2025年6月25日水曜日

今週ののぞみ寮(17号)「沖縄『平和の礎』名前を読み上げる集い」

【聖句:マタイによる福音書5章9節】

「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。」

 

 

 6月も下旬を迎えた週末、のぞみ寮本部では有志の生徒・寮スタッフが集まって、6・23「沖縄 慰霊の日」を憶えながら、沖縄本島の最南端にある「平和の礎(いしじ)」に刻まれた戦没者の名前を読み上げるプロジェクトに参加しました。今年で4年目となるこのプロジェクト、始まった時はわずか3人のボランティアしかいませんでしたが、徐々に認知度が高まり、最近は海外からも参加者が増えています。

 のぞみ寮では、昨年に続いて参加してくれた人、また今年が初めてで間違えないか緊張しながら参加した人など、志の背景にあるものはそれぞれ違いましたが、80年前の戦争で亡くなった一人ひとりの命を憶えながら、5名の生徒と3名の寮スタッフ、計8名で協力して兵庫県と福島県の戦没者約1000人の名前を丁寧に読み上げていきました。よく考えてみると、今回の取り組みで読み上げたのは全戦没者のほんの一部でしかないにもかかわらず、それでも敬和学園高校の全校生徒約2つ分に匹敵する命が失われた計算になる事にゾッとしました。戦争というものがどれほどの力で人々を巻き込んでいくのか、また先の戦争から80年が経過した今も、ロシアやウクライナ、イスラエルやイランなど世界のあちこちで、かけがえのない命が危機に晒されている、そんな危機的なニュースがどこか他人事のように飛び交うこの社会の異常さ、そしてそんな今だからこそ、改めて一人ひとりが平和について考え、自分のできる事を小さくても実践していく事が求められると強く感じました。(野間)

 

以下は参加してくれた生徒の感想です。

 「今回、沖縄戦没者 名前の読み上げプロジェクトに私も参加できた事に感謝します。私が今回の読み上げで注目した事は『関心』です。読み上げは最初、3人のボランティアから始まった事を知りました。それがどんどん人々の関心を呼び、国内外問わず多くの参加者が集まったのです。しかし、その関心を呼ぶことは本当に難しいということも今回の読み上げを通して学びました。

 読み上げは楽しいものではありません。自分の知らない故人の名前は、特に若い世代にとってはあまり興味がないことだと思います。私が参加するにあたって、友人に声を掛けてみても、みんなあまり乗り気ではありませんでした。それでも、のぞみ寮を代表して5人の生徒が名乗り出てくれたこと、それは大きな一歩だと思うのです。何事も関心がないと始まりません。人の心を動かし、関心を集めることが難しい中でも、5人の生徒が集まってくれて本当に嬉しかったです。

 この『関心』を常に持ち続け、自身の周りだけでなく、視野を広く持ち、他者のために尽くせる人物になりたい。そう感じさせられた読み上げでした。」(3年生S・Mさん)

 

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 「去年に続いて2回目の参加をさせていただきました。今回も数多くの戦没者の名前を読み上げている中で、なぜこんなに人が死ななければならなかったのか、回避できる戦争ではなかったのだろうかと思っていました。亡くなった方の年齢の中で0歳という、若いというかそれ以前の歳で亡くなっているのを見て、一体何のために生まれたのか、それさえも分からない、何も知らない、知ることもできない、そんな子どもが戦没者の中に入っていることがとてもショックでした。兵庫県・福島県から駆り出された兵士たちも、最期に何を思って死んでいったのか?国への恨みなのか、家族への後悔、死への恐怖だったのか、それすら私たちには知ることができません。しかし、そんな私たちでも、二度とこんな悲惨な事を起こさないために声を出して、あんな事を二度と許してはいけないと主張し続ける事ができる。それが戦争で亡くなっていった人たちの代わりに私たちができる事だと思います。

 今の日本は、戦争こそ起こしていないけれど、平和と言い難い状況になっていると私は思っています。今の政治が落ち着いて、少しでも平和に近付く事ができるよう祈っています。」(3年生E・Mさん)

 

