2023年10月26日木曜日

今週ののぞみ寮(30号)「笑顔」

【聖句:詩編 143編 6節】

「あなたに向かって両手を広げ 渇いた大地のようなわたしの魂をあなたに向けます。」

 

 先日、3年生54回生の卒業アルバム用の写真撮影が行われました。この時期の恒例行事です。私は毎年この撮影を楽しみにしています。撮影会場となった友愛館は笑顔であふれていました。3年間共に過ごした仲間だからこそかもし出される雰囲気はとても居心地が良いのです。一つひとつの出来事と経験を重ねて過ごした証しなのだと思います。卒業までの日数は100日を切りました。進路実現に向けて取り組む3年生たちですが、卒業の時まで全力で、仲間と共に心豊かに過ごしてほしいと思います。

 のぞみ寮では、今年度2回目の部屋替えを行いました。部屋替え当日の廊下には、荷物が詰まった段ボールが山積みに!!。“この荷物、本当に部屋に収まるのかしら?!”と思うのですが、段取りよく部屋替えを終える姿には毎回感心してしまいます。

 部屋替えも、大事な出会いの時です。どんな育みがあるのか楽しみにしています。(小菅)

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笑顔あふれる撮影(どんな仕上がりかは、アルバム完成までのお楽しみです)

 

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秋の夕焼けに映えるチャペル

 

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2023年10月11日水曜日

今週ののぞみ寮(29号)「向き合い、取り組む育み」

【聖句:テモテへの手紙Ⅱ 1章 14節】

「あなたにゆだねられている良いものを、わたしたちの内に住まわれる聖霊によって守りなさい。」

 

 7日(土)ホームカミングデーが開催されました。2,12、22、32、42回生の卒業生方々が参加されました。(詳細は学校のホームページを御覧ください。)参加されたお一人ひとりが、我が家に帰ってきたような嬉しそうな表情をされていたのが印象的でした。「のぞみ寮生」だった方は、寮見学をされ懐かしく振り返る時間を持たれていました。案内してくれた現役寮生は、先輩とのよき交わりのひと時をもたせていただきました。私は、敬和の卒業生では在りませんが、こうして今、のぞみ寮での働きを通して、敬和でつながれている恵みをあらためて感じました。敬和での3年間の歩みがお一人おひとりの中で糧となり、今につながっていることも思いました。

 第3期定期テストに臨む「のぞみ寮生」たちです。前回の定期テストより取り組み方に意欲を感じます。仲間の存在の大きさも実感します。共に学び会える仲間がいることが、「がんばる力」につながっているのではないでしょうか。「のぞみ寮生でなかったら、こんなに勉強しなかったかも!」、「寮生でよかったー、勉強がんばろう!て思うようになったよ」と話してくれる寮生たちもいます。取り組んだ成果が十分に発揮されることを願っています。今週も心豊かに歩んでいきましょう。お祈りしています。(小菅)

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2023年10月6日金曜日

今週ののぞみ寮(28号)「ピア・エデュケーション」

【聖句:コリントの信徒への手紙一 13章 13節】

「それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。」

 

 9月19日(火)新潟医療福祉大学ピア・エデュケーション部のみなさんによる学習プログラムを「未来の私とあなたのために、今日から私ができること」というテーマで実施しました。今回は、プレコンセプションケア(将来の妊娠・出産に関する教育)やライフプランについて考える時間があり、妊婦体験ジャケットや赤ちゃん人形を使った抱き方講座などを通して、多くの学びがある時となりました。

 新潟医療福祉大学は、敬和学園高校から最も近くに立地している大学です。その新潟医療福祉大学ピア・エデュケーション部との繋がりは10年以上になり、このような学習プログラムを企画・実施してきました。ここ数年、コロナ禍にあって実施が叶いませんでしたが、今回このように念願の再開をすることが出来ました。年齢の近い大学生のみなさんがリードしてくれたおかげで、生徒たちの表情はいつも以上に柔らかく、とても良い雰囲気で学びの時をもつことが出来ました。大学教授の先生からも「真剣に話を聴いてくれる生徒さんたちで、とても嬉しくなりました」とお褒めのお言葉もいただきました。

 今回は3年生を対象として実施しました。あと数ヶ月経てば3年生は敬和学園を卒業し、それぞれの人生を歩み始めます。その彼ら・彼女らに生命の尊さと人生の素晴らしさを伝えてくださった、新潟医療福祉大学ピア・エデュケーション部のみなさんに、心から感謝しています。

