2012年8月21日火曜日

のぞみ通信 No.182(8月21日)

< 再 生 >
                          寮長 信田 智

 敬和学園の横を海に向かって港湾道路が走っている。敬和の30周年記念事業と時を同じくして作られた道路である。一部森を切り開いて作られた道路であるためその斜面に植樹がなされている。歩道は幅2.5メートルもある、広々とした片側1車線のきれいな道路である。木々が成長するにつれて、道路わきの斜面や田んぼの境界線から木の枝が道路に覆い被さり、木の葉や土砂が堆積し、それが50cm以上歩道に侵入してくる。車道の縁石のところにはヨモギや、私の背丈もある月見草などが生え、狭いところでは歩道の幅が1.5メートルほどになるところもある。そして、木の枝と車道側に生い茂った雑草を結び蜘蛛の巣が張られてくる。
 その歩道を通って海辺の森に入っていく私の日課にとっては、蜘蛛の糸が顔や体にまとわりつき、何ともうっとうしい限りである。ところが、近年夏になると市の係りの方が歩道を覆う木の枝や、堆積した土砂、道路側の雑草を取り除き、こんなに幅の広い歩道、気持のいい道路であったのかと、見違えるようにきれいに再生してくださる。道路が荒れているときには、そこら中にごみが散乱してくる。ところが、道路がきれいになるとごみの量は驚くほど少なくなる。
 今年の夏、グラウンドに併設されているテニスコートが、あまりにもやせ細り、周囲(特に男子側のコート)には雑草がはびこってしまったので、補修工事がなされた。男子テニス顧問の土屋先生が補修されたコートに立って、こんなに広かったのかと感嘆の声をあげておられた。そう言えば、テニスコートが出来た頃、女子は県大会出場の常連校であったように記憶している。テニス部の再生を期待しよう。

 翻って、のぞみ寮はどうであろう。近年小西校長は、寮は敬和教育の生命線であると強調され、若い教師を寮で研修するプログラムも組まれている。寮教育が学園全体として評価されていることは嬉しい限りである。しかし、手放しで喜べない現状もある。特に男子寮は掃除が徹底できない。月一度大掃除をしていても、すぐに物が散乱し、中には足の踏み場もないほどになる部屋もある。部活をして疲れて帰って来てから始まる寮のプログラム、その中で汚れた衣服の洗濯、それらをこなしていかなければならない。
  中学を卒業したばかりで、家にいれば洗濯や掃除、食事の準備片付けも親がしてくれる事が多い中で、全て自分達の責任においてしなければならない。大変さは十分理解できる。それだけについつい甘くなって、男子の寮はこんなものだろうと思ってしまう。しかし、校内全体がきれいになっていく中で、また女子寮はきれいに整理整頓されている事を思うと、我々特に男子寮務教師は、腹を据えて寮内外の整理整頓に気を配っていかなければならない。
  生活の場の汚れは、心の荒れにつながってくる。男子寮がきれいに再生され、「自主・自立・自制・思いやり」の精神がしっかりと根付くように、自らを再生していきたい。




寮務教師主任 帆刈仰也
 夏休みの終わる今頃は、終わっていない宿題と名残惜しさで気持ちが沈んでいませんか?楽しかった日や快適なお家での暮らしから寮へ戻ることが辛いと感じている人、これからの学校生活に不安を感じている人、もっと別な理由があるかもしれません。しかし、秋から冬にかけてのこれからの時期は、寮も学校でも成長へ繋がる行事や考える機会が多くあるのです。
 生徒のみんなも、ご家族の皆様も、お体に気をつけて、後期のスタートが切れることを願いつつ待っています。そして、冬休みを目指して頑張りましょう!!


みぎわ館担任 森口みち子
 少しずつ日が短くなり、聴こえてくる蝉の声も心なしか静かになりつつあるように感じます。それでもまだまだ残暑が続く夏、いかがお過ごしでしょうか。
 8月26日は帰寮日です。みんなが帰ってくるのが待ち遠しくて仕方ありません!イベント盛りだくさんの後期前半、皆さんと一緒に過ごす毎日に、山のような感動と興奮が用意されていることを想像するだけで、今からすでにワクワクしています。
 この夏休み、家族に囲まれ、成長を認められ、愛情を心いっぱい感じて、後期に向けてのエネルギーをしっかり蓄えられた時間になっていることを喜びつつ、26日にみんなそろってスタートできること、後期を共に歩んで行けることを楽しみにしています!