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2025年6月19日木曜日

今週ののぞみ寮(16号)「フェスティバル期間・物産展」

【聖句:詩編126編5節】

「涙と共に種を蒔く人は喜びの歌と共に刈り入れる」

 

 

 フェスティバルを無事終えることができました。のぞみ寮も物産展を通してフェスティバルに参加し、保護者の皆様、また敬和につながる多くの方々と交わりの時をもつことができました。物産展には、寮生の保護者の皆様が送ってくださった全国各地の名産品が所狭しと並びました。敬和にいながら各地の味や文化を感じることができるのは、本当にのぞみ寮ならではだなと感じました。沢山の品々と共に、お心遣いや応援の気持ちを寄せていただき、本当にありがとうございました。皆さまのご協力のおかげで、物産展も大盛況のうちに幕を閉じました。

 

 フェスティバル期間中、寮内でも生徒たちはダンスの練習を先輩・後輩で教え合ったり、チーフや本部員たちが試行錯誤を重ねながら準備を進めたりと、それぞれが一生懸命に取り組んでいる姿が見受けられました。フェスティバルを終えて寮に戻ってきた生徒たちは皆、達成館に満ちた表情をしていました。フェスティバルという大きな行事をやり遂げたことで、生徒たちはまた一つ成長したのだと感じています。(神﨑)

 

(※フェスティバルの様子は、学校のHPに掲載される予定です。)

 

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~フェスティバル2日目の朝ご飯の様子~

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2025年6月10日火曜日

今週ののぞみ寮(15号)「チームビルディング・ワークショップ」

【聖句:コリントの信徒への手紙一13章2節】

「たとえ、預言する賜物を持ち、あらゆる神秘とあらゆる知識に通じていようとも、たとえ、山を動かすほどの完全な信仰を持っていようとも、愛がなければ、無に等しい。」

 

 5月22日(木)第一定期テスト最終日の夜、2年生を対象に「チームビルディング・ワークショップ」を実施しました。今回は、再会株式会社 道下仁志さん(本校38回生卒)を講師としてお招きしました。ワークショップでは株式会社リアセックの「ライフタイムバリューカード」を使い、寮生一人ひとりが大切にしている価値観を選び出して、少人数のグループで共有しました。その後、男子寮・女子寮に分かれて「寮生活で大切にしている要素」について話し合う機会も設けられました。2年生は定期テストで疲れが出ているようでしたが、グループで話し合いを重ねていく内に、笑顔になっていった姿が印象的でした。

 寮生活ではコミュニケーションの大切さと難しさを経験していきます。誰かと一緒に生活することは、楽ではありません。自分の都合が優先されるのではなく、我慢する時も必要です。また、自分の主張が全てではなく、相手の考えを聴くことも求められます。しかし、それは互いを尊重することに繋がってくるのです。自分と同じ人がいないから考え方が違って当たり前。一人ひとりの存在と賜物を活かし、違いを認め合って愛を持って共に歩んでいくことを、敬和学園のぞみ寮は目指しています。

 夏休み明けには世代交代が始まります。少し早いかもしれませんが、その世代交代を見据えて「チームビルディング・ワークショップ」を初の試みとして成功できたことを嬉しく思います。これからも57回生の歩みを見守り、励ましていきたいと思います。(片岡)

 

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2025年5月30日金曜日

のぞみ通信 2025年5月29日 第298号

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題字 めぐみ館3年 S.Kさん

 

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寮祭大成功!達成感と安堵感の表情を浮かべる寮生!

 

 

 

「 共に食し、共に歌い、共に祈る 」  寮長 野間 光顕


「主に向かって喜び歌おう。救いの岩に向かって喜びの叫びをあげよう。御前に進み、感謝をささげ 楽の音に合わせて喜びの叫びをあげよう。主は大いなる神 すべての神を超えて大いなる王」(詩編95:1-3)

 

