2016年6月29日水曜日

光風館通信 2016年6月26日 第475号

< ドラマがついに完結! >
 フェスティバル、お疲れ様でした!今年のフェスティバルは楽しめましたか?私は一人ひとりの表情が輝く瞬間を見て、感動しっぱなしでした。この敬和学園のフェスティバルは、当日だけではなく準備期間から一人ひとりにドラマがあります。フェスティバル活動を通して、たくさんの人との新しい出会いがあるし、仲間の新しい一面を見ることもあります。また、自分の中にある熱い想いに気付くこともあるし、仲間の想いを知ることもあります。でも、連合の中での意見のぶつかり合いで仲間が落ち込んでしまい、励ましたりフォロー出来なかったりして、自分の力不足を感じたこともあったでしょう。そのつらさ・悔しさなどの楽しいだけじゃない想いを感じ、経験してきたことによって当日に見せる表情は輝いていました。
 1日目オープニングの司会という大役を務めたり、演劇で主役に大抜擢されて会場を笑い声で大盛り上がりさせたり……。毎晩パネルや衣装の作業をコツコツと進めていたり、一生懸命に合唱の指揮や伴奏練習をしていたり……。当日の競技で連合のためにリレーで走ったり、その仲間を応援していたり……。みんなの輝いている姿をあげたら切りがありません。
 今週の御言葉は『太陽の輝き、月の輝き、星の輝きがあって、それぞれ違いますし、星と星の間の輝きにも違いがあります。』にしました。この聖句がフェスティバルで大活躍していた君たちにはぴったりだと思います。みんなを引っ張るリーダーだけではなく、陰で支えるひとり一人が輝いていました。そしてひとつ一つの輝きが違うこと、それに何よりも感動しました。太陽のようにギラギラと輝きを放つ光風生も、月のように誰かに優しさと安心感を与えられる輝きを持つ光風生も、星のように小さいかもしれないけどちょっとした仕草や表情がキラリと輝く光風生もいました。そのそれぞれ違う輝きがその人の“素敵な個性”だと感じたのです。だからこそ、フェスティバルには一人ひとりにドラマがあり、輝く瞬間があると言えるのかもしれません。
 その今年のフェスティバルが成功したと同時に、一人ひとりのドラマも完結しました。今年は、フェスティバルが終わってから寮生活・学校生活でだらけずに、しっかりと切り替えて生活している寮生が多いように感じています。その切り替えが大切ですし、自分の持っている力や才能を次は違うことで発揮することが大切です。これからもキミ達の活躍に期待しています。(片岡)

 

 

※写真には髪を染めたり、化粧や耳飾りをつけている生徒が写っていますが、これはフェスティバル2日目だけ、つまり一年に一日だけ許されている行為です。普段の学校生活では堅く禁じておりますので、どうか誤解のないようによろしくお願いします。

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 < 光風生の敬和体操 > 
 その年の体育委員長はフェスティバル2日目に大きな仕事があります。それは全校生徒の前で“敬和体操”をリードすることです。一昨年と去年の体育委員長は光風生、そして今年の体育委員長も光風生でした。
 当日、体育委員長であり光風館ブロック長が「光風生〜!」と呼び、光風生が横並び一列になり、敬和体操をリードしていました。その姿を見て、微笑ましく思ったと同時に全校生徒をリードしている光風生の姿に誇りを感じました。 「また来年も光風生が体育委員長になってくれたら、この光景が見られるなぁ」と期待してしまいました。(片岡)

