
委員会の働きを終えた3年生、本当にありがとうございました!
「 光を輝かせて、平和を紡ぐ 」 寮長 岩原 寅太郎
長い夏休みを終え、寮生たちが「のぞみ寮」へと戻ってきました。8月25日、新学期の始まりを告げる「開寮礼拝」を行い、静まり返っていた寮に再び笑顔と賑やかな声が響き渡りました。
開寮礼拝では、マタイによる福音書5章の「あなたがたは世の光である」という聖句を引用し、一人ひとりに与えられている「光」=「賜物」について話をしました。
私はこの夏、キング・オブ・ポップと呼ばれたマイケル・ジャクソンの生涯を描いた伝記映画『Michael/マイケル』を観ました。彼の栄光と苦悩の両面に、誠実なまなざしを向けた作品です。ネタバレを控えることにしますが、その中で主人公が語る「僕は自分の光を輝かせなければならない。愛と喜びを広げるために」という台詞が、2000年前のイエス・キリストの言葉と深く響き合っていることに気づかされたのです。
「光」や「賜物」と聞くと、「自分には特別な才能なんかない」そんな風に感じる人がいるかもしれません。しかし、誰かの話に耳を傾ける温かさ、暗い顔をした仲間にそっと声をかける優しさ、面倒な作業を黙々と丁寧にやり遂げる誠実さ、場を和ませる明るさ、自分の弱さを隠さず「助けて」と言える素直さ―そのすべてが、神様が一人ひとりに与えてくださった、かけがえのない美しい光である、私はそんな風に考えます。
年度はじめに生徒たちへ伝えた「平和を紡ぐ人になってほしい」という願いは、決して大げさなことではありません。朝夕の挨拶を欠かさないこと、掃除や食事の当番を最後まで丁寧にやり遂げること、テスト前に不安を抱える後輩にそっと声をかけること―そうした何気ない日常の一コマこそが、平和を紡ぐ具体的な一歩なのだと思います。自分の小さな光を隠さず、隣にいる仲間のためにそっと照らすこと。互いの光を認め合い、「きれいだな」とリスペクトし合えたとき、寮には温かい光が満ちあふれるはずです。それこそが、私たちが目指す「平和」の姿ではないでしょうか。
1年生はいよいよ自分らしさを発揮していく時期、2年生は寮の中心として後輩を優しく導く時期、3年生は進路と向き合いながら、この寮で培った光を次の世界へ届ける準備をする時期です。一つ屋根の下、寝食を共にする生活の中ではぶつかり合うこともあるかもしれませんが、そんな時こそ「自分には自分だけの光がある」ことを、どうか思い出してほしいと願っています。
礼拝の最後には、マイケル・ジャクソンらが「愛と平和」を訴えた楽曲『We Are The World』をみんなで聴きました。「より明るい明日を作るのは、私たち自身なのだから」というメッセージを胸に、新学期も一人ひとりの光が、のぞみ寮を、そして学校全体を温かく照らしていくことを、心から願っています。
「のぞみ寮」保護者の皆様、「のぞみ寮」の後期の歩みに、変わらぬお祈りとご支援をよろしくお願いいたします。
◇寮生リレー 夏休みの出来事 ◇
「 ヒロシマ碑巡りの旅で変わった感じ方 」 H.K(大望館3年・長野県)
今回、学校の「英語特講」という授業の一環として「ヒロシマ碑巡りの旅」に参加して、広島を訪れました。私は今まで授業で原爆や戦争について何度も勉強してきました。正直なところ、「昔に起きた出来事」という感覚が強く、自分とは少し離れたもののように感じていました。しかし、実際に広島を訪れ、被爆された方のお話を直接聴いたことで、その感じ方が変わりました。
特に心に残ったのは、その方のその後の人生についてのお話でした。その方は当時二歳だったため、原爆が落ちた瞬間のことはほとんど覚えていませんでした。しかし、親を亡くした後、親戚の間をたらい回しにされるような生活を送り、さらに兄弟まで原爆病になって入院したと伝えてくださいました。
幼い頃に親を失い、安心して暮らせる場所もなく、大切な兄弟まで病気になってしまうというお話は、とてもつらいものでした。私はお話を聴く前まで、原爆について「多くの人が亡くなった昔の出来事」というくらいにしか考えていませんでした。しかし、実際にその経験をした方が目の前で自分の人生について話しているのを見聞きすると、教科書に書かれていた出来事が、急に現実のものとして感じられました。原爆は一瞬の出来事で終わるのではなく、その後の人生や家族にも長く影響を残すのだと実感しました。
今回の体験を通して、今まで遠く感じていた広島や原爆を、実際にそこで生きたひとりの人の人生を通して考えることができました。この経験を忘れず、これからも自分なりに考えていきたいです。

