何か壁があるように感じていました。私が皆を信じられないために、みんなが私にくれる「ありがとう」や「大好き」などの沢山の嬉しい言葉がなぜか嘘のように感じていました。

 そんな二年生の時、部屋替えがきっかけで一人の同級生と関わることが増えました。彼女とはそれまでは、あまり関わりを持ちませんでしたが、この部屋替えがきっかけで会話が増え、今まで自分が嘘のように感じていた言葉が、素直に受け入れられるきっかけになりました。

 そのころから、少しずつ自分自身が思い込みすぎていたのがなくなり、むしろ相手が自分のことを本当に好きで、大切にしてくれていたということの気づきに出会いました。また、みぎわ館の53回生はどんな時でもちゃんと私の居場所を用意してくれていました。ここまで他人の人生に寄り添ってくれる人たちに18年間の人生の中で初めて出会いました。そんな私の自慢できるみぎわ館の53回生に支えられてここまで歩んでこられました。

 そして今改めて、「敬和に来てよかった。のぞみ寮に入寮してよかった。みんなに出会い、共に暮らせて幸せだ」と感じています。本当にみぎわ館の皆さんのおかげで、毎日が濃すぎるぐらい充実した生活を送ることができ、幸せすぎて、おなかいっぱいです。ありがとう。 

 また、ここまで三年間遠く離れた所から支え続けてくださったお父さんお母さん、朝もお昼も夜も美味しくて心温まるご飯を作って下さった調理員の皆さん、第二のお母さんお父さんの寮の先生方、どんな相談も親身に聞いてくださった学校の先生方、雪の日は夜中からの除雪、過ごしやすいように環境を整えてくださった施設の方、夜の安全を守って下さった警備の方、私たちについてきてくれた後輩達、今日この日まで一緒に歩んできた53回生の皆さんと沢山の方々の支えのおかげで歩んでくることができました。本当に神様の恵みを感じながら、こんなにも幸せな生活を過ごせたこと感謝しています。

 私は4月から大学へ進学します。のぞみ寮で得たすべて人との出会いを大切に、これからの生きる力に変えて歩んで行きます。またこれからも沢山悩み、苦しむ場面が多くあると思います。そんな時は、逃げずに前を向いて自分らしく笑顔で歩んでいきます。

 3年間、心から、ありがとうございました。

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寮修了礼拝 寮修了生代表挨拶

 

 

「感謝の言葉」 T.K様 (光風館寮修了生保護者様)

 今から3年前、「コロナ」という未知のウイルスのため、なかなか入学も出来ず不安の中にいる子供たちを少しでも安全に迎えるために、寮内を隅々まできれいにしていただいたことや、入学してからは、感染予防のため、食事もお弁当をご用意していただいて、ありがとうございました。

 また、ゴールデンウィークなどの大型連休のときは、家に帰れない子供たちのためにハイキングや花火などいろいろなプログラムを計画してくださりありがとうございます。

 長く続いたコロナ禍の中、与えられた状況の中で、子供たちにどんな環境を提供できるのか。寮生活という特別な経験を通しての子供たちの成長を支えることができるのか。いつも以上に悩み話し合いを繰り返した3年間だったと思います。先生方の様々なご尽力に心から感謝いたします。

 みなさまのお力添え、お支えにより、53回生38名が無事卒寮します。

 息子は昨年夏、信仰告白をしました。信仰告白式は夏休みに入ってすぐにおこなわれたこともあり、友達の出席を諦めていました。しかし、当日になり2人の先生と寮に残っていた生徒さんが出席してくださいました。息子も私たち親もとても嬉しかったです。そして、そのときの写真も寮のブログにあげていただいたので、息子が幼児洗礼を受けた、京都の教会の方々や知人にも、共に喜んでもらうことができました。ありがとうございました。

 寮のブログでは、寮で過ごす様々な子供たちの様子を写真や文章で伝えていただきました。遠方から来ている寮生の親御さんにとって、ブログを通して、子供たちの「今」を身近に感じることができたと思います。特に、コロナによる学校活動や寮生活の制限、休日の外出制限などが不安な日々が続く中で、子供から離れて暮らしている保護者にとって本当に大切なものだったと思います。ありがとうございました。