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2016年6月24日金曜日

めぐみ館通信 2016年6月16日 第56号

「静かな夕べ」
~フェスティバルを終えた夜に思うこと~
 フェスティバルが終わり、めぐみ館内は静かな時間に包まれています。事務室のソファーで横になりくつろぐ姿からも、やりとげた安堵感が伝わってきます。静かな時間の流れを共にすごしながら、本番までの日々を一人ひとりがんばって、すごした時間を重ね合わせています。
 「たのしかったぁ~」はじめてのフェスティバルを終えて、心地よい疲れを感じている1年生。日焼けした表情からも充実感が伝わってきます。
 「私は、○○チーフになりたい」と来年に向けての抱負を語ってくれる頼もしい2年生たちもいます。今回のフェスティバル活動を通して、来年度への期待を膨らませていることはとてもうれしいことです。
 昨年度は、フェスティバル活動へ不安な気持ちが大きくあり、参加が難しい生徒がいました。「参加できて私自身がうれしい」と疲れた表情の中に、仲間に支えられながら、自分で歩み出した彼女の姿がとてもまぶしく感じます。昨年の姿を振り返りながら、彼女の1年間の成長ぶりに私自身も励まされます。自分で考え、歩み出した時、表情も明るく、自信が伝わってきます。うれしい時です。
 部門のチーフを担った3年生が多くいました。一人ひとりが、真剣に向き合い、夜遅くまで取り組んだ時間でした。悩み、不安、涙、葛藤の日々でした。
 共に生活する中で、3年生の真剣に取り組む姿を1,2年生は間近で見ることができました。だからこそ来年度への期待感も大きく持てるのだと思うのです。
 「○○さんに縫い方教えてもらいました」「○○さんが手伝ってくださったんです」ダンスの衣装作りに悪戦苦闘していた1,2年生がうれしそうに事務室に見せにくることもありました。裁縫上手の1年生がお手伝いする微笑ましい場面もありました。
 5月初旬、チーフの役割を担った保護者の方とお話をする機会がありました。「チーフの仕事を任せていただいたことで、娘はフェスティバルまでの日々、苦しみ、壁にぶつかるだろう。でもこの経験は、とても大切で、娘の成長を感じることができる時間だと思っている。親としても、見守りながらサポートしていきたい」と。保護者の方とこのようなお話の機会をいただくことはとても幸せなことだと思います。
 私ごとですが、保護者として同じような気持ちですごした日を思い出しました。娘もフェスティバルでチーフの役割をいただきました。めったに電話をよこさない娘が電話口で声を抑え、誰にも聞こえないように泣いているのです。
 私は、黙って彼女を受け止めることしかできませんでした。ひとしきり泣いた後「ありがとう。元気出たよ」と電話を切る娘に「ごはんはしっかり食べるんだよ。体は大事にね」と声をかけるだけでした。娘の様子を日々心に留めながらすごしましたが、フェスティバル当日、笑顔あふれる娘を見つけた時は、胸のつかえが取れ、ほっとしたことを覚えています。
 フェスティバル当日、生徒の表情は、ひとり一人自信にあふれていました。この日までの道のりが彼女たちのキラキラした表情につながっていることを実感しています。
 一つ一つの経験がこれからの生活の力につながっていくことを願っています。
 「のぞみ寮物産展」のご協力、フェスティバルまでご家庭でも支えと応援をありがとうございました。当日も多くの保護者の方とお話をする機会をいただきうれしい時でした。(小菅)

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 フェスティバル当日は、卒業生とのうれしい再会もありました。なつかしく、表情もほぐれます。「みんなのがんばる姿見たら、元気が出ました」と話す卒業生。それぞれの地で、がんばってすごす彼女たちの毎日も守られてすごせますようにと心から願うばかりです。(小菅)



2016年6月20日月曜日

みぎわ館通信 2016年6月19日 第243号

みんなが一つになったフェスティバル
 フェスティバルが終わって一週間が経ちました。いつもなら自習時間明けの事務室は、アイスを食べたり、生徒達同士でわいわい話をしたりしているみぎわっ子達でいっぱいになります。しかし、この一週間は事務室を訪ねて来る生徒は少なかったように感じました。フェスティバルの疲れを癒すかのように、静かな時間を過ごしているようでした。
 3年生には「本当にお疲れ様!」と言ってあげたいと思います。チーフや本部の仕事を担っていた生徒もそうでない生徒も、この二日日間、「やりきった!」という表情を見せてくれました。一日目の合唱や演劇で活躍した生徒もいれば、二日目のダンスや競技で自分の力を発揮させた生徒もいます。演劇の照明という裏方の仕事を担った生徒もいれば、当日までの準備の期間、一生懸命取り組んだ生徒もいます。一人ひとりが神様から与えられているタラントン(=能力)を発揮できる場面が沢山あったことを嬉しく思います。
 2年生は3年生が活躍した姿を見て、「私は〇〇部門のチーフをやりたい!」と思い描き始めています。3年生が寮の中で悩み、時に涙を流し、葛藤しながらフェスティバルに向かっていく姿を間近で見てきました。3年生のすぐ側でそんな気持ちを一緒に感じていたからこそ、「来年はこうしたい!」という気持ちが一段と強く湧いてくるのだと思います。
 1年生は「敬和のフェスティバル」というものを、肌で心で沢山味わえた二日間だったのではないでしょうか。朝早くから起きて準備をしていた1年生を見て、「1年生も気合十分。2・3年生に負けてないな~!」と思いました。
 それぞれが全力で取り組んだフェスティバル。力を出し切った分、得た力も大きかったことでしょう。この二日間で得た力は一体何か。みぎわ館の生徒一人ひとりがそこに気付いてくれたらなあと思います。フェスティバルで得た多くのエネルギーを、学んだ事を今後の成長の糧とし、これからの敬和生活を歩んでいってくれることを願っています。(小林)