 当日の様子をT・Aさん(めぐみ館2年生)が撮影してくれました。また、新潟医療福祉大学ピア・エデュケーション部のホームページに掲載されていますので、ご覧ください。(片岡)

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2023年10月4日水曜日

のぞみ通信 2023年10月3日 第284号

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題字 大望館3年 H.Jさん

 

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夏休み明けの帰寮日、女子寮2年生全員で囲む食卓

 

 

「『夏の甲子園』大会に思うこと」 寮長 岩原 寅太郎

 新潟はこの夏、全くと言っていいほど雨が降りませんでした。猛暑が重なったこともあり、米や果物をはじめとする農産物が大きな打撃を受けました。地球はかつて、何億年も大昔に、火の玉や氷の玉のような時期がありました。そうした大きなスケールで見れば、近年の異常気象は僅かな変化に過ぎないのかもしれません。でも、地球に住まうちっぽけな存在である私たち人間にとっては、健康面においても、経済面においても非常に堪えるものとなっています。新潟の今夏における渇水と猛暑を通して、私たちは地球上の小さな生き物に過ぎないこと、人智を超えた存在のことを、改めて認識させられました。

 夏休み明けの開寮礼拝で「夏の甲子園大会」を話題にしました。スター選手が登場し、感動的な試合がいくつもありました。高校球児の象徴ともいうべき丸坊主頭、これを強要しない学校が勝ち進んだことで注目を集めたり、これまで問題にならなかった応援団による応援の仕方が問われたりと、何かと話題に事欠かない大会でした。

 特に印象に残ったのは、決勝戦を戦った慶応高校と仙台育英高校の両校監督のコメントでした。大いに共感する内容があり、また考えさせられる部分もありました。優れた人間性を感じる両校監督のコメントを聞いていて、頭に浮かんできたキーワードは

 「多様性」、「個性」、「感謝」、「謙虚」、そして「挑戦」です。ここ「敬和」にあって、たびたび耳にするそんなキーワードが浮かんできたのは、何か不思議に思う一方で、誇らしい気分にもなりました。

 慶応高校と仙台育英高校の戦いぶりは、観ている者を感動させました。優れた人間性、それに裏打ちされた指導法をもつ「監督」という名の優秀な指導者がいて、さらに、その指導者のもとで日々厳しい練習に取り組み、チームとしての考え方や価値観を体現しようとする選手たちがいる、こうしたチームがつくりあげた試合だったからだと思います。一つ確かに言えることは、慶応高校や仙台育英高校のような素晴らしいチームは一朝一夕では成し得ないということです。「人を育て、組織をつくる」には時間が掛かるということです。寮教育に携わる教育者として、一指導者として改めて心に留めておきたいと思います。

 後期の開始からひと月ほどが経過しました。始業に際し「漫然と過ごすのではなく、自分なりの目標を定め、それに向かって誠実に丁寧に、日々の歩みを進めましょう」と寮生たちに話しました。

 異なる個性をもった仲間が一つ屋根の下、寝食を共にしながら共同生活をするのが寮です。時に、辛いこと、シンドイこと、悲しくなることもあるはずです。そんな時にこそ、仲間や寮務教師を頼り、また聖書の御言葉にヒントを得ながら乗り越えていってほしいと思います。後期の終了時、また一回り大きく成長した寮生たちの姿を見られることを願って後期の歩みを共に重ねて参ります。

 

 

 

寮生リレー ~ヒロシマ碑巡りの旅に参加して~

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夜の広島原爆ドームと灯籠流し

 

「ヒロシマ碑巡りの旅」Y.H(3年・石川県)

 夏休み、「ヒロシマ碑巡りの旅」に参加しました。今まで学校で習った知識はあっても、自主的に学ぼうとしたことはなかったので、私にとって初めて「原爆」に向き合う機会になりました。様々な講演、資料館見学、式典、被爆者証言の集い等を通して私が大きく感じたのは、“自分自身の知識の浅さ”とそれに対する“恐怖”です。