 私が一昨年前まで住んでいた沖縄では、毎年4月に「清明(シーミー)」というお祭りが行われます。お祭りと言っても神輿や屋台が出るのではなく、県内に点在するお墓の前で家族・親族一同が集まり、先祖の霊を覚えつつ感謝と鎮魂の祈りを捧げ、共に食事をし、三線を奏でながら共に歌い、最後はみんなでカチャーシーを踊る…。元々は中国から伝わった文化らしいですが、80年前の沖縄戦で親族を亡くした人が多くいる沖縄では、4月に行われるこの清明祭が島に集う命を憶える、大切な機会となっているように思います。
 一方、のぞみ寮でも4月下旬に上記の清明によく似た?大切なイベントとして「寮祭」が行われます。今年も4月最後の土曜、PTA総会や寮の保護者会総会が終わった後、友愛館を会場にした立食パーティでは生徒・保護者・教職員関係者総勢200名近い参加者が集い、盛況でした。その後はチャペルに会場を移し、お楽しみ会・礼拝と続きました。入寮して間もない1年生は、寮祭のメインとも言われるお楽しみ会の主役を務めることとなるので大変です。大勢の前でダンスや一発芸などを披露するのが大好き!という元気な人もいれば、そんなスポットライトを浴びたことがないと不安を覚える人も多くいます。
 しかし、そんな1年生の大切なデビュー?を全力で支えてくれるのが心強い先輩たち、2・3年生の存在です。一緒に生活を始めてまだ1ヶ月も経たない中で、出演する一人ひとりに光が当たるよう工夫されたシナリオを作成し、演技指導から舞台設営までの全てを1年生のために尽くしてくれた2年生。そして、その1年生がステージに立ちやすいよう、最初にチャペル内の雰囲気を温めてくれたのが3年生を中心とした運営委員長のメンバーです。
 私たち寮スタッフも、それぞれ立場が変化した生徒たちの様子を見ながら迎えた4月末。この大きな課題を乗り越えてほしいと祈りつつ過ごしていますが、そんなみんなの想いが凝縮されたかのように、今年も寮祭のお楽しみ会は素晴らしい盛り上がりとみんなの笑顔、そして生徒たちそれぞれが持つ個性が花開く時となりました。
 寮祭の最後は、この素晴らしい時と繋がりが与えられたことへの感謝を憶えながらみんなで祈る時、礼拝を捧げました。今年は、以前寮務教師でもあった数学科 青栁希望 先生をお招きしました。ご自身も学生時代に寮生活を経験されたことから、異なる人格が集まり、共に生きることの意味、この時代における重要性を分かりやすく語って下さいました。
 すべてのプログラムを終え、フィナーレに「のぞみ寮讃歌」を全員で唱和している時の和やかなチャペル内の空気、一人ひとりの表情に表れる達成感と自己肯定感が、今年ものぞみ寮に揺るがない土台を生み出してくれました。ここからまた新しい歩みを始める、のぞみ寮生たち。その成長と活躍の物語にご期待とご加祷をお願いいたします。

 

 

 

 

~寮祭の礼拝より~

「 私は細胞 」  青栁 希望 先生(数学科)

 私もかつて寮生だった経験があります。YMCAというキリスト教関係の団体が運営する学生寮で大学の4年間を過ごしたのです。YMCAの寮ということで、キリスト教がベースにある学生寮という点がのぞみ寮と共通しています。大学入学当時は一人暮らしを希望していたため、本意ではない形で寮生活をスタートしたのですが、今にして振り返れば、その寮での出会いが私を教会や敬和学園高校の教職へと導いたのでした。そこには神様の不思議な導きがあるのだと感じずにはいられません。

 皆さんの中にもひょっとしたら寮に入ることをあまり望まずに入寮された方もいらっしゃるかもしれません。しかし、皆さんも神様の不思議な導きによって、のぞみ寮生として集められたのだと思います。そして、そこにはきっと何らかの意味があるのだと思います。のぞみ寮に導かれた意味がわかるのに、もしかすると時間がかかる人もいるかもしれません。何十年も経ってからようやくその意味がわかる人もいるかもしれません。神様の計画とは不思議なものです。

