2025年4月30日水曜日

今週ののぞみ寮(6号) 「1年生レクリエーション」

【聖句:詩篇 104編 15節】

「ぶどう酒は人の心を喜ばせ、油は顔を輝かせ パンは人の心を支える。」

 

 4月11日(金)58回生が入寮した最初の週末に「1年生レクリエーション」を開催しました。今回、「1年生レクリエーション」の企画・運営をしてくれたのは行事委員会3年生3名です。新入生がひとりずつ自己紹介した後、敬和学園や教職員に関する◯×クイズを出題して、人のことを知る機会にしてくれました。その後はドッジボール大会になりましたが、1年生たちは会ってまだ数日しか経っていない友達へボールを当てることに気を遣っているのか、優しく投げたり男子が女子へボールを譲ったりしていました。その様子を見ていた2・3年生はウズウズしていたようで、行事委員会が「次の試合は2・3年生も参加出来ます!」と呼びかけたら喜んで駆けつけてきました。2・3年生が参戦したことで、パワーとスピードが一気に上がりました。しかし、女子寮生に思いっきり当てることはしない、それが男子寮生の優しさです。

 このように週末の夜に体育館で遊んだり、食堂の友愛館で映画上映会をしたり出来るのは寮生の特権です。その特権を活かして、のぞみ寮は様々な行事を開催しています。そのひとつ一つの行事を成功させるために、時間をかけて準備していきます。行事の準備期間も大切にする理由があります。それは他者と出会う時間を大切にしてほしいから。行事を成功させることも多くの人を楽しませることも、ひとりの力では限界があります。しかし、仲間の力と知恵を合わせて一緒に取り組むと、悩んでいたことも解決したり、難しいことも簡単に実現したりします。これからの敬和生活で、多くの行事を通して「人を知ること・他者と出会うこと」を大切にしてほしいと願っています。(片岡)

 

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2025年4月25日金曜日

のぞみ通信 2025年4月26日 第297号

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題字 めぐみ館3年 S.Kさん

 

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第58回生のみなさん、入学・入寮おめでとう!

 

 

 

 

「わたしたちをつなぐもの」  寮長 野間 光顕

「愛はすべてを完成させるきずなです。」(コロサイ3:14)

 武道家で、仏文学や哲学にも造詣の深い神戸女学院大学名誉教授:内田樹さんが、様々な問題の山積みする現代社会、また激動する世界の様相を見つめながら、今の時代を「近代の危機」という言葉で表現されています。私たちの社会を支えてきた「人権」や「公共」等の価値が急速に崩壊し、財産・権力を持つ者が社会的富を独占する、人間はひたすら自己利益の増大に突き進み「弱肉強食」や「自己責任」という言葉が飛び交う現代は、中世以前の社会形態に逆戻りしているのではないか…?ちょうど休戦や和平交渉に動き出そうとしていたウクライナやガザで再び戦闘が激化したというニュースや、大国が自己中心に振る舞う様、またこの日本でも政治家の不正が大きく報じられており、この言葉がまるで預言の成就のように思えて背筋が寒くなりました。私たちは、より良い社会の実現を求めて不断の努力を積み重ねてきましたが、では、なぜ私たちの社会がこれほどまでに生き辛く、閉塞感に包まれているのか…?自分が自分らしくある事、自分らしく生きる事がなぜこれほどまでに難しい時代になってしまっているのか…?

 私はその原因の一つに「数字」を挙げる事ができると考えます。数字そのものは物事を客観的に判断する上で大きな力を果たす有用なものですが、数字ばかりが先行し、私たちが数字の持つ分かりやすさを過度に求めるようになると、そのものが本来持つ意味やその過程にあるものが抜け落ち、結果や見た目ばかりが求められるようになってしまう。今まさに私たちの集う社会を歪ませているもの、それは数字や経済を最優先にし、人間やかけがえのない命そのものをも数値化し利用しようとする流れなのではないでしょうか?