 私は息子が敬和に入学し、寮に入り本当に良かったと思います。子供たちは、寮で語り合い笑い合い、時にはケンカをしながら絆を深めた友に恵まれました。様々な場面で支えてくださった寮の先生方と共に、これからの人生においての素敵な宝だと思います。のぞみ寮は、もうひとつの大切なふるさとになりました。

 53回生は、敬和学園高校とのぞみ寮から巣立っていき、新しい道に進みます。これからもいろいろ大変なことがあるかもしれません。でも、大丈夫です。みなさんにはのぞみ寮で出会ったすばらしい仲間がいるからです。

 1・2年生のみなさんは進級し、新しい後輩を迎え入れ、新しいのぞみ寮、敬和学園高校を作り出していくために、これからも心を尽くして頑張ってください。よろしくお願いします。

 みなさんのそれぞれの未来に神様のお守りとお恵みがありますように、心からお祈りしています。

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寮修了礼拝 保護者代表挨拶

 

 

 

 

 

寮生リレー 礼拝の話

 

「油断は禁物」 U.N(光風館2年・新潟県) 

 スキー授業を通して、伝えたいことをお話ししようと思います。スキー教室の始まりは、「上手く滑れるだろうか」と不安な気持ちがありました。しかし、いつの間にか滑ることが上達していて、難しいコースを滑るときも、転ばず滑りきることができました。

 午前と午後を滑り、ナイターの時間になりました。友人と楽しくリフトに乗っていたとき、事件が起きました。グローブを外し、太ももの上に置いてゴーグルをふいていたら気付かないうちにグローブが下に落ちてしまったのです。リフトの下は、新雪で圧雪が施されていなく、取りにいくのは難しく、最終的には、諦めるしかありませんでした。

 私がこのお話から皆さんにお伝えしたいことは、「油断は禁物」ということです。「猿も木から落ちる」という諺があるように、人は簡単だからとか、慣れているからといった理由で気の緩みが生じてしまうことがあります。そして、思ってもみない失敗をしてしまうことがあります。

 これは、寮生活においても同じことが言えると思います。寮の生活に慣れすぎて緊張感がなくなり、いろいろなもの、さまざまなことが雑になってくる。私自身も自分で自覚できるくらい甘えがでているなあと思うことが多々あります。油断は失敗を誘発する、そのことを頭にいれてこれから生活していけば良いのではないでしょうか。

 

 

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閉寮礼拝

 

 

「思いやりとは」 T.Y(光風館1年・新潟県)

 その時々の自分の感情や話している時の状況、気持ちの変化で相手の捉え方は違ってきます。声の表現の仕方でも違ってくると思います。僕は「どんな時も相手の気持ちを考えて生活することが大切だ」と思っています。今までいろいろな経験をしました。友達と楽しく話したり、友達のことをイジるような話をしたりしていました。その友達はイジられるのに慣れていて、そのまま楽しく話していました。しかし、そうではない人もいます。この会話を聞いて傷付いてしまう人もいるのです。話し方ひとつで相手の捉え方は変わってくると感じました。

 昔、話しかけても返事をしてくれない友達がいました。その時は遊びなどに夢中になってしまって、僕の声が聞こえなかったのかもしれません。しかし、僕は「無視されたのか」と感じてしまいました。よく考えてみると、自分もそういうことを知らず知らずのうちにしているのかもしれません。だからこそ、いつも相手の気持ちを考えていくことが大切だと思いました。相手の気持ちを考えて相手を大切にすることも思いやりのひとつだと思います。

 「思いやり」とは、困っている人を手伝ってあげたり、友達に優しく接してあげたり、相手の気持ちを考えて行動してあげたりすることです。しかし、逆に思いやりがありすぎると、相手の人に「この人は思いやりがあって優しいんだ」と思われてしまい、いろいろと押し付けられてしまうこともあるので、そこは気を付けましょう。実際に、僕もその経験があります。どんなに自分が苦しんでいても相手が喜んでくれることで、幸せを感じることが出来ることは凄いと思います。相手を思いやることで、みんなが笑顔で過ごせる毎日があったらいいなと思います。