 

 

美味しいものは疲れを癒してくれます!
 フェスティバル当日には多くの卒業生が来ていました。みぎわ館の先輩達も先生方や後輩に会いに、遠い所から来てくれていました。ゼリーの差し入れも頂き、疲れた心と体を癒すことができました。手作りのゼリーにみんな大興奮!食べ物には目がないみぎわっ子達。疲れていても食欲はバッチリでしたね!(笑)(小林)

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☆たくさんのご声援ありがとうございました!☆

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2016年6月15日水曜日

大望館通信 2016年6月14日 第248号

<今年のドラマ…完結>
 フェスティバル本当にお疲れ様でした!今年のフェスティバルも大望生が生き生きとした様子で楽しんでいる姿、そして様々な場面で活躍している姿を見ることが出来ました。合唱、パネル、演劇、競技、そして本部と各分野でチーフとして、またそれを支える存在としてたくさんの生徒がこのフェスティバルに関わっているのを見ることが出来て嬉しかったです。また、大望館からは3人の総合チーフが連合の顔として、全体を盛り上げてくれたのも印象的でした。

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 フェスティバルの2日間は、敬和の中で一番の華やかさと盛り上がりを見せる時ですが、みなさんはこの2日間に至るまでの過程で、どれだけの時間とエネルギーを使ってきたでしょうか。とくに3年生は敬和生活で最後のフェスティバルを迎え、初めて連合を率いるという難しさに直面し、すべてが順調にいっていたわけではなかったはずです。苦しい時間の方が多かったのではないでしょうか。一生懸命に取り組んでいるからこそ仲間とぶつかり合ったり、上手くいかないことに腹を立て、悩んだと思います。それでも、逃げず、投げ出さず、どうにかしようとがむしゃらに自分のできることをやり遂げていったからこそ、フェスティバル本番であんなに素敵な顔を見せていたのではないでしょうか。その姿は1、2年生にも伝わっているはずです。そして来年、再来年と、様々な思いを引き継いだ後輩たちが、また新しいドラマを創り上げてくれることでしょう。
 フェスティバルでは1位から6位まで順位がつけられますが、順位以上に大切なものをみんなはもう感じ取っているはずです。準備期間から二日目のフォークダンスに至るまでの経験は、何にも代えがたい財産です。このフェスティバルを通してまた一つ成長した姿を見せてくれることを楽しみにしています。
 今年のフェスティバルはこれで完結しました。今週からはまた気持ちを切り替えて生活してください。切り替えるという力もとても大切なものです。いつまでも余韻に浸っていたり、授業を疎かにしてしまわないように気を引き締めていきましょう。第2定期テストもあっという間に来ます。それぞれの時に必要な力を最大限に発揮して、新たな一日一日を大望館全員で真剣に取り組んでいきましょう。(堀越)

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<今さらですが>
 5月16日は私の31回目の誕生日でした。今年は1日早い15日にみんなからのサプライズの祝福とケーキを頂きました。毎日の生活の中で、みんなからの助けをもらいながらやっていけていることに改めて感謝です。体はおじさんですが心はまだまだ若く、これからも頑張っていきたいと思います。こんな私ですが、これからもどうぞよろしく!このお返しは年末に!(堀越)