 戦争を経験した方の中には、今を「戦後」ではなく「戦前」と呼ぶ方がいることを私は初めて知りました。きっと戦争が始まれば「即戦力」になるであろう私たちの世代が、戦争に対して興味関心をもっていなかったり、知識が浅かったりすることは大きな問題です。戦争を実際に経験した方の高齢化も相まって、「戦争」や「原爆」の意識がますます弱まっている今だからこそ、出来ることを見つけて行動していく重要性を実感しました。また、実際に現地へ行ってみたり、残った衣服や手紙等を見てみたりすると、より「原爆」のことを伝えていく必要性を感じました。 

 今回やっと「原爆」のことについて学ぶためのスタートラインに立てた気がしています。これからの社会の動きにも目を向け、また同じような悲劇を繰り返さないよう、もっと「原爆」について知識を深めていきたいです。

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広島平和記念資料館にて

 

 

「自分を変えた四日間」 F.I(3年・群馬県)

 今回訪れた広島には、人間の愚かさやこの世界の残酷さが残されており、多くの人に、戦争はあってはならないと訴えていました。

 あれほどの日本で起きた恐ろしい被爆の実相は、数日の時間をかけないと頭の中で処理しきれませんでした。中でも、被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真や資料を収集・展示している「広島平和記念資料館」は、一番胸が苦しくなるプログラムでした。これらの展示物は、どれも核兵器による被害の影響を静かに訴えていました。参加者の中にはあまりの恐ろしさから途中でリタイアする人がいました。私も自分と重ねて見ることで、目を背けたくなりました。しかし、それをすることでこの資料館は間違いなく私の原爆への認識を変えてくれました。

 私はこのプログラムを含む4日間を意義のあるものにできました。様々な証言を聞いたり、展示を見たりしていくことで、自分で調べられる範囲以上の知識を身につけることができました。これほどまでに酷い影響を及ぼした原爆を2発も落とされたのに、日本政府は明らかに戦争の準備をしています。

 また、高齢化により被爆者が年々少なくなってきており、体験の声は消えつつあります。それらの事実を踏まえたこの旅は、私を「自分にできることは何かを考えながら、まずは近くの人から戦争・原爆はあってはならないと伝えていこう」と考えさせてくれました。これをきっかけに学び続けていきたいです。

 

 

 

 

寮生リレー ~海外教室での学び~

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ワニと触れ合い体験

 

「相手のことを知ることの大切さ」 S.M(2年・神奈川県)

 最初に海外教室の案内を見たとき、私は参加するつもりはまったくありませんでした。英語のスキルがなく、興味も特になかったからです。しかし、担当の先生から「オーストラリアに参加しない?」と提案され、家族との相談の結果、参加を決意しました。

 気軽に海外への参加を決めたものの、その決断が浅はかだったことに途中で気づきました。中学の基本的な英語さえも苦手でした。海外教室に行くまでの間、留学生の子や海外経験者で英語が得意な子に協力してもらい、出来ないなりに努力しました。

 オーストラリア滞在中は、数々の言葉の壁に直面しましたが、なんとか乗り越えることができました。しかし、英語の授業中、文法に関する疑問をうまく質問できず、先生との間に誤解が生まれました。この誤解は一時的に亀裂を生じさせましたが、最後には双方が心から理解し合い、和解のハグで締めくくることができました。

 この経験から、私はコミュニケーションには、努力と挑戦が大切であることを実感しました。コミュニケーションを取るためには、自分から積極的に話しかけたり、質問したりする挑戦が大切で、私はとても楽しかったです。

 将来的には、また海外に行きたいと考えるようになりました。そのために、今回うまくいかなかった部分を勉強して、再び海外に挑戦しようと思います。

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語学学校での様子

 

「一句に込めたオーストラリアでの学び」 E.S(2年・新潟県)

 私は中学1年生の頃から、毎朝、「ラジオ基礎英語」を聞いています。今年の3月の放送で、オーストラリアについての話を聞きました。そこで、興味をもつようになり、「海外教室」に参加することにしました。

 オーストラリアの生活で驚いたことがありました。

週末になると、ケアンズ市内では市場が開かれ、アクセサリーや洋服がたくさん売っていたり、蛇や鳥などの生き物に触れたりできる体験コーナーがありました。また、公園には大きな木があり、その木を遊具として小さな子どもたちが登って遊ぶ姿もありました。