 

 

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めぐみ館三送会

 

 

「心の湯たんぽ」  N.S(めぐみ館1年・山形県)

 私が敬和に来た理由は、正直よく分かりません。

 ただ、進路についてたくさん聞かれるようになったころには、「あ、敬和だ」と気持ちが落ち着いていました。でも小規模校で育った私には、寮での生活がどんなものなのか想像もできませんでした。

 そして出会っためぐみ館のみんな。めぐみ館生が集まってグラウンドで自己紹介をしたとき、私は2・3年生の姿を見て、衝撃を受けました。大きな声で、「みんなに言いたいことがある~!!」と。「人前で言えるんだ!」「こんなにもありのままの姿でいていいんだ!」と。

 今まで感情を押し殺してきた私は、人前で大きい声を出すこと、自分の気持ちをさらけ出すことなんて確実に避けて生きてきました。そんな私の当たり前を一瞬で覆した先輩達は大きくて、温かくて、いつまでも私の心の湯たんぽです。

 今まで出会ってきたことの無いレベルの「良い人達」しかいないめぐみ館で今、私はのびのび生きています。私たち55回生は、まだ54回生や53回生のような心の湯たんぽには及びません。正直、卒業までになれるのか、私は今、結構不安です。

 54回生や53回生のようになりたい、というわけでもなくて、55回生も56回生・57回生の後輩たちを温められる存在になりたいです。日々の悩みはつのるばかりですが、総合的に見たら、笑顔がちょっと多い、そんな敬和LIFEにしたいです。

 愛する天のお父様、3年生が次の道へ歩みを進め始めました。主の御心に叶う使命の道へと、向かうことができますように。アーメン。

 

 

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みぎわ館ツアー お互いの生活を知る

 

 

「みぎわ館 ラストメッセージ」  Y.H(みぎわ館2年・石川県)

 私は、これからみぎわ館で過ごすのだと知ったあの日。母と叔母が過ごしためぐみ館ではなくて、少しだけ残念に思ったあの日。でも、そんな私に神様がせっかく与えてくださった、めぐみ館で過ごすことができる合併という話を聞いて、悲しくて号泣したあの日。私にとってみぎわ館をここまで大切なものにしてくれたのは、まぎれもなくここで一緒に過ごした皆さんです。

 緊張と不安と期待を胸に入寮した2021年4月。入寮当初の私には今の私の姿は、みじんも想像できませんでした。みんなと仲良くなれる気がしなくて、ホームシックで泣いた一日目の夜。そんな心配もいらないくらいみぎわ館で過ごした二年間は、濃くて密なものでした。

 みぎわ館54回生は、本当に個性豊かで、絶妙なバランスで、私に心地よい居場所を与えてくれます。誰と誰が一緒にいてもおかしくない、結局みんな仲がいい、人数が少ないからこそ築くことのできる関係性を、私たちは築けたのではないでしょうか。寮だからこそ、味わえるものを、みんなが味わわせてくれました。

 前に出たくない、失敗を怖がって動かなかった私が、少しずつ挑戦できるようになったのもみんなのおかげです。中学でネガティブまっしぐらマインドを手に入れた私を、ポジティブに考えられる私に戻してくれたのもみんなです。学校が嫌でも、学校の廊下でみんなに会えると、頑張ろうと思えた日がたくさんありました。

 寮生活は本当に忙しいし、最近なんてみんなやることが多すぎて疲労困憊だったけど、みんなのおかげで私は、今生きていて幸せをたくさん感じられています。

 そんなみんなに出会えて、みんなと仲を深めて、友達なんて言葉じゃ足りないくらい、みんなを大好きにさせてくれたのもこのみぎわ館です。

 みぎわ館で、たくさんの人に出会って、私の人生はきっと大きく変わりました。みなさんにも、このみぎわ館にも感謝の気持ちでいっぱいです。

 皆さんにとってみぎわ館はどのような場所ですか。今までにどんな思い出ができましたか。残りの二日間、皆さんはどう過ごしますか。私にとって合併は、お話を聞いた当初よりも楽しみでワクワクするものになりましたが、やっぱり私はまだ、みぎわ館に未練たらたらのようです。でも、それでいいと思っています。その未練たらたらの気持ちで、残りの二日間みぎわ館にたくさんの愛を伝えたいです。

