2024年3月19日火曜日

のぞみ通信 2024年3月15日 第287号

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題字 大望館3年 H.Jさん

 

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修了礼拝を終えて旅立つ54回生

 

 

「『平和を実現する人』として歩まん」   寮長 岩原 寅太郎

 「敬和」と「のぞみ寮」を巣立っていく54回生の皆さんにお伝えしたいことが二点あります。

 一点目は、「敬和には、できれば、暫く戻ってくるな」です。その真意は、「過去を振り返っている場合ではない。そんな暇があったら、自分が今置かれている場所で、がむしゃらにそこに馴染む努力をしなさい。そこでさまざまな経験をしなさい。そこから多くのことを学びなさい。そのことに時間を費やしなさい」ということです。

 「敬和」は「温室」のようだと表現されることがあります。「敬和」では当たり前だったことが、「敬和」の外では違うということがたくさんあります。「敬和」は個性や多様性を認め、それを尊重する学校です。競争だけが全てではない、焦らなくていい、そんな価値観がある学校です。でも、「敬和」の一歩外の世界では、そうではない場合があります。だから、「敬和」から外へ出るとどうなるか…。たじろいでしまいます。ひどい時はそこから逃げ出したくなるのです。

 私は実際に、そういう状態に陥ってしまった卒業生を大勢見てきました。でも、「ああ、敬和が良かった、敬和に戻りたい…」と思うのではなく、また、「友達ができない、周りと合わない」とベソをかくのではなく、改めて覚悟を決めてほしいのです。「私は自分自身で選んで今ここにいるんだ。ここでやるぞ…」と。そして、その環境、その生活に一刻も早く馴染めるよう努力して欲しいのです。

 二点目は、「『平和を実現する人』として歩んでいって欲しい」です。「敬和」が創立されたのは今から55年前、1968年のことです。その開校式の祝辞で、来賓として出席された宣教師のマシューズ先生はこう述べられました。「昨日、アメリカでは、われらの偉大な黒人指導者、マルチンルーサーキング牧師が暗殺されました。キング牧師の生涯と働きの大きな意味をしっかり覚えましょう。今日、ここに誕生した敬和学園高等学校が、この問題の多い世界に、平等と正義と平和をもたらす、献身的な若者を、どうぞ育ててくださるように・・・」。「敬和」はそんな願いと祈りをもって開校した学校なのです。

 私が説く「平和を実現する人」とは、「より積極的に他者との間で、お互いを尊重しいたわってよりよく生きることを目指す」、そういう姿勢や態度を取れる人のことです。それは今後、皆さんが置かれるどんな場所や環境であっても、例えば、どんな職場であっても、これから築いていく家族や家庭の中であっても、それは実践できるはずです。

 みなさんは3年間の寮生活を通して、喜怒哀楽の感情を伴った、さまざまな経験と学びをしました。生まれも育ちも違う、ゆえに異なった考え方、価値観をもった仲間と一つ屋根の下、寝食を共にしながら生活をしてきました。お互いにお互いを「研磨」し合いました。「研磨」ゆえに摩擦も衝突もあったはずです。今年度、寮の合併を経験した皆さんは、それぞれの館の文化の違いに、戸惑い、そして困惑したことでしょう。向けどころのない、やるせなさや怒りも覚えたことと思います。

 でも、それら全てが皆さんを「強く、逞しく、そしてしなやか」にしました。「平和を実現する人」としてくれました。どうぞ、自信をもって巣立っていってください。それでも、辛い時、悲しい時、苦しい時があったら、どうぞ神様を頼ってください。神様はいつも皆さんのそばにいてくださるはずです。皆さんの前途が、神様に祝福され、明るく照らされますようにお祈りいたします。

 

 

 

寮生リレー ~54回生修了を祝して~

 

修了生代表挨拶  F.K(3年・新潟県)