 そんな時、私はいつもこの敬和の中で数値化されない雄大な時間が流れる「のぞみ寮」を想起します。ただでさえ行事の多い敬和の中で、のぞみ寮では寮独自のイベントが存在していることから、更に3年間を有意義に楽しむ、心震える瞬間を仲間と共有できます。その内実は楽しみばかりではありません。単調に思える毎日や、今までは家族が支えてくれていた身の周りの事を自分で行う、つまり「自主・自立・自制」が求められます。自分一人で生活していれば必要のないルールやマナーなどは時に面倒に感じる事もあるでしょう。しかし、そのような寮生活の中に起こってくる事象一つひとつが、実は自分をより大きく成長させる「恵み」に繋がってくるのです。物事の数値化が叫ばれ、簡略化や効率化の波が洪水のように社会を押し流す時代だからこそ、そのような流れの中でも自分を見失う事なくしっかりと自分の足で立って欲しい…。今年度のぞみ寮に集う一人ひとりにそのような逞しさと誠実さを身に付けて欲しいと願っています。

 そんな年度の初めに、ぜひ胸に留めておきたい聖句、それがコロサイ3章14節です。新約聖書の中に登場する手紙、そこには約2000年前の地中海で大きく栄えていたローマやコリント、エフェソ等の町の名前が出てきます。その中でコロサイはあまり大きな町ではなかったと言われています。しかし、そこに集まった少数の熱心な信者たちが実践する愛の業によって、イエスの弟子たちは厳しい迫害の中でも喜びと希望をもって宣教の業に励んだ。特に、ここでも示されている全てを完成させる絆である「愛」の力、これを今年度ののぞみ寮の主題聖句に据えて歩んで行きたいと思います。

 新しい歩みを始める58回生だけでなく、私たちも多くの破れや弱さを抱えています。しかしそれを恐れたり不安に思う必要はありません。その弱さや痛みのある所にこそ、慰めの主が共におられるという事、そこから生み出される私たちをつなぐ「愛」の力によってこののぞみ寮の繋がりは更に強められていく事を願っています。

 

 

 

 

 

~第58回生のぞみ寮入寮礼拝より~

 

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新入生歓迎 ウェルカムボード頑張って作りました!

 

 

 

入寮生代表の言葉  1年 F.E(兵庫県)

 みなさん、こんにちは。今日から私たちはこののぞみ寮で新しい生活をスタートさせます。2ヶ月前、合格の通知をいただいてから、この敬和学園での高校生活、のぞみ寮での寮生活をとても楽しみにしていたことがたくさんあります。私の中学校では友人の家に泊まることは禁止されていたので、朝起きてから学校でもまた夜になっても、友人といつまでも話せるなんて夢のようです。ただ、私自身もそうですが、初めて家族と離れて生活する人も多いのではないかと思います。朝、ひとりで起きられるだろうか。洗濯・掃除はちゃんとできるだろうか。不安なこともたくさんあります。ホームシックになったりもするかもしれません。けれども、同じ目標を持ち、支え合う仲間と共に暮らせることは寮生活の大きな魅力でもあると思います。時間の使い方、身の回りのこと、自分のことを自分でちゃんと管理していくこと。そういう当たり前のことを当たり前にできるようになることが、とても大切だと感じています。そして、誰かと一緒に生活するからこそ、自分の言動が周りにどう影響するか、思いやりを持って行動できるようになっていかなければなりません。

 最後になりますが、私たちが安心して生活を送れるように、日々支えてくださる先生方や寮の職員の皆様、先輩方、そして家族に感謝の気持ちを忘れずに、これからの寮生活を充実したものにしていくことをここにお約束します。

 この人生の指針を私ひとりだけで見つけたわけではありません。まず、両親が育ててくれたおかげで私の価値観が生まれ、寮の仲間たちのおかげで自分の価値観とどう向き合っていくのかを考えることができました。

 そして、その寮の仲間たちの価値観を作ってくれたのは、みんなの親や家族です。今日ここまで育ててくれて本当にありがとうございました。学校・寮の先生方、こんな私たちを見守ってくださり、本当にありがとうございます。これからの58回生の活躍も見守ってくれると嬉しいです。

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新入生歓迎 会えたことが嬉しくて走ってきました!