nozomi298_02 私は自身の寮生活を通して、自分以外の他人と暮らすということは小さなルールを構築し、積み上げて、互いの暮らしやすさを向上させていく営みなのだと理解しました。しかし、みんなが納得できるルール作りというのは、実際はなかなか難しいものです。誰かにとって快適なルールは、別の誰かにとってはストレスを感じるものかもしれません。そもそも他人と一緒に生活するというのは、本来ものすごくストレスフルで面倒なことです。なぜなら、皆が過ごしやすい環境をつくるためには、それぞれがちょっとずつ自分の価値観や考え方を犠牲にして、互いに歩み寄ることで少しずつルールを構築していくという作業を経なければならないからです。そこには時間も労力も費やさなければなりません。でも、時間も手間もかかるからこそ、だんだんと相手のことがわかってくる。相手のことがわかってくると互いの価値観や考え方も歩み寄っていく。この歩み寄りを繰り返すことを、私たちは「成長」と呼ぶのだと思います。

 人間の体は細胞分裂によって成長しますが、内面の成長についてもまた同様であると思います。自分自身の内側にあるものだけでは人間は成長できません。細胞と同じように、自分の内側に無いもの、体験や刺激によって、あるいは自分の中にはなかった価値観や考え方に触れることによって、はじめて内面的な成長が起こります。のぞみ寮には、そのような成長の機会がたくさん用意されています。自分の価値観では理解できないような他者との出会いを通して、感情を揺さぶられ、それまで正しいと信じ切っていた自分の価値観が時に破壊され、そうやって最終的には一回り大きな自分になるのです。まさに細胞分裂と同じメカニズムです。

 はじめは受け入れられなくても、共に過ごす中でいつしか相手の価値観を理解して、互いに歩み寄って、受け入れ合っていく。そういった経験は、私たちに「寛容さ」という成長をもたらします。自分に理解できないものをただ排除するのではなく、様々な価値観を柔軟に受け止めようとする「寛容さ」は平和を作る礎となるものです。

 のぞみ寮で暮らす皆さんは、本当に毎日大変な思いをしながら、苦しみながら日々を送っているという人もいらっしゃるかもしれませんが、それは今まさに細胞分裂の最中だからだと思います。様々な刺激を受けて、自分という細胞が破壊されて、そして一回り大きくなる。今は大変かもしれませんが、いつの日か本当に成長した自分の姿に気づいて、のぞみ寮に導かれた意味、今この場所にいることの意味がわかる日が必ず来るはずです。

聖書 コリントの信徒への手紙一3章6節

「わたしは植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神です。」

 みなさんは導かれてのぞみ寮に集められました。そして、日々闘いながら、少しずつ成長しています。それはすべて神様の計画の一部なのだと思います。私たちが成長することを誰よりもお喜びになるのが神様です。神様は私たち一人ひとりのことを愛し、大切に思ってくださっています。私たちは一人残らず愛されている、だからこそ私たちには成長の機会が与えられているし、私たちもそれに応えて成長しようとするものでありたいと願います。

 

 

 

 

 

寮生リレー

 

「 チャレンジし続ける! 」  S.A(めぐみ館1年・新潟県)

 入寮して2ケ月が経ち、一番印象に残っていることは「寮祭」です。1年生は、2年生がプロデュースしてくれた「劇」をしました。劇中にはダンスや歌などもしました。私は、劇の練習期間がとても思い出深いものになっています。

 最初に台本やダンスの動画を見たとき、正直「台詞を全部覚えられるだろうか?こんなに難しいダンスを踊れるようになるだろうか?」と、不安な気持ちでいっぱいでした。練習期間の1週間、平日は毎日練習に励みました。自分より周りの友だちが出来ていると焦った時もあり、「大変だなぁ」と何度も感じ、私にとって寮祭の準備期間は楽しいものとは言えませんでした。

 迎えた寮祭当日、私は緊張の中で出来る限りダンスや歌を披露しました。不安だった振付やリハーサルの時あまり上手くいかなかった部分が、本番では1年生がひとつになって遥かに良くなっていました。寮祭が終わった後、私は「頑張って良かった」と思ったと同時に、とても達成感を感じました。難しいことにも手を抜かず、諦めずに続けたからこその結果だと考えます。

 この経験から、私はこれからの日々の中で「何事もまずやってみること。困難に思えることであっても諦めずに頑張り続けること」を常に心に留めて、のぞみ寮の生活で「自分探し」をしていきたいです。

 

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個性溢れる自己紹介を披露した女子寮生!

