題字 めぐみ館3年 T.Tさん
夏休み明け、豚がやって来た!
「一歩踏み出すその足先に」 寮長 野間 光顕
「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。」(マタイ7:7~8)
敬和の夏休みは長く、数えてみると44日間もありました。開寮礼拝に戻ってきた寮生の表情を見ていると、与えられた時間は同じでも、それぞれ異なった夏を過ごしてきた事が感じられました。かく言う私も、今までにないほど充実した夏でした。それは、この休み期間を生かして「敬和学園応援団プロジェクト」を実施できたからです。
正直に言うと、現在のぞみ寮は非常に厳しい状況に置かれています。以前は4館で240名いた寮生が、コロナや少子化、不況の影響などで入寮希望者が激減、建物も2館体制になり、現在の寮生の数は78名と、かなりの勢いで規模縮小しているのです。
しかし、もうコロナも明け、このままにしておけないと、一人でも多くの生徒を送ってもらえるよう、昨年から県外の教会や卒業生牧師を訪ねてパンフレットや新聞等を配布し挨拶と協力をお願いして回る…これが「敬和学園応援団プロジェクト」です。今年も山形から関西(兵庫~大阪~京都)を巡り巡って約2000㎞、全部で13教会、総計36名の関係者を訪問する事が出来ました。日頃は遠く離れて顔を合わす事が難しくても、敬和の事を覚えて祈り、応援して下さる方々と出会う事で、見えないつながりの力を頂いたように感じました。
そんな中、私の心に浮かんだ一つの聖句がありました。マタイ福音書7章、有名な「求めなさい」です。この言葉を聞いた時、多くの人が「そんなわけない…」「求めたら何でも与えられるほど世の中は甘くない!」と思うでしょう。私もそう思っていました。しかし、今回の応援プロジェクトを通して与えられた気づきから今一度見直してみると、この聖句が意図している所が見えてくるように思います。「そんなわけない」と思う人の多くは、この聖句を結果論として、つまり与えられるか否かで見ています。しかし、この聖句は結果を言いたいのではなく、その結果に至るまでの過程、つまりプロセスに注目しているのです。求め、探し、門を叩く。そのような具体的行動を一歩踏み出していく時に、必要な恵みはすでに備えられている事が見えてくる、そして同時にこの聖句は、この世界の全ての命を創り、愛し、導いておられる神が、一人ひとりに必要なものをお判りにならないはずがない!という愛の宣言でもあるのです。
敬和学園の後期はチャレンジや挑戦の舞台が多く用意されています。修養会やクリスマス礼拝など「これぞ敬和!」と言えるような行事に初めて取り組む1年生、学校では生徒会選挙が行われ新生徒会が発足、寮内でも運営委員の引継ぎが始まり大きな変革の時期を迎えた2年生、そして「進路」という自分の人生を大きく左右する重要な課題と向き合う3年生、そんな寮生一人ひとりに、私は「一歩踏み出す」事をお勧めしています。敬和で過ごす1日1日を本当の意味で有意義なものとするために、寮生活の一歩一歩を大切にしつつ、共に歩みを進めていきたいと願っています。
~心熱く燃えた夏の出来事特集~
勝利を手にした野球部員!!