 

 

 

 

 

 

入寮生保護者の言葉  T.N 様

 春らしく穏やかな気候に心和む季節となりました。本日、敬和学園高校の入寮礼拝の日を無事に迎えることができましたことを心より感謝申し上げます。明日の入学祝福礼拝に先立ちまして、ひとこと保護者としてご挨拶させていただきます。

 私はT.Kの母のTNと申します。大阪から参りました。天満教会に属しています。新潟を訪れるのは今日が3回目です。初めて訪れたのは大学生であった1995年の冬でした。敬和学園高校卒業生の大学の同級生に案内され、当時の榎本榮次校長に校長室で創立時のお話を伺いました。2回目は2年前の夏のオープンスクールに家族4人で伺った時です。独特のチャペルの形や椅子の並び方、窓を見た時、ここで礼拝に出席している息子の姿が目に浮かびました。そして、3回目は今日という日です。

 さて、どのようにしてこの敬和学園に導かれたのかということを少しお話しさせていただきたいと思います。聖書コヘレトの言葉3章11節「神のなされることは皆その時にかなって美しい。神はまた人の心に永遠を思う思いを授けられた。それでもなお、人は神のなされるわざを初めから終わりまで見極めることはできない。」いう聖句があります。

 どのようにして、この敬和学園に導かれたのかということをお話しさせていただくには、敬和学園の創立以前にまで遡ります。私の祖父は田中芳三と申します。敬和学園創立者の太田俊雄先生を心から尊敬し、この学校を設立するために大阪で「太田俊雄後援会」という有志の会を作り、会計係として募金活動に邁進しました。

 太田俊雄先生に関する本「種子をまく人ー教育に一生をかけた太田俊雄物語ー」も出版しています。この本「種子をまく人」を読まれた天満教会の当時の牧師の平山武秀先生は、こう書いておられます。

 「太田先生は何百、何千という若き魂に種をまいた。そしてその種子をまかれたその子どもたち、青年たちが今や成長して、第三、第四の『種子をまく人』となっているのである。そのような種まく営みの無限の連鎖の根底に、最初の『種子をまく人』であられた主イエス・キリストの見えざる御手の導きがあることを私は疑わない(キリスト新聞1990.7.7)」と。

 祖父はこの本を通して、太田先生の生き様に影響を与えた人たち、先生によって育てられた人たち、そして先生自身が辿った教育者としての道すじを著しております。尊敬する太田先生の学校へ曾孫である息子が入学することになったことに、神様の御計画と感謝しております。

 一方、息子は天満教会で毎年行われる「敬和の会」に中学1年生の頃から参加していました。「キリスト教主義学校に出会いたい」という願いを持ちつつ、敬和学園がどのような学校かを知るいい機会となりました。校長先生の「私の自慢は生徒です」という言葉に感銘を受け、参加者の中には自分の弱さを話す方がおられたり、また親子二代で通う方の声も心に響きました。色々とお話を伺ううちに「息子は敬和生にふさわしいのではないか」と感じるようになりました。この1年間、敬和生の歩みをもっと知りたいと思い、頻繁に学校のホームページを開きました。拝見すると日々の様子が綴られていて、先生方の文章に心が温かくなり、敬和の教育に感じ入る日々でした。これまでの道が一筋の光に照らされていたことを今、思い起こします。

 このようにして、今日までやっと辿り着きました。これからの歩みはきっと神様が支え、導いてくださることを信じ、私たちができることは日々祈ることのみです。敬和学園が大事にしている寮教育と学校教育を通して、子どもたちが友と出会い、神と出会い、自分を知るという最もこの時期に大切なことを学ぶことができるように心から祈ります。また、多感な時代を生きる子どもたちの学びと生活を全面的に支えてくださる先生方のためにもお祈りします。どうか敬和学園の上に神様の祝福が豊かにありますように祈りつつ、共に歩みたいと願います。

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対面式 憧れている先輩で名前呼ばれて照れています!

 

 

 

 

 

歓迎の言葉  3年 S.M(岡山県)