 

 

「 寮で感じたこと 」  E.S(大望館1年・新潟県)

 寮に入ったばかりの時、私は「家とは全然違う」と思って、寮を辞めようと思いました。しかし、ちゃんと先輩と話してみたら思ったよりも喋りやすく感じて、楽しいと思えるようになりました。その生活の中で先輩に挨拶をして、人との関わり方や相手をリスペクトすることを学びました。入寮して今までを振り返ることで、寮の大変さや楽しさをさらに感じることが出来ています。

 寮祭の準備期間でダンスは出来なくて、ちょっとずつ覚えていこうと思って、みんなで頑張りました。

 リハーサル1回目は、緊張して声が出ていなかったと先輩が教えてくれました。2回目はみんなも慣れてきたようで、学年としてまとまったと感じました。そのように大変でしたが、一発芸を極めていこうと思いました。最初に考えた一発芸は、先輩にダメ出しされました。悩みながらYouTubeで調べていたら、ニャンちゅうを見て「これだ!」と思いつきました。顔を黄色・赤色・白色に塗り、ニャンちゅうのコスプレをしました。初めは少しイヤだったけど、やってみると案外楽しくて、寮祭本番では「耳かきが気持ち良すぎるニャンちゅう」をして、ウケたので安心しました。

 寮祭を通して、仲間との繋がりと自分自身を出すこと、先輩との繋がりを感じることが出来ました。寮祭の経験は今後の学校行事で活かすことが出来ると思います。また、友達や先輩と気軽に話せるようになってお互いを知ることが出来ました。

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ダンス直前 ステージで気合いを入れる男子寮生!

 

 

 

「 私を先輩にしてくれた1年生との出会い 」  M.K(めぐみ館2年・群馬県)

 昨年度3月、初めての後輩が出来ること、先輩になることが楽しみでしたが、それよりも緊張や不安が勝っていました。それは先輩たちに「2年生が一番大変だからね」と話を聞いていたからです。

 初めての後輩、どんな子たちが入寮してくるのか分からないし、先輩になるという実感もないまま、不安で押しつぶされそうでしたが、私が1年生の頃に優しく接してくれた先輩たちのことを思い返してみました。先輩に優しくしてもらった時、親と離れて寂しかった思いや「友達ができなかったらどうしよう」という緊張感が無くなったのを思い出しました。「2年生の私より、親元を離れて不安な1年生の方が緊張しているから、私がしっかりしなくてどうするの!」と自分を奮い立たせて、新1年生の入寮日を迎えました。

 1年生はみんな朗らかに、笑顔であいさつをしてくれて、寮内が明るくなった気がしました。私たち2年生と1年生は寮祭に向けての活動でたくさん関わることが出来ました。演技・歌・ダンスをする時、みんな真面目に楽しんで取り組んでくれて本当に嬉しく、2年生と1年生の絆が生まれた気がしました。

 寮祭を終えてからの週末の夜は、体育館でみんなでバドミントンをしたり、映画を観たり、たくさん話もするようになりました。出会ってまだ少しですが、思い出が増えていくことがうれしいです。これからも1年生のみんなとたくさん関わり、思い出を作っていきたいです。

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良い雰囲気と綺麗な歌声で礼拝を共に守りました!

 

 

 

「 人との繋がりの大切さに気付くGW 」  T.S(大望館2年・千葉県)

 後輩が入ってきて寮の雰囲気も少しずつ変わってきました。最初は「どんな子たちが来るんだろう?自分が先輩として関われるのか?」と不安な気持ちもありました。一方で、新しい出会いにワクワクする気持ちもありました。「どんな会話で盛り上がるのか?これから一緒にどんな想い出を作ろうか?」を想像すると、楽しみで期待も生まれました。

 今年のGWは、寮で過ごす仲間と一緒に、想い出に残る時間を過ごしました。普段では出来ないような、ゆったりとした時間や交流の機会があって、のぞみ寮ならではの充実した連休となりました。ピクニックは外で食べるカレーライスが美味しく、お喋りも楽しく、天気も良くて自然が広がる公園でリラックス出来るひとときでした。

