寮長 信田 智
9月に健康診断を受けた。70年も生きてくるといろいろな所にガタが来る。自分では何の自覚症状もないが、血圧が上がり降圧剤を服用している。今回、総コレステロール値が基準を少しオーバーした。朝晩高校生と同じ食事をし、昼は妻の手料理で腹を満たしていれば、しかたがないとは思うが、今まで基準値内であっただけに少し気になる。また、体力測定では、俊敏性と、平衡感覚が鈍ってきている。これらの事に気をつけながら、適切に対処していかなければならない。他は今のところ異常がないようだが、気を付けるに越した事はない。
私たちは、自分の体の健康については、このように健康診断を受け、その状態をチェックし対処することが出来る。しかし、人間は心と体を持って、人間として形作られているのであるから、当然、心の健康診断もしなければならない。にもかかわらず、私たちは、その事に関しては無頓着なことが多い。そして、自覚症状がないまま、どんどん心が蝕まれていくことがある。
皆さんはどこで心の健康診断をされていますか。定期的に心の健康診断を受けている人は少ないのではないだろうか。多くの場合、心が萎え、気力を失い、かなり重症にならないと、医者にかからないので、回復に時間がかかる。特にこの時代は、将来に対する不安や、経済的な不況、人間関係がギクシャクし、心を乱されることが多い。知らず知らずの内に、心が蝕まれ、病んでいくのです。それだけに、心の健康診断を受け、早期発見早期治療の必要があります。
私たちの心の状態を映し出す鏡がある。それは聖書です。人類の素晴らしい宝物である聖書に親しみ、そこに心を向けていくうちに、自分の心の状態が見えてくるのです。聖書の言葉に耳を傾けながら、心を静めて祈る時、人に対して、言わなくてもいい事を言ってしまい、言わなければならない事を言えなかった、愚かな弱い自分が見えてくる。また、一つ一つの出来事に一喜一憂し、不安の中で右往左往している自分に気づくことがある。
聖書は、私たちの心を映し出す鏡であると同時に、私たちの心を癒し、整えてくれる力もある。私たちに、人生の拠り所を教え、そこに行けば傷ついた心が癒され、慰められ、生きるエネルギーを与えてくれる。敬和学園は、毎朝の礼拝で自分の心を見つめ、自己点検をする機会が与えられている。そして、静まって自分のあり方を考える中で、不思議と心が整えられて行くのです。心の健康診断を受けてみたいと思われる方は、寮長までご一報ください。一緒に聖書を読んで、心の状態をチェックし、整えていきませんか。
2012年度 寮体験プログラムを終えて
2012年10月14日(日)~19日(金)まで、45回生・通学生を対象に寮体験プログラムが開催されました。普段なかなか細部まで知ることのできない寮生活を体験してもらい、寮生活の素晴らしさ・寮生の頼もしさの訳を知ってもらう機会に…と毎年開催されています。今年は男女計7名の通学生が参加してくれました。その感想を一部ご紹介いたします。
*M.K.(新潟市中央区)
私は今日までの6日間、寮体験をさせてもらいました。とても感謝しています。
この寮体験で分かったことは、毎日労作のような生活(掃除、洗濯、食事当番など)ができることと、協力して生まれる「楽しむ心」が自然と出てくることだと思います。なぜなら、自分自身が真剣に作業に打ち込めたことはもちろん、一緒に作業をしてくれた先輩や友だちが色々な人と会話をしながらとても楽しそうな笑顔で作業をしていたからです。まだBクラスでは、楽しんで労作をしている人が見た限りいないように感じています。なので、Bクラスの元労作委員として、この寮体験を活かして「木曜4限は労作の日!労作着と楽しみを忘れるな!」といった感じの目標をBクラスの中で立ててみたいなと思いました。
*O.Y.(新潟市北区)
私は1週間みぎわ館で過ごしました。みぎわ館のみなさん、温かく迎え入れて頂きありがとうございました。とても充実した1週間を過ごすことが出来ました。2・3年生のみなさん、とても優しく接して下さってありがとうございました。私は初め、不安や緊張がとても大きかったのですが、先輩方が優しく話しかけて頂いたりしたお陰で、とても安心して過ごすことが出来ました。
1年生のみんな、いっぱいフォローしてくれてありがとう!楽しかったです!そして同じお部屋に迎え入れてくれたみなさん、同室にさせて頂いて本当に嬉しかったです。優しく声を掛けて頂いたこと、掃除を一緒にしたこと、お菓子をみんなで食べた事、消灯後まで語り合った事、いっぱい笑った事、本当に幸せでした。本当にお世話になりました。寮のルールを分かりやすく書いてくれたルーズリーフは私の宝物です!