 暦の上では立春が過ぎながら、まだまだ寒さの残る太夫浜。私たち54回生は今日、この地で過ごした熱く濃い寮生活を終えます。本当に楽しく、時には辛く、多くの仲間、たくさんの思い出と成長にあふれた3年間でした。そんな三年間の寮生活で私が最も学んだことは「人とともに生きる」ということです。少し、私の話をさせてください。

 学園の敷地全体に桜が咲き誇る頃、たくさんの荷物を抱えて、大望館の玄関をくぐりました。寮は個性であふれていました。優しい先輩や怖い先輩、いろんな同級生もいました。そんな1年生の頃の私は正直、自分の都合しか考えておらず、自分の考えを通そうとばかりしていました。そのためいろんな人と衝突してばかりいました。そんな中で、私はたくさんの人に助けられました。寮務教師の先生方はこんな私と根気強く話し合ってくださいました。辛いとき接してくれる友達にいつも助けられました。あんな風になりたいと思う先輩がいてくださいました。いろんな人に助けられて、私は、人は一人で生きてはいないことを実感しました。そして、1年間、2年間と過ごす中で相手の意見を尊重することの大切さや人の気持ちを察することを覚えることができました。そして、自分がそうされたように人を助けられる人間になりたいと思うようになりました。

 3年生になって、寮が合併することになりました。いろんなことが変わり、共に生活する仲間が増えました。多くの問題がありましたが、前よりも仲間と仲良くなれたと思える1年間になったと思います。きっと、1年生の頃の私にはできなかっただろうと思うそんな1年間でした。

 私たち54回生はこれからそれぞれが新しい門出を迎えます。新しい地で新しい自分の居場所で右も左もわからない生活が始まります。不安や緊張で体がガッチガチではありますが、この3年間で得たものは必ずこれからの道で大きな力になってくれると信じて、これから歩んでいきたいと思います。

 この寮生活を支えてくださった大勢の皆さん、本当にありがとうございました。調理員の皆様、眠たく凍えるような朝も、惰眠をむさぼった休日の昼も部活で疲れ果てた夜も変わらず、おいしい食事を用意してくださりありがとうございました。テスト前の夜食をはじめ、細やかな配慮も忘れません。きっとこれからの一人暮らしで寮での食事を何度も思い返します。

 私は54回生をいろんな個性を受け入れることのできる学年だと思っています。その一員として3年間歩めて本当に幸せでした。

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修了生代表挨拶をするF君

 

 

修了生保護者代表挨拶  N.Y様

 54回生寮生の皆さん、保護者の皆様、寮修了おめでとうございます。人生におけるもっとも多感な時期を過ごした、この敬和学園高校、そしてのぞみ寮から巣立つ日がやってきましたね。このような場で、保護者代表として感謝の気持ちを述べさせていただけることを大変光栄に思います。

 保護者の皆様、3年前の春、入寮の日のお子さんの姿を覚えていらっしゃいますか?中学を卒業したばかりのまだ幼く頼りない我が子を親元から離すという不安は、ここにいらっしゃる保護者の皆様が一様に感じていらしたことでしょう。娘を寮に送り、帰宅する車の中で、「本人の希望とはいえ寮にいれて本当によかったのだろうか?」という迷いと、未知の世界に一人で入っていく娘への心配と、さっきまで一緒にいた娘の存在が今日からはいないさみしさとで涙したのが昨日のことのようです。今、3年間の歩みを経て、心も体も見違えるようにたくましく成長した娘を見ると、あの時の自分の心配は全くの杞憂でした。皆様方も同じお気持ちなのではないでしょうか。

 娘が敬和への進学を決めたのは中3の秋、オープンスクールでした。帰り道、校門へと続く坂道を下りながら娘は私に言いました。「私、ここなら輝ける気がする」と。中学時代、下を向いて過ごすことの多かった彼女が、しっかりと顔をあげ目をキラキラと輝かせながら、はっきりと自分の気持ちを伝えてきたあの光景を、私は今も忘れられません。