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2016年6月9日木曜日

みぎわ館通信 2016年6月8日 第242号

フェスティバルに向けて、頑張っています!
 6月に入り一週間が経ちました。今年もフェスティバルの時期がやって来ました。放課後、学校の至る所で連合活動が行われています。休日もダンスの練習やパネルの色塗りなど、一層力を入れて取り組んでいる生徒たちの姿が見られます。
 寮の中でもこの時期フェスティバルに向けて夜遅くまで頑張る生徒たちがいます。衣装を着る生徒たちです。各連合から渡された説明書とにらめっこしながら衣装生地を縫い合わせて作っていきます。「わかんな~い。どうしたらいいの?」と言っている生徒がいると、「何がわかんないの?」と声を掛け、「こうやったらいいんじゃない?」と違う連合でもアドバイスし合って制作しています。「ミシンどうやって使うの?」の声にすぐに駆け寄って教えてくれる生徒がいたり、同じ連合の生徒同士で、アイロンをかける役、ミシンで縫う役など役割を分けて作ったりする生徒たちもいました。夜遅くまでミシンの音がカタカタとホールに鳴り響いていました。
0608_mi03 自分で縫い合わせていくことは大変ですし、時間もかかります。でも、仲間がいればその大変な時間は楽しい時間になります。朝、「衣装完成したの?」と聞くと、「できたよ~!もう眠いよ、でも頑張った!」と満足そうな表情を見せてくれたみぎわっ子達でした。衣装、完成して本当に良かったね!当日の衣装姿が今から楽しみです!
 さて、頑張っているのは衣装を作っている生徒だけではありません。ある1年生の生徒が、「先生~この日焼け見てください!」と言いながら事務室に入って来ました。その日は天気がよく日差しが強い日でした。その1年生はパネル担当。パネルの下書きをひたすら頑張って書いていたそうです。右腕が真っ赤になるぐらい一生懸命取り組んでいたのですね。1・2年生の存在も、各連合にとっては欠かせない大きな存在なのです。
 また、3年生は各連合追い込みに入っています。総合チーフ、衣装チーフ、演劇チーフ、ダンスチーフ、プロフチーフなどそれぞれ役割を担っている生徒がたくさんいます。夜遅くまで衣装の原案を考えたり、ダンスを考えたり。連合活動が上手くいかない悩みを抱え、時には涙を流し互いに相談し合いながら色んな悩みを乗り越えてきました。相談し合う時は連合なんて関係ありません。相手の悩みは自分の悩みとして受け止め、支え合い、寄り添いながらフェスティバルに向けて頑張ってきたみぎわっ子の3年生達。3年生にとっては最後のフェスティバル!悔いが残らないよう、最後の最後まで、諦めずに思いっきり楽しんで欲しいと思います。(小林)

 

 

 

言い合ってこそ生まれる絆 
 みぎわっ子のあるAさんとBさん。二人の関係がよくない時期が続いていました。互いに距離を取り、何日も口を利かずにいる日々が続いていました。互いにこの状況を何とかしたいと思いながらも、相手が自分の所に話しに来てくれるのをお互い待つばかり。なかなか関係を修復できないでいました。そのうち、手紙のやり取りが二人の中で始まったのですが、手紙の言葉はなんだかよそよそしく、言葉を交わせない日が続いていました。二人の関係はどうなるのだろうか。いつ仲直りできるのだろうと思いながら二人の様子をみぎわ館の仲間たちも心配そうに見ていました。
 そんなある日の消灯後、Aさんが「先生、〇〇と仲直りしたよ!」と晴れ晴れとした表情で報告しに来てくれたのです。思わず私も「そうなの!?いつ仲直りしたの?」と聞き返しました。その日はフリーと言われる夕食後は自由に過ごせる日だったので、夕食後、二人で話し合ったそうです。1通の手紙から二人の距離が近づき始め、ようやく二人はちゃんと向き合って話し合う事にしました。その話し合いはなんと2時間。みぎわ館の中の会議室で互いに心の中に抱えていた気持ちを話すことができたのです。二人の話し合いは会議室の外に聞こえるほど、大きな声で言い合っていたそうです。自分たちの本音を互いにぶつけ合ったのでしょう。しかし、しばらくすると部屋から聞こえてくる声は笑い声に変わりました。それを通りがかりに聞いた同級生は仲直りできたのだと嬉しくなったとのこと。話し合おうと決心するまでの二人はきっと怖かったと思います。本音を言って相手がどう受け止めてくれるか不安で仕方なかったことでしょう。でも、互いに勇気を出して心と心をぶつけ合ったからこそ分かり合えたことで腹の底から笑いあえる関係になったのではないでしょうか。勇気を出して互いに話し合おうと決めた二人、すごいなあと思いました。また、そんな二人の様子を周りの友人たちも気にかけてあげていたことに仲間っていいなあと思いました。
 消灯後、Bさんに「Aが報告しにきたよ。仲直りできたんだね!」と声をかけると、「そう!2時間も話したんだよ~。でも、2時間もしゃべってたなんて思わなかった。あっという間だった~。」とこちらも満面の笑みでした。二人がなかなか近づくことができないでいる姿を私も見ていたので、心から嬉しい気持ちになりました。きっと二人の関係は前に戻ったのではなく、前よりももっと良い関係になれたと思っています。(小林)