「力を合わせての初勝利」 2年 W.R(新潟県)
僕が所属する野球部は、ここ5〜6年公式試合の初戦を勝つことが出来ず、負け続けていました。今年の夏の高校野球は、3年生の最後の大会でしたが負けてしまい、3年生を勝たせることが出来ず、悔いが残りました。大会後のミーティングでみんなが悔しそうにしている姿を見て、「次、秋の大会は絶対に勝とう」と思いました。
秋の大会は敬和学園・新潟北高校・中条高校の合同チームで出るため、夏休みに入ると合同練習がありました。大会までは合同練習がメインで、練習試合も週末にあり、きつい練習を乗り越えたり、みんなで力を合わせて試合をしたり、合同チームの絆はどんどん深まっていきました。
そんな中で迎えた初戦の相手は、万代高校でした。試合は僕たちが後攻で、万代高校が先攻でした。試合が大きく動いたのは4回の裏、相手ピッチャーの制球が乱れて満塁になり、キャプテンに打席が回った時でした。打った球はレフトの頭上を越え、走者一掃のタイムリーヒットとなり、この回は一気に5点が入りました。塁に出ていたG・H君(1年)はホームに帰り、ガッツポーズをして喜んでいました。その後、途中で追いつかれそうになりましたが、なんとか勝つことが出来ました。合同チームのみんなで力を合わせての初勝利だったので、とても嬉しいです。
県大会出場が決まった演劇部
「演技することの楽しさ」 1年 G.Y(山形県)
「楽しそうな雰囲気」という理由で、私は演劇部に入部しました。演劇がもともと好きだったわけでも、得意だったわけでもありませんでした。「入部したら裏方で手伝うことができたらいいな・・・・・・。」くらいの気持ちで入部しました。
夏休みが明けると、演劇部は「新潟県高等学校総合文化祭」という地区大会に向けて動いていました。私はもちろん裏方として台本の読み合わせの手伝いをしていました。しかしある日部活に行くと、出演するはずの先輩の代わりに出演を頼まれました。私は迷いましたが、演劇部に一緒に入っている寮生の友達が、「一緒に寮で練習すれば大丈夫だよ!」と言ってくれたので、挑戦することにしました。本番の2週間前のキャスト変更。私は友達と毎晩練習をして、セリフや動きを覚えました。その後も、本番一週間前にまたキャスト変更があり、私は「本当にできるのか・・・・・・」と、とても不安でいっぱいでした。そんな時も、友達は私が自信を持って演じることができるまで練習に付き合ってくれました。
友達のおかげもあり、9月14日の本番では全力で楽しく演じることができました。発表後、演劇部に入ってみんなと演劇をつくることができて良かった、入部して良かったと思いました。県大会ではもっとお客さんを楽しませることができるよう、良い舞台をつくれるよう頑張りたいです。
♪器楽部 7月21日の演奏会にて♪
「日々の努力」 3年 T.Y(新潟県)
私は夏休みに二つ頑張ったことがあります。
一つ目は器楽部の合宿です。合宿ではただ楽器を吹くだけでなく、朝練はテンポキープのためにグラウンドでリズムを刻んだり、後ろ向きでスキップしたり、裏拍を感じて歩いたりしました。テンポキープの練習は3人1組だったので、隣の人に合わせるために何度も調整し、テンポが合うように努力しました。楽器を吹いている時は音がズレないようにするため、何度も同じパートを練習し続けました。私は器楽部に入部してもうすぐで1年が経ちます。合宿で自分の成長を感じることが出来たので、とても嬉しかったです。太夫浜コンサートでは自分の練習の成果を発揮出来るように、日々努力していこうと思います。
二つ目は勉強です。私は3年生で受験生です。今までそんなに手をつけてこなかった社会科目や英語も取り組んだので、大変でした。自分の好きな数学では問題をサクサク解いていきましたが、数学BやCは学校で履修していないので、覚えるのに苦戦しました。英語は単語を覚えるのに必死でした。でも、日々暗記していくことで覚える時間が短くなっていったことが成長していると実感出来ました。これはほかの教科の暗記でも効果があったので、すぐに覚えることが出来ました。私は夏休みに頑張ったことで、毎日勉強していくことの大切さを感じました。これからも勉強と部活動の成果を出せるように日々努力していこうと思います。
壮大な自然を体感!