 そして、春休み明け、新年度、めぐみ館で過ごす新生活。よくよく考えてみれば、みぎわ館でもめぐみ館でも過ごすことのできる私たちは、貴重なラッキーガールですね‼新しい出会いと生活に向けて、みぎわ館での思い出を胸に、またみんなで一緒に新しい一歩を踏み出しましょう‼

 

 

 

【寮教育の現場から】

「なんで、終業日に喧嘩……」 男子寮 山﨑 飛鳥

 終業日の放課後のことでした。私が寮本部に向かうと光風館S.M君が浮かない顔をして、椅子に座っています。どうやら大望館のS.N君と喧嘩をしたようです。「なんで年度末の終業日に喧嘩……」と正直思ってしまいましたが、そこはまたS.M君らしいなぁと思う部分もありました。

 入学した頃のS.M君は、私の元によく相談に来ていました。相談内容は、ほとんど「人間関係のトラブル」についてです。久々のS.M君の相談に少し嬉しかった私は、彼のために一肌脱ごうと張り切っていました。

 夕食後の友愛館をのぞいてみると、S.M君とS.N君が話し合っている姿がありました。そして、その二人を同じ寮の同級生が囲み見守っていたのです。ときより笑い声が聞こえ二人の笑顔が見えたので無事に仲直り出来たのでしょう。仲間達の支えの中で成長するS.M君の姿にうれしい思い半分、なぜか少し寂しい思いも半分、そんな終業日でした。

 神様の導きによって出会えた仲間達が、たくましく成長しています。さあ来年度はどんな仲間がやって来るのか。今から楽しみでしかたありません。来年度もよろしくおねがいいたします。

 



2023年3月23日木曜日

大望館通信 第332号 「卒業おめでとう」

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 2月28日(火)第53回生寮修了礼拝が行われました。メリハリをつける、この表現が出来るほど素晴らしい時間でした。礼拝が始まると心地よい緊張感があり、真剣な表情で寮長のお話や生徒・保護者代表挨拶を聴いていました。礼拝が終わり、1・2年生からの「送る言葉」では、会場が笑いに包まれ和やかな雰囲気も感じることが出来ました。1・2年生は前日まで何度も呼びかけの練習を重ねて「当日ウケるのだろうか」と心配していましたが、大成功して本当に良かったですね!

 3月1日(水)卒業祝福礼拝の朝、私は泣くことを我慢出来ませんでした。毎朝、登校準備に時間のかかる第53回生でした。もちろん全員が時間ギリギリではなく、音楽室へ朝練に行く生徒も、新聞とニュースを見て余裕のある生徒もいました。生活規律委員が必死に送り出してくれた毎朝でした。最後の朝も同じように、時間ギリギリで準備をしている光景を見て、今までのいろんな出来事を思い出しました。一緒にたくさん笑い合ったことも、どんちゃん騒ぎをして私が厳しく注意したこともありました。私が疲れていた時に、大望生が労わってくれたり励ましてくれたりしたこともありました。意見が合わず互いに気持ちをぶつけ合って、話し合いを重ねて分かり合ってきたこともありました。そのような出来事が繋がって共に歩んできた日々を思い出し、涙が溢れてしまいました。私から大望生へ「広い世界で自分の人生をしっかりと歩んでほしい」と想いを伝え、最後の送り出しをしました。1・2年生が花道を作り、感謝の言葉と共に、彼らの門出を祝福しました。

 この瞬間を迎えられたことを大望生に心から感謝しています。ここ大望館で過ごした日々を糧に、使命を持って歩めるように祈っています。卒業おめでとう!また会いましょう!