 

 

 

 

教育実習生の先生が来ています! 
 5月27日(金)から教育実習生の先生がみぎわ館にいらっしゃっています。敬和の先輩です!3週間ですが、みぎわ館での生活を楽しんでいただけたらと思います。

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 教育実習生のS.Yです。立教大学文学部キリスト教学科に通っています。実習の担当教科は聖書科で、担当ホームルームは雲仙クラスです。私は43回生ですが、敬和に在学していた時は通学生だったので、寮での生活は今回が初めてです。
 初めは分からないことばかりでとても緊張していましたが、そんな私に元気に挨拶してくれたり、話しかけてくれたりと、生徒の皆さんの優しさを感じて嬉しく思っています。気付けば一週間が経過し、残り二週間となりました。学校だけでなく、寮での生活も楽しんでいきたいと思います。

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2016年6月4日土曜日

のぞみ通信 2016年5月27日 第219号

「知らない」から本当の知へ

寮長 東 晴也

 I君(大望3年)の夕拝の感話を一部紹介します。
 「私は小学高学年の頃から、(中略)旅としょうして家出を毎週のようにしていました。年齢が上がるにつれて、あそこに行ってみたい、あそこまで歩いてみたいなどと、次第に冒険心が強くなっていきました。私が中学2年の夏休みには、東京から広島まで歩いて目指すことにしました。10日間位で行けると思いました。しかし現実は甘くありませんでした。その時の日記を読みます。『8月18日、出発から8日目。やっと静岡だ。疲れた。あと何個県を越えれば広島だろうか?神様、私の願いを叶えて下さい。お願いします。もう疲れました。』皆さんはこの話を聞いてどう思いましたか?よくこんなことするなと思いましたか?今、思うと本当に私はバカだと思いますし、今やれと言われても嫌だと言うでしょう。しかし、あの時の私は本気で歩いて10日間で広島に行けると思っていました。なぜあんなことができたかと考えると「知らなかったから」だと思います。私はあの時、何も知りませんでした。東京から広島までが800kmあるということを。800kmを歩き続けることがどれだけ大変かということを。(中略)』(一部抜粋)

 彼はこの後、インターネットによって何でも容易に調べられることの利便性と味気なさについて述べ、「知らないこと」の楽しさがなくなったと現実を分析し、本で調べたり人に直接会って聞いたりすることの大切さについて述べた上で、最後にこう締めくくりました。
「明日から定期テストです。自分の『知らない』『分からない』が点数で分かります。いい機会です。ぜひ自分の『知らない』物・事に出会って下さい。」
 彼は定期テスト前夜に、自分のユニークな思い出を紹介しながら、「自分の知らない世界に向き合おう」と、大望館の仲間に語ってくれたのだと思います。
 私はお話を聞いて、大変励まされました。今、のぞみ寮では、ネットやゲーム依存が問題になりつつあります。本来ヴァーチャルな世界であるゲームに関わる自分の生活時間がますます拡大し、本当に自分が生きている世界はどこにあるのか?彷徨っている生徒が少なくないと思わざるを得ないのです。私たちは、指先をクリックするだけで、世界が分かったような、あるいは分かるような気になっていないでしょうか。
 彼は「本当に私はバカだ」という自覚が、その広島への徒歩旅行という大冒険の後で与えられています。それは、あくまで「後で」です。そのように生きてみた者だけが知る「バカ」さは、真の知識へ至る出発点になるはずです。
 無知を自覚するソクラテスが、古代ギリシアのアテネで最高の賢者と言われたように、私達も「知らない」ことを恐れるのではなく、「知らない」自分を自覚しつつ、本当の知恵(真理)を追い求めて行きたい。そんな寮生活を、生徒の皆さんと共に送りたいと願います。