 みなさん、ようこそのぞみ寮へ!のぞみ寮でブロック長を務めているS.Mです。今日は、新しくこの寮に入ってきたみなさんに、心から歓迎の気持ちを込めて、少しお話しさせていただきます。
 今、みなさんの心の中にはいろんな感情があるのではないでしょうか?期待やワクワクだけでなく、緊張や不安、少しの寂しさもあるかもしれません。私も入寮した時は知らない人たちの中で、スマホもなく親元を離れて……。正直、心細さでいっぱいでした。
 でも、そんな日々の中で少しずつ感じたのは、この寮には温かくて優しい人たちがいるということです。困っている時に気付いて声をかけてくれる先輩がいたり、些細な日常を一緒に笑い合える仲間がいたり。そうした人たちとの関わりが、この場所を「安心できる場所」へと変えていきました。
 のぞみ寮は、生徒が主体となって生活を作っていく場所です。決められたことにただ従うのではなく、自分たちで考え、支え合い、責任を持って日々を作り上げていきます。簡単ではありませんが、その分だけ自分の成長や仲間との絆を深く感じられる場所でもあります。親元を離れての生活も、大きな挑戦です。でも、ここで出会う仲間たちは、毎日を共にする中で、少しずつ特別な存在になっていきます。やがて、まるで第二の家族のようなつながりが自然と育っていくはずです。
 私がこの寮生活で魅力に感じていることのひとつは、一人ひとりが本当にユニークでかけがえのない存在だということです。のぞみ寮には様々な考え方や価値観、性格を持った人が集まっていて、その違いが日々の生活を豊かにしてくれます。人と深く関わる中で、自分自身の新たな一面に気付くことも少なくありません。

 そして、みなさんにはぜひこれからの寮生活でいろいろなことに積極的にチャレンジしてほしいと思っています。初めてのこと、自信の無いこと、ちょっと怖く感じることもあるかもしれません。でも、ここにはそれを見守ってくれる仲間がいて、応援してくれる先輩がいます。失敗しても大丈夫。チャレンジする姿勢そのものが必ず自分の力になりますし、その経験が誰かの勇気にもつながっていきます。

 私たち先輩も、みなさんが安心して自分らしく暮らせるように、できる限りのサポートをしていきます。困った時は遠慮なく声をかけてください。何でも相談してください。これから始まる寮生活が、みなさんにとって出会いと学びに満ちた、かけがえのない時間になることを願っています。どうぞよろしくお願いします。

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同じ部屋の先輩との出会い 「これからよろしく!」

 

 

 

「新任のご挨拶」

 

菅田 大希(男子寮担任)

 この4月から寮務教師の一員としてお子さまと日々を共にすることになった、42回生卒業の菅田大希(すがた だいき)と申します。在学時は寮生で、大望館で高校生活を送りました。

 高校卒業後から「いつかなりたい」と思っていた寮務教師になれたこと、大変嬉しく思います。昨年度までは高知県にありますキリスト教主義の学校で教員として従事しておりました。お子さまを支えるだけでなく、私自身も共に学び、1日1日を歩んでいきたいです。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

神﨑 友祈(女子寮担任)

 このたび、寮務教師としてお世話になることになりました、神﨑友祈(かんざき ゆうき)と申します。私自身も、50回生としてこののぞみ寮で学び、卒業しました。再びこの場所に戻り、生徒の皆さんと共に学び、共に成長できる機会が与えられたことに心から感謝しています。

 寮生活では、日々さまざまな出来事が起こることと思います。そのひとつひとつに真摯に向き合いながら、生徒の隣りに立って、一緒に考え、歩んでいけるような寮務教師でありたいと願っています。どうぞよろしくお願いいたします。

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2025年4月24日木曜日

今週ののぞみ寮(5号) 「対面式」~一つひとつの出来事を通して~

【聖句:ヨハネによる福音書 1章 4節】

「言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。」

 

 

 新年度がスタートして2週間。1年生の表情もほぐれてきたことを感じます。「入寮前は、不安ばかりだったけれど、入寮したら思っていた以上に安心できる場所でした。」「スマートフォンが使えない生活は、はじめのうちは考えられなかったけれど、寮生活はいろいろ忙しくスマートフォンがない生活を楽しんでいます」等々・・・・・・。寮生活の中で歩み始めた1年生たちがうれいしい言葉を伝えてくれました。

 まだ始まったばかり、焦ることなくゆっくりと歩みを進めてほしい、寄り添いサポートしていきたいと思いを強める私たち寮職員です。

 のぞみ寮恒例行事「対面式」が行われました。先輩たちが見守る中、1年生がひとり一人自己紹介をしていく、3年生行事委員会企画の受け継がれてきた行事です。先輩たちの熱い声援を受けながら、緊張しながらも前に立ち、自己紹介をする1年生のフレッシュな姿が素敵でした。一つひとつの出来事の中に自分を成長させてくれることを、実感できる経験を積み重ねてほしいと願います。今週も心と体が守られて、元気に過ごしていきましょう。お祈りしています。(小菅)

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~さわやかな朝。登校風景~

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