みぎわ館の皆さん、1週間本当にありがとうございました!
*K.C.(新潟県三条市)
実は私は、1週間の寮体験があると聞いた時、自分には無理だと思っていたので参加する気は全くと言っていいほどありませんでした。いろいろしんどい事も重なっていた時でもあり、ちょっと学校を離れたいなと考えてしまう瞬間もありました。しかし、担任の野間先生に「寮体験してみない!?」と声を掛けてもらい、なんだかやってみることになってしまいました。申し込みをして決定した時は、やっぱり辞めておけばよかった!と後悔してしまったりしました。絶対に寮体験しなくてはいけないんだと思うと、気が重くなりました。寮体験が始まる14日、敬和に向かう車の中では「あ~、始まるんだ~」と落ち込んでいました。
しかし敬和に着き、寮本部で寮の先生に会い、少しだけ嬉しくなりました。そうしたらすぐにみぎわ館の1年生たちが本部まで迎えに来てくれ、またもっと嬉しくなりました。みぎわ館の中に入るとみぎわ館の人たちが「こんにちは!」「いらっしゃい!」と次々と声を掛けてくださり、とても嬉しくなりました。
私は8室で生活することになり、優しい先輩とよく知っている1年生たちと同じ部屋になれたこと、本当に嬉しかったです。初日の夜には8室のみんながケーキを作ってウェルカムパーティをしてくれました。とてもかわいくて、おいしくて、幸せでした。
みぎわ館の皆さんは私の事を「C」と呼んでくれ、漫画や雑誌・本をたくさん貸してくれたり、朝の登校準備の時間には髪の毛をかわいくセットしてくれたり、嬉しかったです。
寮ってこんなに素敵なところなんだ!と寮体験をしてみて初めて知りました。嫌だなぁと初めは思ってしまっていた寮体験でしたが、参加して本当に良かったと思いました。みぎわ館のみなさんの笑顔が本当に素敵でキラキラしていて、一緒にいることで私は幸せになりました。私もみぎわ館の皆さんのように人を幸せに出来るような笑顔の人になりたいと思いました。寮体験に参加できて、みぎわ館で生活出来、本当に良かったです。1週間ありがとうございました。
寮生リレー通信 (第 101 回)
*リサイクル委員会 『輝けゴミ箱!!ゴミ箱が輝けば、ぼくらも輝く!!~』
Y.D.(大望館 2年:埼玉県坂戸市)
今年のリサイクル委員会のテーマは「輝けゴミ箱!!ゴミ箱が輝けば、ぼくらも輝く!!~」です。このテーマに決まった理由は、二つあります。
一つは、僕の住んでいる大望館では、ゴミ箱の周りがとても汚いからです。ゴミ箱が満杯なのに、その上にゴミを置く人がいたり、投げ入れたゴミがゴミ箱に入らなくても放ったままにしている人がいたりします。そのような人達が、きちんとするようになれば、もっとゴミ箱の周りはきれいになるはずです。でもそれは、リサイクル委員の責任でもあるので、僕は、もっと細目にリサイクルやゴミ捨てをしていきたいと考えています。
もう一つは、ゴミ箱を綺麗にすることによって、皆さんの心も綺麗になるのではないかと考えたからです。これは、僕の単なる幻想かもしれませんが、「トイレ磨きは心磨き」とある人が言ったように、ゴミ箱も同じではないでしょうか。汚い物を掃除するのは、誰でも嫌だと思います。人の嫌な事を自分から率先してやるのは、すごく難しいことです。しかし、それをすることによって、自分自身が成長できると思います。
さて、大望館は、ゴミ箱の溜まり方がとても早いです。なぜこんなに溜まるのが早いのか考え、リサイクル委員の皆と話し合いました。すると、女子寮は、分別がすごく細かいということが分かりました。燃やすゴミ、燃やさないゴミ、プラスチック、危険物、ペットボトル、ペットボトルのふた、生ゴミ、、、お菓子ボックス、冊子ボックス、牛乳パックボックスなど、分別が細かく、二週間くらい経たないと、ゴミ箱は一杯にならないそうです。そんな中、生ゴミは、週に二度ゴミ出しをしているそうです。すぐに、分別を全て見習うのは難しいですが、大望館も少しずつ分別を細かくして見習っていきたいと考えています。
今回、リサイクル委員会は、皆さんが気持ちよくゴミを捨てられるように、月に一度ゴミ捨て場の掃除をするなど、新しい取り組みを始めました。より良いリサイクルをするには、皆さんの協力も必要です。より良いリサイクルを目指して、一年間頑張っていきたいと思います。
*整美委員会 『Clean with heart』
S.U.(めぐみ館 2年:福島県会津若松市)