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どうしても前に出たかった上級生の面々です

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ハイチーズにおなじみポーズのめぐみ館1年生

 

 

 

「恥を捨てて得たもの」  N.T(大望館1年 新潟県上越市)
 僕たち1年生が入寮してから2ヶ月が経とうとしています。僕にとって寮生活は初めてのことばかりで、ゴールデンウィークまでの1ヶ月間は、時間が過ぎるのがとても早く感じられました。
 入寮してから最初に1年生を待っていた関門は、『対面式』でした。1年生が一人ずつ寮の先輩と先生の前で自己紹介する対面式では、僕はとても緊張していました。さらに僕は順番が一番最後だったので、なおさら緊張していました。めぐみ館から始まり、光風館、みぎわ館と、どんどん順番が回って来ました。そして大望館の順番になり、ついに僕の順番になりました。緊張していたせいか自分が話した内容はあまり覚えていませんが、先輩が場を盛り上げてくれたおかげもあって、全体としてはきっとよい対面式になっていたのではないでしょうか。対面式も終わり、その安堵感に包まれながら生活していくうちに、1年生の雰囲気も日に日に良くなっていったように感じました。
0527_no03 しかし、安心したのも束の間で、次に待っていた関門は『寮祭』でした。1年生が入寮したばかりのある日、僕はある先輩に「一発ギャグできる?」と聞かれたことがありました。その時は何のことかわからなかったし、人前で何かをすることも苦手だったので「出来ないです」と答えました。しかし数日後、寮祭で一発ギャグをすると伝えられた時、やっとあの質問の意味がわかり、「やるしかないんだな」と思いました。そして寮祭に向けての本格的な練習が始まりました。最初はやっぱり嫌でしたが、練習を積み重ねていくうちに、少しずつ恥を捨てることが出来るようになりました。1年生全体も寮祭に向けて士気が高まっていき、団結していくことが出来たと思います。
 そして寮祭当日、寮祭の出し物は対面式と違って保護者の方や学校の先生も来ていたので、対面式よりもずっと緊張するだろうと思っていましたが、なぜか対面式の時よりも緊張せず、逆に楽しむことができました。たぶんそれは、恥を捨てることができ、人前でも今までよりも堂々とできる精神力がついたからだと思います。
 今、対面式の時も自分と寮祭の時からの自分を比べてみると、成長したなぁと感じます。1年生の雰囲気も良くなりました。きっと寮での一日一日が僕たちを成長させてくれたのだと思います。その寮での日々を大切にしながら、これからも自分を成長させることが出来たらいいなと思います。

 

 

 

「一年越し」   K.S(みぎわ館2年 千葉県柏市)
 みぎわ館48回生が寮祭の出し物に込めた思いは、「楽しく・協力」です。1年生も、見ている人も楽しめるように、そして、1年生に寮祭を通してみんなで協力することを知って欲しかったからです。
0527_no04 1年生が入寮してきて本格的に練習が始まると大変なことも出てきました。最初の練習の日、立ち位置を考えていなくて1年生に迷惑をかけたり、1年生にうまく指示が出せなかったり、本番までに完成できるか不安もありました。でも、ダンスの練習が始まると、初めはぎこちなかった1年生の緊張もほぐれ、笑顔で踊れるようになり、劇とダンスがだんだん完成していく様子を見て、嬉しくなりました。練習の中で1年生は、自分たちで互いにアドバイスし合って決めポーズを考えたり、アドリブの時にはみんなで声を出して盛り上げたり、協力していました。すぐに仲良くなれた1年生を見るのは、先輩として嬉しかったです。2年生でも、小道具や劇を作る人、ダンスを考える人と役割を分けそれぞれが、1年生の出し物が楽しいものになるようにみんなで協力して考えながら活動しました。また、先輩としての自覚が生れていきました。
 私自身もこの寮祭を通して成長した部分があります。一つは劇の台本を書くことを立候補したことをきっかけに、もっと寮の行事などで積極的に参加していこうと思ったことです。二つ目は今年の劇で役として出し物に出て、セリフをはきはきと言えたことです。私は去年は熱を出して、寮祭に出ることができませんでした。去年もし寮祭に出ていたら、今みたいにはきはきとセリフを言えていなかったと思います。この寮祭で自分が成長していたことを実感できて、良い経験になったと思います。
 寮祭を通して、1・2年生は少しではありますが成長できたと思います。これから、1年生が楽しく・自分らしく、寮生活をしていってくれると嬉しいです。私自身も、これからもっと、楽しく協力しながらみんなと関わっていけたらいいなと思います。