 また、みんなで銭湯に行ったことも印象に残っています。広いお風呂でゆっくり体を休めて、帰りのバスの中で男子寮の大合唱が始まって、いっぱい笑いました。その他にもイオンに買い物へ行ったり、夜のBBQ・花火をしたり、映画を観たりとバラエティに富んだGWになりました。

 のぞみ寮のGWは、ただ遊ぶだけでなく、仲間たちとの絆がより深まったような気がして、その中にある「人との繋がりの大切さ」に気付く出来事にもなりました。僕はまだまだ頼りない部分も多いけれど、少しでも後輩たちに安心してもらえるような存在になれたらいいなと思っています。これからも共に過ごす中で、自分自身がもっと成長できるように努力していきたいです。

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GW行事ピクニックで心落ち着く時間を過ごしました!

 

 

 

 

「 自律的に行動できる人へ 」  I.S(大望館3年・神奈川県)

 今年度の寮祭は「のぞみっしょんいんぽっしぶる」というテーマの元で開催されました。このテーマには「一見不可能に思えるようなことでも、仲間と力を合わせて挑戦すれば達成できる」というメッセージが込められています。

 寮祭の出し物は運営委員長による劇、女子寮1年生による劇で自己紹介とダンス、男子寮1年生による一発芸とダンスの三本立て。それぞれのグループが自分たちの個性を活かし、劇ではストーリーや演出の工夫が光り、男子寮の一発芸とダンスでは会場を笑いと驚きで包み込みました。

 寮祭当日、行事委員会で司会進行を担当しました。司会進行の企画・準備は大変でしたが、僕は行事委員長として、仲間と何かを作り上げることの楽しさを改めて実感し、みんなの前向きな姿勢に多くの力をもらいました。何よりみんなの笑顔と笑い声が溢れる空間を共有できたことが一番の喜びです。

 今年、僕は3年生となり、最後の敬和生活を迎えます。この大切な1年間、これまで以上に自分の行動や言動に責任を持ち、自律的に行動できる人へと成長していきたいと強く思っています。これまでは周囲に支えられながら行動することが多くありましたが、これからは進路のこともあり、自分自身で物事を判断し、必要な行動を自分の意思で選び取っていけるよう、意識して過ごしていきたいです。

 行事委員長として、先輩として、フェスティバルをはじめとする、これからの行事に全力で取り組んでいきたいです。

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トップバッターで会場を盛り上げてくれた運営委員会!

 

 

 

~礼拝のお話~

「過ごさなければわからないめぐみ館の恵み」  T.R(めぐみ館3年・新潟県)

 みなさんは、なぜ敬和に来ましたか?敬和に来てどうですか?私は、正直“キリスト教”とマイナスのイメージを抱えたまま、行きたい高校もないまま、敬和に来ました。のぞみ寮へ入寮、私の意志はもちろんありましたが、親の希望の方がはじめは大きかったです。寮に入る前は、家族とぶつかることが多かった私ですが、入寮してから家族との関係がすごく良くなりました。帰宅した時は、家族と話しが弾むようになり、一緒にテレビを観たり、たまに出掛けたりと、すごく楽しいです。家族と少し離れた方が関係性が良くなるなんて少し変だと思いますが、のぞみ寮に入寮したからこそ気付けたことだと思います。いろんな家族の形や在り方があると思います。

 寮に入って生活してみて思ったことは、普通に良い所ということです。他人と一日のほとんどを一緒に暮らすなんて、バツゲームみたいと思っていましたが、話すことが大好きな私には、打ってつけな所でした。でも、一日中だからこそストレスや楽しいこともありますが、自分の性格や他者の良い所、得意なこと・苦手なこと、面倒くさい所など、仲間の性格をたくさん知れことは良いなと思います。生活面でも、まぁまぁ自立できて、今後に役立つことが多いと感じています。

 結論、寮は良い所。自分以外の決めた道も案外いいなと思えるようになりました。家族は大切です。入寮したばかりの1年生も仲間と過ごしながら感じていってほしいです。

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GW行事BBQにてマシュマロサンドを堪能!