 入寮も本人の希望でした。「自分を変えたい、変わりたい」と強く願っていた娘。オープンスクールでの聖書の授業や、活躍する先輩方の姿から、自分の願いがここ敬和では叶うであろうと感じたようです。敬和での3年間を経て、娘は自身の願ったとおり見違えるように成長しました。昔の姿が嘘のように、明るく前向きに、様々なことに自らチャレンジする人に変わりました。学年行事の委員や声楽部の部長など大きな責任を伴う仕事にも真剣に向き合い、困難も乗り越えてきました。

 娘が変わることが出来たのは、言うまでもなく寮生活のおかげです。「寮の不自由さと不便さがあったからこそ、他者の存在のありがたさに気づけた。」と娘は話してくれました。自分を気にかけ優しく接してくれた先輩。ありのままの姿を認め、うけとめてくれる同級生。慕い、頼ってくれる後輩。そして生徒を信頼し、壁にぶつかった時には真摯に話を聞き寄り添ってくださる先生方……。このような素晴らしい人的環境の中で過ごせたことが娘を大きく成長させてくれました。

 寮にはミーティングの時間も多くありました。自分の意見を言うのが苦手だった娘ですが、自分の意見を伝える術だけでなく、相手の話に耳も心も傾けて聴く姿勢、意見が違った時にどう折り合いをつけるのか、といった「対話力」が鍛えられました。今の若者に足りないと言われているこの力は、直接顔と顔を合わせて話をする場を大切にするのぞみ寮の教育だからこそ、生徒たちに身につく力なのだと強く思います。

 また、進路を決める際にも、ここ敬和で過ごしたからこその気づきが活かされました。「人はどんなに良い種を持っていても土が合わなければ芽を出すことも成長することも出来ない。私は敬和にきて、身をもってそのことに気づいた。自分も、悩める人がその人らしく生きられるサポートをしたい」と福祉の方に進路を決めました。敬和に来なければ開かれなかった道です。今の娘にはふさわしい進路であると思っています。敬和への進学を決めたあの時の中3の娘に拍手を送りたいです。

 さて、54回生にとって寮生活最後の1年の幕開けは「寮の合併」でしたね。皆さんにとって、とても大きな出来事だったことでしょう。

 先生方が1年以上の準備期間を設けて下さり、皆さんも心の準備をしてきたはずですが、いざ合併となると多くの困難にぶち当たり、複雑な心境で過ごす日々が続いたことでしょう。しかし1年が経ち、新しい体制の中で皆さんは新たな「大望館」、新たな「めぐみ館」の伝統を築き始めています。娘はこの出来事を振り返り、「いろいろな人と過ごす中で、今まで知らなかった相手のことを知ることが出来たし、自分の新たな一面にも気づくことが出来た」と語ってくれました。たとえ困難な状況の中でもそこに光を見出そうとする姿勢は、娘だけでなく、寮生皆さんが、この寮生活の中で培った素晴らしい力です。この力は今後の人生で皆さんを助け、大きな強みとなることでしょう。

 先日私の手元に届いた「のぞみ寮通信」の中で1年生が、「優しかった3年生の存在が自分にとってのよりどころだった。自分もそんな先輩になりたい。」と記していました。54回生も、52、53回生からそのように育ててもらったからこそ後輩にもそれを返していける。「優しさのバトン」が次世代へと渡されていくことが、のぞみ寮の素晴らしい伝統を築き上げているのだと、54回生の3年間の成長の姿から感じました。諸先生方、54回生を「他者のために自分の力を注ぐ人」に育てて下さり心から感謝いたします。54回生にとってここで過ごした日々全てが、かけがえのない宝物です。この素晴らしい「のぞみ寮教育」が今後も続いていくことを願ってやみません。

 最後に、明日、この敬和学園高校を巣立ち、それぞれの選んだ道を歩きはじめる54回生の皆さん。みなさん一人ひとりが光の中を歩いて行けますよう、心よりお祈りいたします。敬和でのすべての出会いに感謝いたします。修了、本当におめでとう!