「海外教室から得た学び」 2年 S.T(埼玉県)
僕はこの夏にオーストラリア海外教室に行きました。寮生の僕にとって新しい場所での生活は、何ら問題の無いことだと思っていました。しかし、日が経つにつれて言語の壁が自分に想像していた以上に大きかったことを思い知りました。コミュニケーションが取れないと質問したい時にサッと質問出来ないし、何か聞かれた時にも答えられなかったのです。また、ホストファミリーや学校の先生達の英語はネイティブな発音でとても聞き取りづらかったですが、リスニングの練習になりました。
しかし、海外での良いことやおもしろいことも知りました。例えば、服装や行動の自由さです。派手な格好をしている人もいれば、上裸でランニングをしている人もいたし、路上で弾き語りをしている人もいました。まるで映画の中で見たような景色でした。そこに住んでいる人や観光に来ている人が、それぞれ自分の好きなものに正直な感じが、とても好きになりました。
オーストラリアに行った、この経験から様々な学びを得た気がします。つらかったことがあれば、そのつらさから変えたいと思う気持ちを得たし、楽しかったことがあれば、その楽しさから海外への興味を得ました。そして、何よりもこの海外教室を通して、挑戦しようとする気持ちを持てたことが一番大きかったことだったのかなと思います。
みなさんも、今の自分をもっと良くしたい、変えたいと思ったら挑戦することから始めてみてください。
8月6日のヒロシマ ~灯籠流し~
「私たちは学び続ける」 2年 S.M(新潟県)
戦後79年。私たちは学び続けなければならないのです。
私の生まれは長崎で、原爆投下地です。そして、私たちが今暮らしている新潟も、原爆投下「候補地」だったのです。この2つの県に関係している私は、原爆について興味がありました。幸いなことに、学校の先生から広島について学ぶ大きな機会を頂き、今年の夏休みにヒロシマ碑巡りの旅に参加してきました。
広島には多くの海外の方々がおり、原爆について、平和について向き合っていました。そこで私が感じた大切なこと、それは「知る」ということです。知らなければ何も始まりません。知って初めて深く考えることができるのです。このことを海外の方々との交流で強く感じました。
私は、事前学習の時点では原爆を過去のすでに終わった出来事として捉えていました。しかし、実際に広島に訪れると、被爆者の方々の証言や原爆ドームを見て、まだ原爆とその被害は終わっていないということを知りました。8月6日の悲劇を知るという事は、私たちができる平和活動の一つだと考えています。原爆は広島と長崎だけの問題ではありません。新潟も関係している以上、私たちも考え続けなければいけないのです。ヒロシマ碑巡りの旅で学んだことを心に刻み、学び続けていきます。これが私にできる平和活動です。ここのぞみ寮でも平和活動は行われています。平和を考える機会はあります。少しでも平和を実現する人が増えるよう、願ってやみません。
夏のめぐみ館2年生合宿はDIY!
「2年生合宿を過ごして」 2年 I.H(新潟県)
今年度2年生は、4月と8月に寮2年生合宿を行いました。2年生合宿を終えて成長したと思ったことが2つあります。
1つ目は人間関係です。私は小学校から中学校まで人と接することが苦手でした。自分の言いたいことがなかなか言えずに、ずっと黙ってばかりいました。しかし、のぞみ寮に入ったことで、寮の先輩や同学年の友達と関わることが増えて、たくさんの人と話せるようになりました。4月の寮合宿では、「先輩になった」ということを実感し、入寮した1年生を助けてあげられるようになり、成長できたと思えました。
2つ目は友達と一緒に協力して活動に励むことができるようになったことです。
去年は自分のやりたいことがあると、56回生の仲間と協力して活動することを避けてしまっていました。しかし、夏の2年生合宿では、友達と協力することの大切さを学びました。木材を塗装し組み立て、長い時間をかけてベンチをみんなで作りました。夜はめぐみ館56回生全員でレクリエーションをして、楽しい時間をみんなで過ごすことができました。
2年生合宿を経験したことにより、友達と協力することが、こんなに楽しいことだと学びました。これからの寮生活、卒業まで仲間と楽しんでいこうと思います。
~日々の礼拝のお話より~
大望館57回生集合!