 「海外教室」では、観光だけでなく現地の語学学校に通い、英語の勉強や現地の歴史を学びました。最終日の授業で、日豪の戦争について聞きました。昔、オーストラリアは太平洋戦争に巻き込まれた歴史があり、多くのオーストラリア人が亡くなりになりました。日本がオーストラリアに侵攻したという事実を、私は初めて知りました。そして、この事実を忘れないように、想いを一句に込めることにしました。

 『日豪の 平和の花 今日も   咲き乱れることなく かれんに花開く』

 今、この世界にはまだ戦争があり、多くの人間が命を落としたり、国から逃亡したりしている人がいます。どうか歴史の過ちをこれ以上繰り返さない為にも今の私たちができる行動を起こしていきたいです。

 

 

 

 

寮生リレー ~オープンスクール労作に参加して~

 

「道しるべとなるために」 S.M(1年・新潟県)

 暑さの厳しい夏休みの終わり頃、私はオープンスクールの労作(寮案内)をしました。労作をしたいと思った理由は、現役寮生だからこそ分かる「寮の良さ」を伝えたかったからです。

 当日はとても緊張したけれど、めぐみ館1年生みんなで頑張った館内の「飾りつけ」に刺激を受けて、「私も頑張らないと!」と思い、臨むことができました。そして、私が想像していた以上の多くの中学生が寮を訪れてくれました。大人数を一度に案内することは、本当に難しかったけれど、どうしたら全員に伝わる?どうしたら笑ってくれる?と常に考え、工夫しながら寮の案内をしました。中学生や保護者の皆さんはとても嬉しそうに見学をしてくれたと思います。

 私は人の笑顔を見るのが好きです。今回、参加者皆さんの良い表情をたくさん見ることができて、「労作をやって良かった!」と心から思いました。

 伝える、伝わることの難しさ、笑顔の大切さを改めて学んだ良い経験でした。今後も努力を重ね、日々成長していきたいです。

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女子寮ブロック委員選挙にチャレンジした1年生たち

 

 

 

~寮務教師の一言~

「それぞれの夏」 女子寮 小林 渚

 長期休み明け、「ただいま!」と帰ってくる寮生の姿を見て、私はいつも「身長伸びた?」と聞いてしまいます。「え?そう?変わらないよ~!」と答える生徒たちがほとんどです。約1か月会っていなかったからなのか、本当に身長が伸びているからなのか。不思議なもので、私にはみんなが「ぐっと大人になって」帰ってきた、と感じるのです。

 今年の夏は、今まで経験したことのない暑さでした。毎日猛暑のニュースを聞きながら、寮生はどんな夏を過ごしているのだろうと思っておりました。学校の行事に参加し、たくさんの学びを経験したり、のんびりと家の中で過ごしたり。きっとそれぞれの夏を過ごし、エネルギーを蓄えてきたからこそ、9月の歩みがあったことと思います。後期も神様の恵みがたくさん与えられる毎日でありますように祈ります。



2023年10月3日火曜日

今週ののぞみ寮(27号)「一つ一つの経験を糧とする生き方」

【聖句:ヨハネの手紙Ⅰ 3章 18節】

「子たちよ、言葉や口先だけではなく、行いをもって誠実に愛し合おう。」

 

 新しい月を迎えました。先週は、2泊3日の日程で、修養会が行われました。修養会の実行委員として活躍していたのぞみ寮生がたくさんいました。夏休み明けから、修養会に向けて取り組んでいた生徒たちでした。

 私事・・・・・・。敬和を卒業した娘は、1年生の修養会に参加することをとても怖がり、前向きな気持ちをもてないまま修養会に参加しました。キャンプ型の修養会でした。しかし、修養会を終えて帰宅してきた娘は、「修養会に参加して良かった!」と、3日間の出来事を息つく暇もないくらいに話してくれたのです。彼女にとって、よい時間であったことは、すぐに分かりました。日常の生活を離れ、仲間と共に、一つひとつの経験を通して得た喜びを、実感できたことが、親としてもうれしかったことも思い出します。

 修養会を終え、晴れ晴れとした表情を見せてくれるのぞみ寮生が多くいました。のぞみ寮生一人ひとりが、敬和で出会った仲間と共に心と体を動かして、経験したことを喜びと実感し、それを成長の糧として歩んでほしいと願う私です。

 さぁ!今週は、定期テスト週間に入ります。今週も心豊かに共に歩んでいきましょう。お祈りしています。(小菅)

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