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「特別なGW」  K.M(めぐみ館1年 神奈川県)
 私のGWは、寮に残って先輩たちと一緒にすごした6日間でした。
 4月、めぐみ館の1年生にGWの予定を聞くと、どの子からも「家に帰る」と言う返事でした。それでも「みぎわ館でも残っている人はいるだろうなぁ~」と特に心配はしていませんでした。
 しかし、いざGWを迎えるとほとんどの寮生が帰宅してしまいました。その変化が表れていたのが食事をする“友愛館”です。いつもにぎやかな場なのに、この連休中は静かな場所でした。そしてこの連休中私が一番困ったのは、“友愛館”での食事の時間でした。いつもは、めぐみ館の1年生と食べていますが、めぐみ館だけでなくみぎわ館の1年生も全員帰ってしまいました。お盆を持ったまま一人で食べようかと迷っていると、先に食事をしていたみぎわ館の先輩方が「こっちに来て一緒に食べよう」と声をかけてくださったのです。私の心の中には、うれしさと同時に安心感のようなものが生まれました。連休が終わるまで先輩方と一緒の食事の時間でした。食事だけでなく、みぎわ館での“ぎょうざパーティー”“お泊まり会”“海への散歩”等々、一緒にすごす中でいろいろなお話をさせてもらうことができました。
 “のぞみ寮のピクニック”の日は、ちょうど私の誕生日でした。男子寮、女子寮関係なく、歌を歌って祝ってくださいました。突然のことですごく驚いたのですが、とてもうれしかったです。思い出に残る“誕生日”となりました。
 私の“寮生活”は始まったばかりですが、これからの3年間の中で、連休中に受けた優しさを、私も、いろいろな場面で他の誰かへと伝えていきたいです。

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 毎年ゴールデンウィークに、自宅に帰らなかった寮生のために映画鑑賞会を開いたり、夕食にバーベキューをしたり、ピクニックに出かけたりしています。今年のピクニックは紫雲寺記念公園(新発田市)に行き、遊んで食べた後に、温泉に入って帰って来ました。自宅に帰ることができなくても、それはそれで楽むことが出来たのではないでしょうか。

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「共に過ごす楽しさ 共に感じる喜び」  K.K(光風館2年 沖縄県)

 「俺らでなんかおもしろいことしようぜ!」僕たち光風館6室は、49回生入寮日に人間ピラミッドを作り、新入寮生を迎えました。新入寮生を迎えた時に、僕は入寮した去年を振り返っていました。飛行機の窓から遠くなる故郷の街を見て、想い出と夢の片道切符を胸にドキドキワクワクしながら、入寮したことを今でも鮮明に憶えています。「今年の1年生も同じ気持ちなのかな?」と考え、僕も先輩として自覚を持てているのか、後輩にどんな接し方をすればいいのか、頭は不安と期待でいっぱいでした。入寮礼拝も終わり、1年生に寮のルールを説明したり、自己紹介やUNOをしたりしていました。1年生の笑顔を見た時、「緊張をほぐすことが出来たんだ」と感じ、とても嬉しかったです。
0527_no12 現代社会は電子化が進み、何でもかんでも機械との会話で済ませられるし、コミュニケーションもSNSやLINEなど便利なものに頼ってしまいます。自分が携帯電話・スマホ・インターネット・ゲームを使っているはずなのに、いつの間にか使われる存在になっています。私もその一人です。
 ですが、こののぞみ寮には豊かな自然の中、人との出会いがあります。一人で悩んでいると先生・友達が助けてくれる、そんな空間です。この1年間、僕は敬和学園のぞみ寮で過ごす時間が楽しいと感じています。食事がいつも美味しいこと、放課後にパン屋エミタイでおやつを食べたり、友達とトランプやUNOをしたり、夜遅くに密かに同じ部屋のみんなでお菓子を食べたり、想い出話や恋愛話など、たくさんの楽しい経験をしてきました。それと同時に、この寮の仲間と共に過ごす楽しさ、共に感じる喜びを学びました。僕はその想いを1年生にも同じように、いやそれ以上に伝えるよう努力しました。
 しかし、寮生活は楽しいことばかりでもありません。これから苦難が待ち受けているかもしれません。でも、そんなデコボコ道でも仲間と共に弾めば、楽しいリズムに変えられます。そして、いつかこの敬和学園のぞみ寮が『おかえり』と言えるホーム・第二の家になる気がします。
 今までの人生で交わることのなかった僕たちが、今ここで共に人生を歩んでいます。全く違う軌道を漂う衛星みたいだった僕たちが、今こうして巡り会えたのは奇跡なんかじゃないと思います。互いに引き寄せ合う力があり、神様が導いてくれて生まれた必然だと感じています。だから、出会いを大切に今日も1日感謝します。卒業した46回生のみなさん、今ここで共に人生を歩んでいる47回生・48回生のみなさん、教職員・寮務教師、そして何より敬和学園に入学してくれた49回生に感謝したいと思います。『出会いをありがとう』と。

