2021年12月23日木曜日

大望館通信 第306号 「大望館のピアニスト」

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 先日、敬和学園へ入学を考えている中学生と保護者の方を大望館へ案内しました。この時期になると、こうして学校見学・寮見学を申し込まれて敬和学園に足を運んでくださる方がいます。そのひとつ一つが大切な出会いだと実感します。今回、ご案内した保護者の方は本校卒業生だったので在学中の出来事を聞き、現在と比較しながら案内していくことが出来ました。案内していくと、次第に中学生はホッとしたような表情へ変わっていきました。おそらく卒業生であるお父さんから寮のルールや先輩・後輩の厳しい上下関係について聞いてきたのかもしれません。それらが時代と共に変わってきていることを感じてもらえたようで、私自身もホッとしました。

 部屋を案内した後、保護者の方からの一言に考えさせられました。「ギターを置いている部屋が少なくなりましたね。私が在学中はバンドブームもあったから、ほとんどの寮生が持っていたと思います。」たしかに、現在の大望館でギターを持っている人は片手で数えられます。では、音楽を楽しむ寮生も少なくなった、これも時代と共に変わってしまったかというと、そうではないのです。大望館ホールから聞こえてくるピアノの音を聴いて、いつもこんなことを感じます。これほどピアニストに恵まれた年があるだろうか。現在、ピアノが弾ける大望生は10名近くいるのです。大望生の三分の一がピアノを弾ける、これほど恵まれた年があるでしょうか。

 敬和学園ではピアノが弾けると活躍の場が多くなります。寮の各館礼拝、朝の全校礼拝だけでなく、讃美歌発表会のパート練習や伴奏者としても活躍の場が整っているのです。

 また、現在の大望館は先輩と後輩が連弾している姿をよく見かけます。讃美歌を片手ずつ弾いていたり、掃除の時間中に流れている曲を耳コピしてセッションが始まったりしています。その姿を見て、時代と共に変わってきた上下関係に感動すら憶えます。しかし、時代が変わっても、音楽を楽しむのぞみ寮生の姿は、昔も今もこれからも変わらずここにあります。音楽を楽しみながら共に歩んでいく大望生、この光景が続いていくことを願うばかりです。