2023年3月22日水曜日

みぎわ通信(67号)「出会い・愛・つながり続ける恵み」

聖句

「土に蒔くときには、地上のどんな種より小さいが、蒔くと、成長してどんな野菜よりも大きくなり、葉の陰に空の鳥が巣を作れるほど大きな枝を張る。」

(マルコによる福音書4章11、12節)

※生徒が「礼拝のお話」で選んだ聖句を掲載しています。聖書に触れ、生きる支えとなる御言葉に出会い過ごせる恵みをうれしく思います。

 

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~出会い・愛・つながり続ける恵み~

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2022年度 終業日

 

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 みぎわ館早天祈祷会は、3年前の秋にコロナ感染予防のために、制限のある寮生活の中にあって、「大好きな仲間と祈り合いたい」と生徒たちの祈りによって始まりました。金曜日朝6時半、有志が眠い目をこすりながら集まってきました。聖書を読み、メッセージを聴き、祈り合う時間は、週末の心と体を癒してくれる恵みの時間でした。

 祈りのバトンが次世代の後輩に渡され続け3年間続いている祈りの時間です。退職された先生から私もバトンを受け取り、生徒たちと祈りを共に過ごせて幸せでした。

 

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 終業日は、みぎわ館恒例“しゃべり場”そして、この日は、みぎわ館で過ごす最後の夜。JKたちの大好きな物を味わいながら、時ににぎやかに、時にしんみり、それぞれの言葉で1年間を語り合いました。涙あり、笑い声あり、大切な仲間たちの言葉を一言一言かみしめながら聴き入りました。

 山あり谷ありの連続の日々。一人一人が順調ではない1年を過ごしました。順調ではないことが順調と常々生徒たちに私は語っていますが、悩み、課題にぶつかりながら歩み続ける生徒たちに、寄り添い祈り続ける事しかできず、自分の無力さを痛切に感じることが多くありました。そして、生徒たちに寄り添い、祈ることが出来る恵みを実感しています。互いに寄り添い続ける生徒たちの思いやりにも多く触れました。声をかけ続ける事、そっと見守り続ける事、励まし合う事。共に歩み続ける生徒たちの言動はその時々に誠実です。一日一日がかけがえのない日になることを実感していくのは、辛さ、しんどさを共にしているからなのだと教えられます。語られる言葉に力があるのは、一生懸命に歩み続けたからこそなのだと思います。

 1年間、共に過ごしてきた喜びを感じています。「いつまでもみぎわ館のことを祈っているからね」と多くの卒業生からのメッセージは大きな励ましでした。そして、祈り続けてくださった保護者の皆様、敬和につながる皆様に感謝して2022年度を修了します。みぎわ館はしばらく休館しますが、いつまでもつながっています。

 春からの新しい生活、希望の光を探し続け、共に歩んでいきましょう。ありがとうございました。(小菅)



2023年3月20日月曜日

みぎわ通信(66号)「引っ越しの日」

聖句

「今飢えている人々は、幸いである、あなたがたは満たされる。

 今泣いている人々は、幸いである、あなたがたは笑うようになる。」

(ルカによる福音書6章21節)

※生徒が「礼拝のお話」で選んだ聖句を掲載しています。聖書に触れ、生きる支えとなる御言葉に出会い過ごせる恵みをうれしく思います。

 

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「礼拝のお話」みぎわ館ラストメッセージ!!~今ある幸せを大切に歩んでいく~

2年生

 「あの頃は幸せだった」そんな言葉を聞きました。「あの頃は~」と人はよく口にします。高校に入ってからもっとよく聞くようになりました。そして言うようにもなりました。女子寮合併の話を聞いた時、ふと合併後と合併前を自分は比べて「あの頃は~」と考えるのだろうか思いを巡らせました。でもそこから一年が経って、卒業してからの自分は高校生の自分と比べて、「あの頃は楽しかった」と言うのだと考えます。なぜでしょう。その時が近づくにつれて、遠い事ばかり考えます。結局来てしまう未来だから、あまり変わらないはずなのに、それが現実に近づくにつれてそんな事は考えられなくなります。