「楽しむこと」 1年 A.K (新潟県)
今日は「楽しむこと」について、お話ししようと思います。
みなさんは、毎日の学校生活や寮生活を楽しんでいますか?行事などで「つまらない。めんどくさい」など後ろ向きな言葉だけで、学校生活や寮生活を過ごしていませんか?僕は、それでは毎日の生活をムダに過ごしていると思います。確かに、毎日楽しいことばかりではなく、気に食わないことや嫌なことだってあるかもしれません。ですが、嫌なことなどもちょっと見方を変えてみれば楽しくなったりするかもしれません。
例えば、授業が嫌ならば、そう思っている時に、学校生活で楽しみにしていることを考えてみるのはどうでしょうか?「この授業が終わったら友達と話せる!」や「これ終わらせればランチだ!」など、自分が少しでも楽しみにしていることを考えるだけで、とてもプラスの方向に思考が働いて、楽しめると思います。これからの学校生活などもうまくいかないことがあってイライラしたり、何か役目を担って、プレッシャーを感じたりすることがあるかもしれませんが、そう考えると何でも前向きになって楽しめると思います。
来週には修養会があります。「つまらない。めんどくさい」と感じることがあるかもしれませんが、そんな時こそ見方を変えて楽しんで、充実した修養会・学校生活・寮生活にしてみてはどうでしょうか?
めぐみっ子57回生みんなで花火~!
「仲良くするために」 1年 S.N (神奈川県)
突然ですが、皆さんに憧れの人はいますか?私はサンリオピューロランドで働いているキャストさんに憧れをもっています。憧れをもち始めたきっかけは、物心がつく前から母がサンリオピューロランドによく連れて行ってくれて、たくさんの幸せをもらってきたからです。
サンリオの創業者である「辻信太郞さん」は、現在96歳。51年前の1973年に株式会社サンリオを設立しました。辻さんがなぜサンリオを設立されたかというと、17歳の頃に遭遇した空襲体験がきっかけだったそうです。戦争を繰り返さないためには、世界中のみんなが仲良くなるにはどうしたらいいかを考え「仲良くなるためのもの」をビジネスにしたのです。そして、そのビジネスの合い言葉は「スモールギフトビックスマイル」です。「コミュニケーションがきっかけになる小さな贈り物」、「高価ではなくちょっとした可愛らしいものを贈り合う」という意味が込められているそうです。
サンリオの情報誌「いちご新聞」には、毎年8月になると辻さんの戦争体験と平和への想いが載ります。私は、辻さんの想いを知って、サンリオがさらに好きになりました。サンリオの力で、少しでも世界が平和になったら良いなと思います。
「新スタッフの紹介」
女子寮 蟻川 亜樹
この度、めぐみ館寮スタッフとしてお手伝いさせていただく、31回生卒業の蟻川亜樹と申します。
私は、在学中みぎわ館で3年間を過ごしました。今こうして寮スタッフとして携わることができてとても幸せです。寮生一人ひとりに真剣に向き合い、私も生徒とともに成長したいと思っています。
人生一度きり!毎日を全力で楽しみ、そして敬和でのかけがえのない一日一日を大切に過ごしてもらいたいと心から願っています。
「寮務教師の一言」
「後期の歩み」 女子寮 小林 渚
9月は、学校も寮も3年生の先輩たちから2年生へ「世代交代のバトン」が渡される月でした。私は毎年、この世代交代の時期が来ると、心わくわくします。
3年生から2年生へ、2年生から1年生へ、様々な仕事の引き継ぎが行われるのと同時に、それぞれの館が、のぞみ寮が「大事にしてきたもの」を生徒たちの姿からあらためて知ることができるからです。
10月になってもまだまだ日中は暑い日が続いていますが、確実に秋になってきていることも感じます。季節の移り変わりとともに、新しい世代交代の移り変わりも楽しみな今日この頃です。