新整備委員長になりましたS.U.です。整美の新しいテーマは、「Clean with heart」に決まりました。
道具を使ってただ掃除をするのではなく、いつも使っている場所や物を、気持ちを込めてきれいにして欲しいと言う願いから、このテーマにしました。
今の各館のお掃除はどうでしょうか。毎日の掃除の中で、一日に一回だけ、私達の生活の中に‘ありがとう’の気持ちを向けられたら、と思います。また、決められた掃除の時間以外にも「汚れていたらきれいにする」「物が落ちていたら拾う、片付ける」こういったことが自然に出来るのぞみ寮になって行きたいです。ついつい忘れてしまう当たり前のこと、私も心に留めながら生活しようと思います。
*行事委員会 『笑天~Enjoy,Happy and Smile!~』
F.E.(みぎわ館 2年:新潟県長岡市)
新しく行事委員長をさせていただきます、みぎわ館のF.E.です。
こののぞみ寮では1年を通して様々な行事が行われます。これから予定されているものでは寮クリスマスがあります。行事委員会ではテーマを決める際、行事の1つ1つに対してどのような思いで企画するか、参加する側にどんな風になってもらいたいかに重点を置き、話し合いを進めてきました。その結果、これから1年間の行事のテーマは「笑天~Enjoy,Happy and Smile!~」です。この「笑天」とは、のぞみ寮で行う行事を、笑顔が広がっていく機会となる行事でありたいと願って決めました。
行事をすることを楽しみだと思っている人もいれば、あまり乗り気になれない人もいるでしょう。しかし、1つの行事が終わった時にはみんなが「参加してよかった!」と思ってもらえるような企画を考えていきたいです。
みなさん、これから「これをしたい!」など要望がありましたら、ぜひ各館の行事委員に聞かせてください!みなさんの意見もしっかり取り入れながら話し合い、行事を寮全体で創る形で取り組んでいきたいです。
上映会や体育館を使っての企画などいろいろと考えていきます。みなさんの参加を待っています!
*礼拝委員会 『fresh』
T.M.(みぎわ館 2年:神奈川県川崎市)
新礼拝委員長になりました、みぎわ館のTです。
今回の礼拝委員のテーマは「fresh」です。Freshという言葉の意味をご存知かもしれませんが、今一度みなさんにお伝えしようと思います。Freshとは、新しさや新しく生き生きしている様です。
なぜ、このテーマにしたのか?みなさんは、今ののぞみ寮の礼拝をどう思いながら守っているのでしょうか。毎週日曜日の全体礼拝、面倒くさいなぁとか、だるいなぁとか、テスト前だと早く勉強したいのにと思う事は、少なからずあるのではないでしょうか。私達礼拝委員はその気持ちを全て変えたいとは思っていません。少しでも礼拝に来るのがワクワク出来ればいいなぁと思っています。
例えば、日曜日の全体礼拝でのお話を今のように各委員会の委員長だけではなく、みなさんにもしていただきたいのです。また、暦上の行事、これからだとクリスマスはもちろんですが、お正月、バレンタイン、ホワイトデーなどのイベントに合わせて、行事委員や食事委員を中心とした各委員会と協力しながら、礼拝を守りたいとも考えています。礼拝の場所もこの友愛館から抜け出して、大望の横の駐車場で、またはグラウンドなどで行えればいいなぁとも思っています。
皆さんのお話は、年明けから入れていきたいと思っています。頼まれたら、ぜひとも快く引き受けてくださるととても嬉しいです。なぜ、皆さんのお話を入れて行こうと思ったのか。それは、今まで寮祭などでの限られた、また、テーマに沿った話を聞いていました。しかし、今皆さんが疑問に思っている事、知ってほしいと思っている事は口を開かない限り、周りが理解することは難しいのです。そこで、皆さんの意見を聞ける場にするために、全体礼拝で生徒のお話を入れていこうと考えました。
このように、今までになかったような斬新な場所・斬新な行事・斬新なスタイルにしていきたいのです。そうすることによって、皆さんも何だか楽しそうだと感じませんか?ですから、今回の礼拝委員会のテーマは「fresh」なのです。
礼拝とは、礼拝委員だけで成り立っているわけではありません。皆さん無しにして、のぞみ寮の礼拝は成り立たないのです。ですから、皆さんにはぜひ協力してほしいのです。また、こういう礼拝をしてみたい!など、アイデアがあれば、いつでも持ってきてほしいです。こうして、礼拝をみんなでもっと素敵に作っていけたらいいなぁと思っています!