 

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大望館生全員集合!~54回生を囲んで~

 

 

 

~3年生から後輩へ ラストメッセージ~

 

「寮に入ってよかった」  M.K(3年・新潟県)

  私がのぞみ寮を選んだのは、自分を変えたいと思ったからでした。寮に入れば、関わったことがない人達と共同生活をするわけなので、多くのコミュニケーションがとれ、その中で自分とは違う価値観を学べると考えたからです。

 入寮当初の私は、今にも増して心配性な上、考え方にも偏りがありました。そのため、「変な人だと思われないか」や、「誰かを傷つけてしまってないか」など、心配ばかりしていました。そこまで心配しなくても大丈夫なことだと分かっていても、それでも心配してしまうことに、とても疲れを感じていました。

 そんな時、私に「気にしているほうが変だよ。確認しなくても大丈夫。」ということを教えてくれた先輩がいました。そんな風にはっきり物を言う人が周りにいなかったので、とても衝撃だったことを覚えています。しかし、はっきりと言われても1ミリも傷つきませんでした。それは、その先輩が私に対して真っすぐに向き合ってくれたからだと思います。それまで、気を遣ってくれる友達はいたけれど、指摘してくれる人はいなかったので、とても新鮮で嬉しかったです。その先輩はよく私の相手をしてくれていたので、その先輩のアドバイスが私を変えるきっかけとなりました。

 また、入寮してしばらくたったころ、同級生と衝突したこともありました。様々なことで衝突した時、私は「悪いことばかりではない」と思えるようになりました。衝突することで、相手の考え方や感情の動き方を知ると同時に、自分の考え方や感情の動き方をどう伝えたら良いかを知ることができました。「相手と理解し合えるチャンス」と思えるようになりました。それでも迷惑をかけたと思い反省しています。

 学校生活が苦しかったこともあります。私は「手を抜く」ということができなく、自分にも他人にも完璧を求めすぎていたのです。今は、「他人に求めすぎていたな」と思いますが、その時はたくさんイライラしました。決め手はフェスの応援練習でした。私は先輩にサポーターとして選んでもらったため、「期待に応えないと」と頑張りました。しかし、「与えられた役目もこなせない」と、申し訳なさでいっぱいになり、悩みで頭がいっぱいになった私は家に逃げました。フェスティバル本番は参加できず、夏休み含めて1.5カ月ほど休みました。しかし、この長い休みを通して、私は「手を抜く」ということを少し覚えました。自分が100%頑張って、他人に100%でいて欲しいと考えても無理なこともあると気付いたからです。そして、常に100%で頑張り続けては、すぐにスタミナが切れてしまうという自分に気付くことができました。

 3年生では、「欠席日数に気を付けよう」と思っていた矢先、また休みました。56回生の皆、いつも出迎えてくれたのに、答えてあげられないこともあって、ごめんね。休まないように一番気を付けたはずなのに、一番休んだ年でした。それでもここまで来ることができました。ありがとう。

 この3年間で、私は変われたと思っています。今日まで寮を辞めずに自分と向き合ったこと、多くの人の価値観を知り、視野を広げられたこと、そして何よりも、いつも笑顔で出迎えてくれて、疲れた時は支えてくれた皆がいたからだと思います。

 本当に寮に入ってよかったです。54回生のこのメンバーだったから知ることができたことたくさんあります。のぞみ寮に入らなければ見られなかった景色を見ることができました。たくさん迷惑をかけてしまったこと、ごめんなさい。それでも、皆のおかげで今の私がいます。本当にありがとうございました。

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めぐみ館54回生集合写真

 

 

「人を頼り頼られる人に」  S.S(3年・栃木県)

  自分が今、ラストメッセージをしていると思うと、感慨深いものがあります。

 さて、この4年間を振り返って、私はたくさんの人に助けられてきた4年間だと思いました。1年生の頃の私は、自分の性質との付き合い方がまだ分かっていませんでした。そのせいでたくさんの人に迷惑をかけ、たくさんの人に助けられました。

