2016年7月8日金曜日

めぐみ館通信 2016年7月5日 第57号

喜び・悩みを共にしながら 
 「○○さんとムーンライトの材料買いにコンビニに行ってきま~す」と先輩と出かけることがうれしくて仕方ない表情の1年生。“ムーンライト”とは女子寮に代々受け継がれているアイス、クッキーをベースにし、チョコ、クッキー等でデコレーションをする手作りケーキです。冷凍庫で一晩寝かせてオリジナルムーンライトの出来上がりです。次の部屋替えを控えて、あちこちの部屋でムーンライト作りが行われていました。
0705_me01 先輩と一緒に楽しい時間を共有することのうれしさが伝わってきました。特に1年生にとってはじめて出会った先輩は、これからの生活の中でも大きな心の支えになっていくと思います。
 6月下旬部屋替えを終え、新しい生活をスタートしています。3年生は、進路に向けて3年生のみの部屋となり、受験等に向かって学びを深めています。1,2年生も2期テストに向けての取り組みが早くも始まっています。1期テストよりもかなり早い取り組みです。お互いに刺激し合って頼もしい姿です。
 新しい出会いの部屋で、喜び、悩みを共にしながら関わりを深め、成長の機会にしてほしいと願っています。(小菅)

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旬のめぐみパーティー
 先日、1年生のおばあさまから「ぜひ、みなさんでどうぞ」ときゅうりをたくさん頂きました。「事務室にきゅうりがあります。召し上がりたい方は事務室までいらしてください」この放送を聞いたみんなが、きゅうりを求めてわらわらと集まってきました。「味噌がいい!マヨネーズがいい!味噌マヨがいい!」「いやいや、そのまんまでしょ」と盛り上がりながら、きゅうりスティックにしてみんなで楽しみました。一人数本で、めぐみ館は大体40人だからこのくらいあったら十分かな?と考えて切ってきたのですが、私がちょっと席を外して戻ってきてみるともうお皿は空っぽ。結局、頂いていたきゅうりすべてを、その日のうちに食べきってしまいました。「おばあちゃんの味がする~」「きゅうりだから、夜食べても大丈夫だよね、太んないもんね」「このきゅうりなら、ずっと食べ続けられる!」なんておしゃべりをしていました。その晩は続いて、つやっつやのさくらんぼが登場しました。「週末行ってきたの」と、2年生が採れたてさくらんぼを持ってきてくれました。こちらもあっという間にみんなのお腹の中に。
 季節のものをおいしくいただけること、みんなでどうぞ、と快くシェアしてくださること、学年関係なくぎゅうぎゅう詰めて、一緒に座ってみんなで食べられること、たくさんの幸せを感じたひと時でした。(村田)

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礼拝のお話
「憶病だった私が変われたこと」  1年 K.M
 私の通っていた幼稚園は、一学年十数人、もしくはそれ以下という小さな幼稚園でした。そのため各学年1クラスしかなく、男女、学年共に関係なく皆仲良しでした。私は自分の思っていることをすぐ口にしたり、先生にいたずらをしたり、とにかく落ち着きのない子でした。しかしそんな姿も幼稚園に通っていた時までで、小学校に上がると知っている友だちが誰もいない環境になりました。仲が良かった友達は、皆別の小学校へ行ってしまい、今までのようにいろんな人と話すことが出来なくなりました。勉強は分からないし、友達もいない。「学校へ行きたくない」と言った日もありました。けれど次第に友達も増えてきて「学校へ行きたくない」とは言わなくなってきました。
 姉の影響で敬和に入学しましたが、やっぱり最初は心配で不安でした。でも「あの時は自分から言葉を発しなかったからだ」と思い「大丈夫だ」と自分に言い聞かせました。今思うと小学校の私は本当に憶病でした。今ではクラス、寮、部活で笑っている私がいます。しかしあの時の経験は無駄ではないと思っています。あの時の私がいたからこそ「自分から声をかけよう」そう思えるからです。
 一つ一つの経験が後々役に立つと私は最近思うようになりました。

 

 