 

 

「 自分の努力が形になった 」  O.K(大望館2年・新潟県)

 みなさん、寮祭お疲れ様でした!2日間の休日で疲れは取れましたか?明日から学校なので、気持ちを切り替えていきましょう!

 みなさんは、何か努力したことがありますか?

 敬和学園に入学したばかりの頃、僕は勉強にあまり真剣に取り組んでいませんでした。そのため、僕は1年生の途中で苦労する羽目になりました。新しい学校生活にワクワクして、友達と遊ぶ時間が楽しくて「勉強はそのうちなんとかなる」と心のどこかで思っていました。

 最初の定期テストで思い知らされました。思った以上に難しくて全然点数が取れなかったのです。答案用紙を見た時、「このままではダメだ」と心から思いました。でも、同時に「今さら頑張っても、もう遅いのではないか?」と弱気な気持ちにもなりました。

 そこで、僕は友達に相談してみることにしました。その友達から「少しでも勉強してみたら?勉強なら教えられるよ」と返ってきました。その言葉に、僕は励まされました。

 それから毎日少しずつ授業を真面目に受けるようになりました。すぐに変化があったわけではありませんが、次のテストではほんの少しだけ点数が上がっていました。自分の努力が形になったように感じました。

 努力は始めたその日から意味を持ちます。遅いなんてことはありません。これからもどんなに小さな一歩でも諦めずに続けていきたいと思います。

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寮祭当日、献金の案内を担当してくれた礼拝委員会!

 

 

 

「寮務教師からの一言」  小菅 真子(めぐみ館担任)

 「寮祭」の大きな行事を終え、それぞれの達成感が伝わってきます。3年生は、寮祭全体の企画・運営。2年生は、1年生の出し物の企画・演出。1年生は、ステージ出演。壁にぶつかりながら、学年ごとに取り組んだ活動でした。「私ひとりではない、みんなで取り組んだから」と仲間と共にあることの喜びを話す、謙虚な姿勢もすごいなと思わされます。

 関わることで知っていくのぞみ寮の生活。「他者を思う」「他者のために」の気持ちが学年を重ねるごとに増していく姿を側で実感できることは大きな喜びです。始まったばかりの2025年度の生活ですが、“かけがえのない日常”の中で、出会った仲間たちと心豊かに過ごしてほしいと願っています。

 

☆ 寮祭 献金感謝の報告 ☆

 4月26日(土)寮祭にて保護者の皆様と学校の先生方、そして寮生のみなさんから集まった献金は、合計80,000円でした。この献金を能登半島地震を憶えて「ボラキャンすず」のためにお捧げいたしました。ご協力ありがとうございました。



2025年5月28日水曜日

今週ののぞみ寮(14号) 「第1定期テスト 時間をつくるということ」

【聖句:フィリピの信徒への手紙 1章9~10節前半】

わたしは、こう祈ります。知る力と見抜く力とを身に着けて、あなたがたの愛がますます豊かになり、本当に重要なことを見分けられるように。

 

 

 寮祭とGW行事が終わると、「あっ!!」という間に第1定期テスト一週間前になりました。

 のぞみ寮の記事を読んでくださっている皆様もご想像できるかと思いますが、(まだの方はぜひ1~13号もお読みください!)敬和学園の寮生は忙しい…いや、とても充実しています。

 

 普段の授業やHR活動、礼拝、部活だけでなく、大切な学びの時間として用意されている学校行事も多数あります。生徒たちは様々なことを同時にこなしながら、敬和LIFEを充実させています。特に寮生は寮の行事もあり、より一層自身で「時間を作ること」が求められます。

 彼・彼女らは第1定期テストに向けても真剣に取り組むため、この時期の自習に対する姿勢はすさまじいものです。今ではテスト前の名物にもなっていますが、朝・昼・晩と食事を共にする友愛館で、勉強をする寮生たちの姿が今年度もよく見られました。

 自習時間である20時から21時半までの時間は私語厳禁、生徒同士の教え合いは一切禁止、机は一人で使用するというルールで、静かな友愛館をつくりあげています。

 さらに、今年度も特別に学校から日替わりで各教科の先生方が来て下さいました。授業で「?」のままだった内容、もしくは勉強をしていてわからないなと感じた事を質問する事ができます。なんと贅沢な…。先生方、ご協力本当にありがとうございます。