 私はこの敬和学園に53回生として入学しました。53回生はコロナの影響で異例の6月入学でした。4〜5月は休校となり、ようやく迎えた入寮日。光風館に到着した際、私を出迎えたのは一風変わった格好をした先輩で、先輩たちの独特な歓迎には少々驚きました。初めての経験で、その場の雰囲気がジョークなのか本気なのか判断がつかず、少し戸惑いを感じたものです。

 敬和の生活の最初は、だんだんと根拠のない自信に溢れていき、周りの人に横柄な態度を取るようになっていきました。人間関係がうまくいかないことから現実逃避をはじめ、妄想が激しくなりました。周りが全員敵に見え、とても怖かったのを覚えています。楽しいことももちろんありましたが、私の人生の中で最も苦しい時期だったと思います。

 そして、54回生として敬和に戻ってきました。私は53回生の出来事を反省し、「独りよがりな自分を少しでも直そう」と先生に自分の性質を共有し、自分の状態を定期的に報告しました。心配なことがあれば先輩に相談したり、逆に相談に乗ったりもしました。それでも調子を崩してしまうことがあり、1年生の修養会ではトレッキングリーダーをやっていたのに無責任にも参加せず、2年生のフェスティバルでは逆に気分が落ち込み、何事に対してもやる気が起きなくなる状態になってしまいました。そこでも周りの人にたくさんの迷惑をかけ、たくさん助けられました。それでも時間が経っていくにつれ、私は周りの意見を聞くようにし、少しでも客観的に自分を見ることで心の反動を小さくしていきました。少しは私も成長したということだと思います。

 私の話から伝えたいことは三つあります。一つ目は敬和での生活を通して、自分自身の性質を知ってほしいということです。色々な出来事や周りの意見によって自分の直すべき所だけではなく、自分の良いところも知ることが出来るからです。二つ目は自分で悩みなどを抱えすぎず、相手には迷惑かもしれないと思っても頼ってみるべきだということです。自分の弱さを打ち明けることで、友達はもっと距離が近くなることもあります。三つ目は、当たり前ですが人には得手不得手があるということです。自分の足りない所ばかり見ていても、何かしら人の役に立つ事があるはずです。相手の得意は自分の不得意で、相手の不得意は自分の得意ということはざらにあります。お互いの足りないところを補い合っていくのが人生だと思います。だから皆さんには人を頼り、頼られる人になってほしいと思います。

 皆さんには本当にたくさん迷惑をかけて、たくさん助けられました。私のような者と関わってくれて、仲間に入れてくれて本当にありがとう、皆さんの将来を心から応援しています。

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寮修了証書を受け取り、岩原寮長と握手をするS君

 

 

~3年生へ贈る言葉~

「出会えて良かった」  M.S(2年・新潟県)

  「出会えて良かった」この言葉で溢れた、大好きな54回生との最後のひと時。嬉しいことですが、やっぱり寂しい気持ちでいっぱいでした。

 そう思えたのも、先輩方がたくさんの愛を私たちに注いでくださったおかげです。いつも寮では明るく優しく声をかけてくださったり、辛い時には、そっと手紙を置いてくださったり、一緒に泣いてくださった先輩方。めぐみ館はいつもあたたかい雰囲気に包まれていました。正直、私は54回生のような先輩になれるのか不安です。でも、自分なりの方法で、自分がもらった愛を56回生、57回生に伝えていきたいです。

 「最後の1年はあっという間だ」とよく聞きます。一日一日を大切に、たくさん笑ってたくさん泣いて、寮にいるみんなが、「自分は大切な存在」と感じられる寮をつくっていきたいです。

 

 

 