「出会いのチャンス」  1年 O.A
 私は敬和に入学することが本当に嫌でした。1番の理由は、自分の事を誰も知らない環境の中で新しい人間関係を作ることにうんざりだったからです。私は父の仕事の関係で引っ越すことが多く、高校くらいは引っ越さずにいたいと思ったからです。地元と呼べるところがない私にとって、一つの場所に長く住むことが憧れであり、夢でもありました。
 敬和の卒業生でよいところをたくさん知っている両親は、敬和に入学することを勧めてきました。そして私は勧めてくる両親と言い合いになる日々が続きました。でも今思うと入学前の自分は、新しい出会いが出来ることがどれくらい素晴らしく自分を成長させてくれるかを忘れていたと思います。与えてくれた出会いのチャンスを逃さないで良かったと今は素直に思える先生、先輩、友達が出来ました。
 これからもたくさんの出会いがあると思うけど出来る限りそのチャンスを逃さないようにしたいです。また様々な人と出会い、自分の考えをもっと豊かにしたいです。新しく人間関係を築く時に楽しい時もあれば、面倒で疲れてしまうこともあると思いますが、出会いのチャンスが出来た時は逃さずにすごしていきたいです。

 

 

「前向きに…」  1年 F.J
 私は敬和に入学するまでは、人と関わるということをしてきませんでした。何故なら人と関わることがトラウマになっていたからです。自分の気持ちや自分の事を話してきませんでした。いつも人に合わせ自分を抑えてすごしてきました。でも敬和に入ってから自分の事を少しずつ話せるようになってきました。最初は誤解されてしまうこともあり、今までの辛い経験を思い出し何度も「家に帰りたい」とか「今までと同じでろくなことがない」とネガティブに考えがちでした。
 でも今は敬和に入学して良かったと思っています。何故なら自分の事を理解して話をしっかりと聞いてくれる友達がいるからです。誤解されてしまうこともありますが、前より前向きに考えられることが多くなり、何より人と関わることが楽しくなってきました。
 また誤解されやすい言動を少しずつ直していきたいと思います。これから辛いことが何度もあると思いますが、前向きにとらえて乗り越えていきたいです。

 

 

「自分のペース」  1年 T.M
 みなさんは「自分のペース」が分かりますか?わたしは、「自分のペース」が分かりません。私は昔から「自分のペース」が分からずに、がんばりすぎると疲れるということがよくあります。がんばっている時と、限界を超えた時の波が大きいのです。それも100%どころか、200%の力を出し切って、そのしわ寄せが後に来るという感じです。がんばっている時は、自分が疲れているとは気付かずに、それどころか「まだ行ける!」と思ってしまいます。そして限界をすぎてからやっと気付きます。時すでに遅く疲れてヘトヘトになってしまいます。
 これを何度も繰り返しているのですが、なかなか「自分のペース」をつかめません。1時間休めばいいのか、半日休めばいいのか、1日休んだ方がいいのかも正直分かりません。まずは、さぐり、さぐりやっていきながら、3年間で大きな波を小さくして「自分のペース」を見つけたいと思っています。

 

 

「かけがえのない存在」  1年 S.M

 7歳離れた弟の話をしたいと思います。「きょうだい」には「きょうだいゲンカ」がつきものです。私も7歳離れている弟とケンカをしてしまいます。「自分のせいではないのに、私が悪い」と親に言われてしまうこともよくあります。

ですが、私にとって弟は、かけがえのない存在です。同じ食卓を囲めないこともさみしく思います。敬和に来るまでは、毎日のようにケンカをしていましたが、今は、弟と会いたくてたまりません。兄弟は、「かけがえのない宝物」だと思うのです。

 

 

「敬和での生活の中で」  1年 O.M
 今日は敬和に入学をして、感じたことをお話したいと思います。私は敬和に自分で望んで入学、入寮をしました。入寮することに対し、不安はありましたが、「やってみなきゃわからない。大丈夫だろう。」という気持ちでした。家に居る時は、お母さんに愚痴を言って、文句を言って、いろいろ吐き出していました。
 入寮して悩むことがいろいろあっても今までのように話す人がいなくて、気が付かないうちに何かがたまってきているような感じになりました。
 初めて親から荷物や手紙が届いた時、何か温かみを感じ改めて「親」という“大きさ”“温かさ”“大切さ”を感じました。
 そう思っても、やっぱり電話でムカついたりするので、寮に入って「親が大切だ」と感じたことを胸において、過ごしていきたいです。
 親に悩みを話せなくても、“自分で考え”“自分で解決していく力”を寮生活の中でつけていきたいです。