 

 勉強に一生懸命に取り組んでいる姿から、私たち自身も学ぶ事の大切さを問われているようで身が引き締まるような思いになります。「学び」は生徒たちにとってだけでなく、我々にとっても必要なのだと強く感じさせられました。学ぶ大切さや楽しさという大きな刺激を感じ、それらを日々の歩みの糧とし、豊かな時間を共に歩んでいきたい思います。(菅田)

 

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2025年5月21日水曜日

今週ののぞみ寮(13号) 「共に暮らす」

【聖句:ペテロの手紙Ⅰ4章7~8節 】

「何よりもまず、心を込めて愛し合いなさい。愛は多くの罪を覆うからです。不平を言わずにもてなし合いなさい。」

 

 

 早朝の澄んだ空気を深呼吸!今日一日も元気に過ごせますようにと祈る朝。新潟の初夏、若葉萌ゆる過ごしやすい季節を迎えています。

 新しい生活をスタートして2ヶ月が経とうとしています。寮生活にも慣れて、安心した表情が見られることはとてもうれしいことです。また反面、共に暮らす中で悩みも出始めてくる頃です。寮生活ですから、身の回りのことは自分たちで行います。掃除等は、分担して責任を持って取り組みます。先輩たちから後輩たちへ。先輩たちの伝え方はそれぞれですが、できるようになるために伝え続ける。自分たちがそうしてもらったように繰り返し丁寧に伝え続けている姿は、さすがだなぁと思います。めぐみ館では、全体ミーティングが開催されました。3年生がそれぞれの気持ちや分からないこと、改善していきたいこと等を聴き、1・2年生の質問に応答するミーティングの時間でした。互いに聞く(聴く)雰囲気は、緊張感の中にも穏やかさを感じます。「誰かが」ではなく「私が」がそれぞれに、持てる力を発揮し合えるめぐみ館を、みんなで心を合わせてつくりあげていく意識がこれからもっと高まっていくことをワクワクした気持ちで応援していきます。(小菅)

 

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~全体ミーティング~

 

 

 

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歓迎会~めぐみ館に新しい仲間を迎えました~

 



2025年5月14日水曜日

今週ののぞみ寮(12号) 「避難訓練」

【聖句:イザヤ書 43章 4節】

「わたしの目にあなたは価高く、貴く わたしはあなたを愛し あなたの身代わりとして人を与え 国々をあなたの魂の代わりとする。」

 

 

 4月20日(日)に今年度初めての避難訓練を実施しました。今回は地震を想定して避難経路と第1・2・3次避難場所の把握、敷地内と外出時の災害時避難マニュアルを説明した後、津波を想定して校舎4階へ移動(垂直避難)しました。

 敬和学園のぞみ寮の避難訓練は、避難経路の確認をするだけではありません。私たちは避難訓練を「生命について考える機会・学びの時間」としています。それには理由があります。45年前の1980年6月3日、のぞみ寮本館(現在休館中のみぎわ館)で火災を経験しているからです。当時、深夜に起きた火災にも関わらず、寮生がお互いに助け合って避難して、当時の寮生・教職員全員の生命が奇跡的に守られました。

 今、寮事務で働いている瀧澤さやかさんは、その当時のぞみ寮生として火災を経験した一人です。その証言の映像を見て、様々な想いを共有しました。瀧澤さんは寮生へ語りかけます。

 「私はこのことがあった時、『日頃の訓練って本当に大事なんだなぁ』と思いました。非常時には普段出来ていることが出来なくなってもおかしくないですが、訓練していると少しは『どうしなければならないか?何が必要か?何が大事か?』ということが思い出されるのではないでしょうか?当時、私は訓練だと思ったから落ち着いて避難出来たので、本当の火事だとわかっていたらどうなっていたかわかりません。」

 私たちひとり一人はかけがえのない大切な存在であること。緊急時はすべての生命を守るために、ひとり一人の知恵と力が必要であること。そのことも含めて「生命について考える機会・学びの時間」として、良い緊張感で真剣に取り組むことが出来たと思います。(片岡)

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