~寮務教師の一言~

「 神様の愛を感じる風」  男子寮 片岡 自由

 日本は「風が強い国」と呼ばれます。日本周辺で低気圧の発生が多く、高気圧から低気圧に向かって風は吹くからです。風を表現する日本語は150種類を超えます。
 ここ太夫浜は今年、雪が少ない年でしたが、冬は吹き荒れる風で身体の芯から冷えてきます。今年も息が出来ないほどの向かい風の中、友愛館や学校へ向かう寮生の姿がありました。
 私たちに馴染み深い風を、聖書では「神さまの愛を表すもの」と考えます。風は目に見えず、身体で感じるものです。「風は思いのままに吹く(ヨハネ3章8節)」のように、いつどこから吹いてくるかわかりませんが、たしかに風は存在します。これからも風を感じた時、神さまの愛に思い巡らし、寮生と共に生きていきたいと思うのです。



2024年3月18日月曜日

今週ののぞみ寮(53号)2023年度の歩みに感謝します。~閉寮礼拝~

【聖句:マタイによる福音書 6章 26節】

「空の鳥をよく見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。だが、あなたがたの天の父は鳥を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりも価値あるものではないか。」

 

 

 2023年度の終業の時を迎えました。生徒たちを送り出し、安堵の気持ちでいっぱいです。保護者の皆様、敬和学園を、のぞみ寮につながる皆様に励まし、お支えいただきましたこと感謝申し上げます。ありがとうございました。のぞみ寮で出会った仲間たちと、関わることでしか築き合うことの出来ない恵みが多くありました。一人ひとりがかけがえのない毎日を過ごしてきました。様々な感情に、課題にぶつかり、悩みながら、向き合い取り組み続ける毎日でした。一人ひとりの中に糧として、これからの生活の中で大きな力となり、発揮してほしいと願っています。春休みどうぞゆっくりと心と体を休め、エネルギーを充電して帰ってきてください。4月の帰寮を楽しみに待っています。いってらっしゃい。感謝を込めて……。(のぞみ寮教職員一同)

 

 

閉寮礼拝

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誕生者の祝福

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1年間の感謝と新1年生を迎えるために……~有志による友愛館の清掃労作~

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2024年3月12日火曜日

今週ののぞみ寮(52号)「出会えたことに感謝します。~めぐみ館最後の夜~めぐみ館編②」

【聖句:テサロニケの信徒への手紙Ⅰ 5章 16節~18節】

「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。これこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたに望んでおられることです。」

 

 

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 のぞみ寮修了礼拝での祝福の余韻が残る中、めぐみ館では引き続き「めぐみ館修了式」が2年生の進行で行われました。前夜のにぎやかな時とは違い、3年生との最後の夜をしんみりと名残惜しく過ごしました。最後のメッセージを語ってくれる3年生一人ひとりの言葉が、1,2年生のそして私の心を温かく包み込んでくれました。共に過ごした分かち合える仲間だからこそ味わえる恵みの時間であるとあらためて思います。敬和を思い祈ってくださる皆様。そして、3年間お支えいただいたご家族の皆様に感謝申し上げます。

 3年生一人ひとりと担任が、敬和生活の3年間を漢字「一文字」に表しました。毎年、卒業する3年生に考えてもらうのですが、3年間を振り返り1人ひとりの思いがこもった「一文字」です。選ばれた「一文字」を入れて、最後のメッセージを贈ります。

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 コロナの時代を共に過ごした仲間です。めぐみ、みぎわで出った仲間が、今一緒に過ごして1年です。一人ひとりが敬和につながった背景は異なります。けれど私たちは出いました。やっていけるかと悩んだ日もあったけど、敵な時間となったのは、ここで出った人と人との関わりを大事にし、存分に味わったからこそ。今まで出ったことのない人たちばかりで、の扉は開けないつもりだったけど、そうは出来なかった。心を揺さぶられる連続だった。ぶつかること傷つく事をおそれ、今まで避け続けて、目を背けてきたけれども、自分自身の課題として受け止め、どうにかしたいと向き合う覚悟をもった時に、過ごす世界感が変わっていくことを一人ひとりが実感していると私は確信しています。