 

 

「長所と短所~よく笑うこと~」  1年 S.Y
 私の長所でもあり、短所でもある“よく笑うこと”についてお話をしたいと思います。
 私には“笑いのつぼ”が人より浅く、ちょっとしたことでもすぐに笑ってしまいます。人が「おもしろくない」と感じたことで、私一人で大笑いしたり、人の顔を見るだけで笑ってしまうこともあります。友愛館での食事の時に大笑いをしている人がいたら、その人は私かもしれません。
 笑うことについて「長所」だと思うところは、私が笑うと他の人も笑いまわりの雰囲気が明るくなるところです。
 「短所」だと思うところは、人を不愉快な気持ちにさせてしまうことがあるところです。最近この「短所」の部分が少し目立ってきているので、気をつけてすごしていきたいです。
 みんながたくさん笑ってすごせることが私の願いです。

 

 

「直していきたい3つのこと」  1年 S.C
 自分で直したいと思っている弱点が3つあります。
 1つ目は、“忘すれっぽいところ”です。一緒に生活をしていて、すでに気付いている方も多いと思いますが、私は忘れてしまうことが多いです。今では、かなり減りましたが、特に小学校の頃は忘れ物をたくさんして先生や親に毎日怒られていました。
 2つ目は“人の意見に流されやすいところ”です。自分の考えは持っているのですが、なかなか言い出せずに人の意見に合わせてしまうところがあります。そのことで後悔してしまうこともあります。
 3つ目は“無理をしてしまうところ”です。悩みがあってもなかなか言えず、過去にいじめられていた時もなかなか親に言えず1年かかったこともありました。限界が分からない自分がいて、嫌なことがあっても表情にも出さずに普通にすごしてしまうので気付いてもらえないことがあり、本当はとてもショックです。
 敬和生活の3年間の中で少しずつ焦らないでがんばっていきたいです。

 

 

「変えることができるチャンス」  1年 T.A
 私は、小学校の時は地味で静かで人と関わらず、唯一の友だちは“本”でした。小説を読むことが好きでした。きっと私が静かだったって想像できない方も多いと思います。
 どうして私が明るくなったかと言うと、ひとりの友だちがきっかけでした。保育園からずっと私に声をかけてくれていました。
 中学に入学しその子のおかげで地味な私を卒業できて元気に過ごせて1年経った頃でした。信頼していたその子に裏切られました。私の過去の姿も学年中に広められました。毎日学校へも行きたくなく、泣いて辛かったです。でも部活を絶対に休みたくなく、自分が辛い思いをしていることも誰にも話せずに一人で悩んでいました。
 進路は地元を離れたいと思っていました。そんな時に出会ったのが敬和学園でした。姉が通っていたことありましたが、敬和学園は自分探しの学校であると知り、今の自分を変えることができるチャンスだと思いました。“行きたい”“行きたい”と言っていましたが、友人関係を築けるか、正直不安でいっぱいでした。
 寮に入ってすぐに、家に帰りたいと思いました。きっと自分の気持ちを分かってくれる人はいないとひとりで考え込んでいましたが、みんなとも仲良くなれて、相談して、相談され、信頼できる毎日を過ごすことができ毎日楽しいと思えるようになりました。このつながりを大切に一緒に辛い事を乗り越えてすごしていきたいです。

 

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 誕生日って
 誕生日って嬉しいものです。のぞみ寮では、毎週日曜日の全体礼拝でその週の誕生者の祝福があります。めぐみ館にも必ず毎月、誕生者がいます。7月は5名です。私は、新年度の始まりということもあり、まだみんなと仲良くなりきれてない4月が誕生月であることを、子どもの頃からなんとなく残念に思っていました。今年は、のぞみ寮に着任して間もない頃に迎えた誕生日でしたが、いつもと違いました。似顔絵を描いてきてくれたり、寮でも学校でも声をかけてくれたり。夕食を食べている私の前にきて「Happy Birthday♪」を一人で歌ってくれた子もいました。また、つい先日、誕生日を目前に控えた同室のメンバーのために、サプライズでケーキを作る!と何やらコソコソ怪しい動きをしている人たちがいました。毎年必ずやってくるため、当たり前のことと思ってしまいがちですが、誕生日は誰でも無条件に祝福される、特別な日であることを改めて実感しました。(村田)