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《寮祭にお越しいただき、ありがとうございました!》

 寮祭にはたくさんの寮生のご家族が、日本全国からお忙しい中足をお運びくださったこと、本当にありがとうございました。とても楽しく充実した時を持つことができました。寮生の家での顔とはまた一味違った表情をしている場面との嬉しい遭遇を多々して頂けたのではないかと思います。
 また、献金にご協力くださりありがとうございました。この寮祭で、のぞみ寮生と保護者の方からの献金あわせて20万円が集まりました。 “敬和学園50周年記念事業”と“熊本地震を憶えて日本キリスト教団九州教区”へ献金させて頂きました。
 ご協力ありがとうございました。心より感謝申し上げます。

 

 

《のぞみ寮物産展への献品のお願い》
 来るフェスティバル2日目(6月11日(土))、毎年恒例の『のぞみ寮物産展』を行います。のぞみ寮通信4月号やお葉書でもお願いをさせていただきましたが、物産展に向けての献品をぜひお願い致します。
 寮生は日本全国から集まっています。そのご当地の美味しいもの、ご近所のお勧めのものなど目移りするほど様々な食品等が集った売り場は、毎年大盛況です。その売り上げは“敬和学園50周年記念事業”のために学校に献金させて頂きます。ご協力を、よろしくお願い致します。

*賞味期限をお考えの上、お送りください。(当日でも構いません)準備の都合もありますので、前もって御用意いただけたら幸いです。

*誠に勝手ながら、お品代・送料も含めて、ご負担頂きますので、決してご無理のないようにお願い致します。

「値段付け」の目安に、価格または、ご希望の売値価格をお書き添えください。また、品名やアピール文なども添えていただけますと、大変助かります

*宛先は、のぞみ寮本部までお願い致します。

  〒950-3112 新潟市北区太夫浜325  のぞみ寮本部 寮物産展用品  ☎025-259-2390

 

 

 

【編集後記】

 新潟でも半袖生活が始まっています。寮生はテストも終わり、ホッと一息……つく間もなくフェスティバル一色です。悩んだり笑ったり、泣いたり喜んだりしながら、共に暮らす仲間の背中を優しくさすり合いながら日々逞しく過ごしている姿に、毎度のことながら「寮って素敵だなぁ!」と思わされています。
 連合対抗で行われるフェスティバルですが、寮の中では連合が違えど互いを心の支えとし合って過ごしている様子が多々見られ、心打たれるシーンが満載です。そんな3年生の後ろ姿を見ながら、2年生も1年生も寮の仲間とは何かを教えられ、個人も集団も日々豊かに育っているように感じます。学年を超えて仲間と共に目標に向かって歩むこと、創り上げることで新たな自分や仲間と出会えるはずです。フェスティバル後のみんなの姿が今から楽しみでなりません!日々与えられている出会いを、私自身も大切にしながら寮生と共に歩んでいきたいと改めて思わされています。

寮務教師:森口 みち子