 どれだけ多くのしさに励まされ続けたことでしょう。ありのままの自分でいいのだと自信をもてるようになり、わることの不安が、チャレンジする意欲となった。誰かのためにと自分の持てる力を発揮し続けたのはあなたたち一人ひとりです。上手くいかないことも多く、大変だったけれど、大きく変わるチャンスであることを実感できた3年間でしたね。出来事一つひとつが大きなでした。

 飲み込まれそうになる辛い日々を乗り越えられたのは、どんな時も裏切らず、待っていてくれた信じられる仲間の存在があったことを、卒業の節目の時にようやく気付くことができたのは、神様の大きな恵みなのだと私は思います。
 

先輩に、後輩に恵まれて、たされ続けた。喜び、幸せ、充実感でみたされた3年間。

チャレンジすることが怖くなった時、背中を押して、励まし、えてくれたのは、ここで出会ったみんなの存在でしたね。励まし、えられていることを直な気持ちで受け入れることが出来た。分かち合える仲間がいる安感。私が、私でいいのだということ。安した仲間と過ごせる寮生活で、ぐっすりとること、朝、昼、晩 3食の食事をしっかり食べることで、心と体は強く、たくましく、そして心に余裕と柔らかになったことを一人ひとりが実感しているはずです。

、一み続けた3年間を糧として、生きる力、考える力を育み続けきました。敬和での一つひとつの出来事を今後どう活かし羽ばたいていくのか、楽しみに過ごしています。すべての事がつながって私たちは今ここにいます。大丈夫!大丈夫!

 これからはじまる新しい場所での出いの中で、慌てることなく、流されることなく、自分の歩幅でんでいくことができると私は確信しています。焦ることはありません。人のことはえられない。自分のことはえられる。誰かを攻めたり、傷つけたりすることからは、幸せはみつけられません。誰かのために、自分のもつ愛を、伝え続けてほしい、誠実にみ続けてほしいと願い続けいます。

 「敬和は良かった」と縛られることなく、食事は、味わい、しっかりと食べて、順調でない人生を不器用にんでほしい、敬和のみを糧として、目の前のことにあるその先の恵みを信じつつながる人生をんでほしい。みなさんの幸せを心から祈っています。出えたこと感謝します。ありがとう。

 今日からあたらしい旅が始まります。いってらっしゃい。卒業おめでとう!!(小菅)

 

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「3年生敬和生活最後の夕食」

*お赤飯

*さつま汁

*鶏の唐揚げ・菜の花和え

*茶碗蒸し

*デザート

※3年生と食卓を囲む最後の夜。会話を楽しむ、にぎやかな声が友愛館に広がっていました。



2024年3月11日月曜日

今週ののぞみ寮(51号)「3年生ありがとう!! めぐみ館編①」

【聖句:詩編 133編 1節】

「見よ、兄弟がともに座っている。なんというめぐみ、なんという喜び。」

 

 卒業の祝福の日が来ました。3年間の月日を思います。自宅学習期間を終えて、ひと月ぶりに帰寮した3年生の姿にうれしくなりました。一人ひとりの出来事があり、一緒に悩み、喜び、喜怒哀楽の感情をストレートにぶつけ合ってきた恵みをあらためて振り返っています。悩んだ分だけ、心が豊かにやさしくなり、歩み続けてきた3年間です。出会えたこと、感謝の気持ちでいっぱいです。”ありがとう!!

 1,2年生たちは、大好きな3年生の卒業の祝福のために、このひと月準備を進めてきました。「めぐみ館3年生を送る会」は、3年生と笑い声が響きあい、にぎやかな時間でした。一緒に「3年間を振り返る、神経衰弱」ゲームは、大盛り上がり!いつも生徒たちの発想には、驚かされます。また、手作りスイーツで3年生をおもてなし。スイーツ名人の2年生たちが心をこめて作っていました。見事な出来栄えにみんな大歓声。おいしくいただきました。3年生の喜んでくれたことがなによりうれしい1,2年生たちでした。心和む、幸せな恵みの夜でした。(小菅)

 

 

~めぐみ館3年生を送る会~

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(2年生撮影)