*生活委員会 『“Change the world”~チェックは愛の証です~』
N.M.(みぎわ館 2年:福島県会津若松市)
突然ですが、皆さんはチェックと聞いて、何を思い浮かべますか?大掃除や嫌なものなど、マイナスのイメージはありませんか?
今年の生活規律委員会のテーマは“Change the world”~チェックは愛の証です~です。このテーマのメインタイトルの“Change the world”とは、世界を変えるくらいのやる気を持って仕事に励むという意味と、視点を変えて今の現状を見直すという、2つの意味が込められています。
今、生活規律委員会では、私物や登校チェック、それぞれの館の風紀など、さまざまな取り組みをしています。それらの仕事に責任を持って取り組み、新しい視点から、のぞみ寮がよりよくなるように変えていきたいと思います。
また、サブタイトルにある~チェックは愛の証です~というのは、チェックは自分を省みて、どれだけ自分が周りの人に迷惑をかけているのか知る事ができる証であると同時に、周りの人のことを愛を持って考える材料になるという理由から、このタイトルになりました。
チェックがついたとき、反省するのも大切ですが、そこから周りのことを考えて、これから自分がすべき行動を考えていくのも大切です。一人一人が生活態度を見直せば、皆が気持ちよく過ごせるステキな寮になっていくと思います。
私たち生活規律委員がそんなステキな寮づくりをしていきたいと思います。私たちだけでは変えられない部分もたくさんあります。その時は、ぜひ皆さんもご協力お願いします。
*食事委員会 『すべての食材と調理師さんに感謝して、いただきます!~残さず、食べる!~』
N.M.(みぎわ館 2年:兵庫県明石市)
新食事委員長になりました、N.M.です。今年度の食事委員会のテーマは「すべての食材と調理師さんに感謝して、いただきます!~残さず、食べろ!~」です。
このテーマは、毎日私たちのために一生懸命食事を作ってくださる調理師さんに感謝して食事を頂く、という想いを持ってほしいという事と、私たちが普段当たり前のように口にしている食べ物を「当たり前」だと考えるのではなく、食べ物に感謝して「頂く」という気持ちで食事をしてほしいと言う想いから、このテーマにしました。また、一人一人が食べ物とそれを作ってくださっている方々の心を大切にすることで、残食を減らしていきたいと思っています。
食事を摂る事で、1日の活動は活発になり、健康にも繋がります。反対に食事を摂らないという事は、体だけでなく、心にも悪影響を及ぼすことになっていきます。食べるという毎日行う行動で、私たちの日々の生活を豊かで有意義なものにすることができるでしょう。
寮生にとって友愛館での3度の食事は、特に、寮生と共に摂る朝・夜の食事は、寮生活における大きなコミュニケーションの機会です。仲間と楽しく食事をすることで、その仲間とさらに良い関係が築けることにも繋がります。仲間と良い関係が築けると、それを通して、新たな自分を知ることもできるかもしれません。そう考えると、「食べる」ということは、自分の心と体を作るだけではないという新たな見方が出来るのではないでしょうか。
今、のぞみ寮での食事に対して、いろんな想いを持っている人が居ると思いますが、みなさん一人一人が、食事は自分の心も体も、仲間との関係も成長させてくれる素敵なものなのだ、という事を覚えてもらえるように、今年度の食事委員会は、皆さんにご協力いただきながら取り組んでいきたいと思っています。1年間、どうぞよろしくお願いします!
~寮務教師より一言~
この間夏休みが明けた!と思っていたら、もう11月も半ばです。毎日毎日が本当にあっという間に過ぎていきます。1年生から3年生までの、このメンバーで過ごせるのもあとわずか。毎日を大切に過ごしていきたいと心の底から思います。
先日ある3年生が小論文に自分の3年間の成長を書きたいのだけれど、自分がどれだけ成長したのか、成長したとは自信を持って言えるのだけれど具体的にが難しい…と話に来ました。1年生の頃はあんなだったよね、こんなだったよね…、と振り返れば振り返るほど、どんどん具体的な成長が見えてきました。入寮時と現在とでは、別人だと言ってもいいほど成長を遂げている彼女をはっきりと見ることが出来ました。
今年入寮した45回生も、先輩となり奮闘している44回生も、人生の岐路に立ち将来を見据えている43回生も、みんな、それぞれに確実に豊かに成長している事を改めて教えられ、私にとっても嬉しい時となりました。
このメンバーで過ごせる限られた時間を精一杯、寮生と寮務教師が共に心を揺さぶり・育て合っていきたいと思います。
みぎわ館 森口みち子