 「あの頃は~」と人が言うのは、きっと先の見えないこれからへの不安と過去への少しの執着だと考えます。先が見えないから、どうなるか分からないから、「あの頃は~」と昔を見て、過ぎ去った日々に、楽しかったころに縋(すが)って「あの頃は幸せだった」「楽しかった」と思うのです。“後悔先に立たず”ということわざがあります。『何かしてしまった後で悔やんでも、もうすでに取返しがつかないこと』という意味です。後悔は後から悔やむと書いて“後悔”です。つまり未来に“後悔”と言う言葉はないのです。未来で後悔したくないから、過去の事で人は失敗を学びます。過去でもう一度失敗する事はないので、安心して過去に縋(すが)ることが出来るのです。だからの人は「あの頃は~」と思い出して、そして安心を得ます。

 「あの頃は幸せだった」と心から思う時が、きっと一度は来るのだと思います。しかし幸せとは何でしょう。“幸せに向かってがむしゃらに進もうとしたり、幸せに向かおうと近道を急いで探しても、その先にある幸せは本当の幸せなのでしょうか。幸せをつかむために必死になりたくなくて、でも幸せに向かって真面目に進もうと思えば思うほど幸せが遠く感じていきます”これは「お文具のアニメ」というYouTubeのアニメに出てくる名も無き者さんが言っていた言葉です。そして同じくお文具のアニメのプリンさんはこう言っています。“幸せは基準がないにもかかわらず、考えれば考えるほど思い描いちゃって具体的に表してしまうと遠のいていくものだと思うの”基準のないものを求めて、そしてうれしくなって、悲しくなって、そして過去に縋(すが)って私たちは生きています。でもそれがあるからこそ、個人の価値観が生まれて、個性が生まれて、そして幸せが生まれていくのだと思います。「今が幸せ」と思うのならばそれは幸せでしょう。でも「今は幸せと思えず、『あの頃は~』と縋(すが)りすぎるのでは、自分もそしてこれから来るであろう幸せも幸せだと思えません」基準がないからこそ分からなくて、基準がないからこそどこにでも作り出す事が出来るのが幸せなのだと思います。“幸せであふれている人の周りには幸せが寄って来るんだよ”と私よりもたくさん生きて来た大好きな人が言っていました。

 過去を見る事は大切な事だけれど、“今を楽しんで毎日を楽しく生きていく事こそが幸せなんだ”と、そう思います。今ある幸せと、今日のあったかいお天気に感謝してお話を終わります。

 

 

引越しの日~おひさまのぬくもりを感じながら~

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 2022年度最後の授業を終えた日は、みぎわ館からめぐみ館への引っ越しの日。そして、みぎわ館で過ごす最後の日。「歴史的移動」と東寮長先生はおっしゃいました。めぐみっ子たちに手伝ってもらい、めぐみ館への引っ越しを無事終えることが出来ました。人力で荷物を運びましたが、協働作業をしている彼女たちの表情は、清々しくこれからの生活への「希望の光」を感じました。

 スタートラインに生徒たちと共に立ち、私も気持ちを新たに“心を尽くして”生徒たちの幸せを祈り、過ごして行く決意を心に刻んでいます。(小菅)

 



2023年3月12日日曜日

みぎわ通信(65号)「定期テスト勉強中」

聖句

恋しい人は言います。「恋人よ、美しいひとよ さあ、立って出ておいで。

ごらん、冬は去り、雨の季節は終った。花は地に咲きいで、小鳥の歌うときが来た。

この里にも山鳩の声が聞こえる。いちじくの実は熟し、ぶどうの花は香る。

恋人よ、美しいひとよ さぁ、立ってでておいで。」

(雅歌 2章10節~13節)

※生徒が「礼拝のお話」で選んだ聖句を掲載しています。聖書に触れ、生きる支えとなる御言葉に出会い過ごせる恵みをうれしく思います。

 

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 春休み目前。帰宅できる日を心待ちのみぎわっ子たちです。

 年度末最後の定期テスト勉強は、互いに高め合い、今までで一番の集中力で取り組んでいます。私も、彼女たち真剣の姿にエネルギーをもらっています。取り組んだ成果が発揮できるようお祈りしています。みぎわっ子たちファイト!!

 来週は、いよいよめぐみ館への引っ越しです。みぎわ館で共に過ごせる日を愛おしく過ごしていきましょう。(小菅)

 

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定期テスト第一日目の朝。~春のあたたかな陽ざしを感じながら登校~