大望館担任 澤野 恩
 夏は暑い!!久しぶりに大阪に帰省し、新潟に帰って来てもっと涼しいかと思いきや、暑さはあまり変わらない気がします。
 久しぶりの帰省でしたが、今年度を最後に両親が大阪を離れて妹夫婦のいる横浜に移ります。そのため、私の生まれ故郷への帰省は今回が最後となりました。これで最後になるのかと思うと、さすがに多くの想い出がこみ上げて来て、寂しくてなりませんでした。
 18歳で故郷を離れて20年。その頃の風景とはずいぶん変わってしまいましたが、変わっていない所もたくさんあります。卒業した小学校、中学校。友だちと遊んだ公園。毎日のように泳いだ川。飛び降りてけがをした塀。そのどれもが、たとえ帰らなくなったとはいえ、これからも私の記憶から離れることはないと思います。
 寮生は15歳で親元を離れます。高校を卒業して、進学し就職。もしかしたらもう実家で過ごすことはないのかもしれません。それでもやはり、私と同じようにこれまで育ったところが故郷です。その故郷でのひと時の時間を大事に過ごせたことかと思います。
 帰ってきた寮生に「実家はどうやった?」と聞いて、その答えの大半が、「暇で仕方なかった」「グータラ過ごしていた」だとか答えます。でもやっぱり、故郷は気持ちの休まるところです。
 卒業していく寮生は、のぞみ寮はもう一つの故郷。先生はもう一人の父親。そんな事を言ってくれ敬和を離れて行きます。この言葉は私たち寮のスタッフにとって、何よりの励みになります。
 もう一つの故郷にこれからもなり続けるよう、子どもたちとの時間を共に大事に過ごしていけたら幸いです。元気な顔で帰って来てくれることを待っています。


光風館担任 三浦 啓
 暑中お見舞い申し上げます。厳しい暑さの毎日ですがいかがお過ごしでしょうか。 私は前期の賑やかさがうそのように静まり返った光風館で今年の夏を過ごしました。早く光風館のみんなが帰って来て、また賑やかな生活をしたいなぁと心待ちにしています。 光風館生もそれぞれ実家に帰り、前期の疲れを癒し、後期に向けてのエネルギーを充填したことと思います。
 後期も光風館のみんなとのぞみ寮の教師と共に喜怒哀楽しながら、より良い寮生活、学校生活を送れるよう毎日の生活をしっかりと送っていこうと思います。これからも応援、お祈りください。


女子寮担任 冨井 愛
 暑い日が続きますが、元気に過ごしていますか?体調崩していませんか?  前期は、皆さんが喜んだり悩んだりしながら成長していく様子を側で感じることが出来、充実した日々となりました。みなさんがいない寮は、とても静かで、いつもならこんな光景があるのになぁと思い出しては寂しさを感じています。
 夏休みももう終わり!おおいに楽しんで、課題も終わらせて、家族のもとでたっぷり井エネルギーを蓄えて来てくださいね。それぞれの夏を過ごした皆さんとの後期の歩みを楽しみにして、皆さんの帰寮をお待ちしています!


めぐみ館担任 榎本 かな
 新潟の夏、残暑もそれなりに暑~い!!!ですが、亜熱帯地方の様な関西の夏を経験している私にとって、太夫浜の夏は、「何のこれしき!」と思ってしまいます。
 さてみなさんにとっての今年の夏は、変わらない夏、変わる夏、様々だったのではないでしょうか。
 いよいよ後期。44名ならではの織り成す模様をめぐみ館、寮生活でしっかりと花開くように願っています。
 3年生は進路の歩み終盤です。2年生は世代交代で寮の運営を任されます。そして1年生、チームワークの基礎がつくられます。
 これからの大きな成長の陰には、様々な葛藤や、試練に立ち向かう姿が日々あります。どうぞ、後期ものぞみ寮での生活が皆様に支えられる寮でありますように、感謝と共に改めて心よりお願い申し上げます。




< 寮務教師から一言 >

 45回生を迎えて5か月が過ぎようとしています。寮祭があり、フェスティヴァルがあり、夏休みがあり、わずかな期間ではありましたが色んなことがあったように思えてなりません。
 一年の折り返しがこれから始まります。これからだっていろんなことがあると思いますが、そのひと時を大事に過ごしたいです。また、東日本大震災から1年と6ヶ月が経とうとしていますが、未だ不自由な生活を余儀なくされている方々がいるということを忘れずに、与えられている毎日がいかに幸せか日々心に留めながら、子どもたちと歩んでいきたいと思います。
大望館担任 澤野 恩