「 同じ目標を持つことで結果に繋がった 」 S.R(めぐみ館3年・神奈川県)
私は今年の夏、声楽部で全日本合唱コンクールとNHK音楽学校コンクールの二つの大会に出場しました。どちらの大会でもありがたいことに金賞をいただくことができ、本当に嬉しかったです。
全日本合唱コンクールは1年生の時から毎年出場していましたが、NHK音楽学校コンクールは2年ぶりの出場だったので、ほとんど何も分からず手探りの状態でした。部員全員で同じ目標に向かって、日々練習した夏休み、たくさん悩みました。部員のモチベーションがなかなか統一されてこない現実。校内合宿をするにあたって同じ学年がいない孤独感があったこと。「先輩方が残してくださった成績を私達も継ぐことができるのか?」というプレッシャー。そのような事を思いながらも、部員一人一人が自分にできることを考えて、練習に取り組みました。
毎日同じことの繰り返しでも、全員が同じ目標を持つことで集中して練習できたこと、それがこの結果に繋がったのだと感じています。それだけではなく、私たちのために愛を持ってご飯を作りに来てくださったOB・OGの方々や先生のお姉様、指導だけでなく生活面もたくさん支えてくださった先生方、応援してくれる保護者など数えきれない方々の支えがあってのこの結果だと強く感じています。
「夏休みだからもっと家にいたい」と思う時もほんの一瞬だけあったけれど、それでもみんなで同じ目標に向かって全力になれること、恵まれた環境で合唱ができること、これは高校生の今だから出来ることで、本当にありがたいことだと思います。
これからあと一つ、引退前最後の大会があります。その大会ではこれ以上にないくらい一つ一つの練習に真摯に取り組み、本番で良い演奏ができるよう、全力を尽くしたいです。

「 23泊25日の校内合宿 」 T.K(大望館2年・大阪府)
私たち声楽部はこの夏、二つの大会に出場しました。二つの大会では、それぞれ課題曲と自由曲があるため、合計4曲を練習しなければなりません。この二つの大会は部としてのリベンジや新潟県大会20年連続金賞がかかっていました。私たちにとっては、どちらの大会も絶対に負けられませんでした。
夏休み中は寮が閉鎖するため、寮生の声楽部員は校舎内の教室に私物や布団を持ち込み、学校で生活しながら毎日練習しました。23泊25日の校内合宿です。朝食は調理室で自炊し、昼食と夕食は先生方や卒部生が作ってくださいました。男子は体育館のシャワーを使い、寝る場所は1階の学習室です。ただでさえ普段の寮生活でも大変なのに、それ以上にプライベートのない環境でした。24時間、寝食と練習は同じメンバーと一緒です。正直「もう一人になりたい」と思う瞬間もありました。
しかし、そんな生活だからこそ、良かったこともあります。それは、普段見られない仲間の新しい一面を発見したことです。同学年のメンバーでさえ、今まで知らなかった一面がたくさんありました。小さな出来事の一つ一つから、仲間の優しさや頼もしさを感じました。極限ともいえる23泊25日の生活を、仲間と一緒に乗り越えて、言葉では表せないほどの強い団結が生まれました。
そして、私たちは二つの県大会で金賞と上位大会への出場権を獲得しました。仲間と一緒に本気で一つの目標に向かって過ごした、忘れられない夏になりました。

「 海外教室で得た賜物を活かしていきたい 」 I.H(めぐみ館2年・新潟県)
私は7月10日(金)から25日(土)の約2週間、海外教室に参加し、オーストラリアのケアンズにホームステイしました。その中で私が学んだことは二つあります。
一つ目は「物事はやったもん勝ち」ということです。私は「何も起こらないよりも行動したことで失敗する方が怖い」という理由で行動を起こさないことが多々ありました。実際に、海外教室の中で「この英語合ってなかったらイヤだなぁ」と渋ってしまう場面がたくさんありました。しかし、その中でも今の考えに至った理由は「せっかくのオーストラリアなのにやらないのは勿体無い」と思い、勇気を出して行動してみたからでした。いざ行動してみると意外となんとかなることが多かったです。それからは、より自分から積極的に行動できるようになっている気がします。これからも、この気持ちを大切にしたいです。
二つ目は「いざという時は頼ることも必要」ということです。ホームステイ中、どうしても言いたいことが伝わらない、なんて言えばいいのかわからない時に、私は固まってしまうことがたくさんありました。そんな時にホストマザー(日本の方)が何度も助けてくれました。さらには「わからないことがあったらなんでも聞いてね。頼ることは悪いことじゃないからね」と言ってもらえて、本当に心強かったです。それまでは「自分でどうにかしないといけない」という焦りがありましたが、心が少し軽くなりました。
オーストラリアのケアンズの観光名所に行って、楽しいことも大変なこともたくさんありましたが、その中でたくさんの得られるものがありました。海外教室で得た賜物を心に留めて、これからの敬和生活、そして人生に活かしたいです。

「 飾らずに過ごせたバイブルキャンプ 」 I.E(めぐみ館1年・愛知県)
私は夏休み、地元の愛知県に帰る前に決めていたことがあります。それは「大変でも、寮にいたらできないことを全部やろう!」ということです。中学時代は部活動や習い事・勉強に追われ、夏休みにどこか出かけるということはほとんどできませんでした。それに、普段の寮生活でも週末以外出かけられないので、夏休みを楽しみたかったからです。その目標通り、愛知県から栃木・石川・新潟・東京など休む暇もなく予定を立てて出かけ続けました。特に思い出に残っていることは、バイブルキャンプに参加したことです。キャンプでは全員で讃美歌を歌ったり、講師の方のお話を聞いたり、グループに分かれて話し合ったり、3泊4日の間たくさんの活動をしました。その中で、みんなに自分のことを話す時間がありましたが、会って数日の人に語ることには抵抗がありました。しかし、3日間ずっと一緒に過ごし、活動したり語り合ったりしたことで少しずつ緊張が解け、キャンドルサービスでは自分のことを話すことができました。先生方やキャンパーたちの証もきいて、普段の生活では知ることのできないみんなの考えや想いを知ることができました。普段なら話さないようなことを聞いたことで、相手のことをより深く知ることができたと思います。また、参加者のほとんどが初対面で、キャンパーも3年生が多かった中、仲良くなれたのは「素顔のままで」という今回のキャンプのテーマみたいに「飾らずに過ごせたからなのかなぁ」と考えました。仲良くなったその子たちとはキャンプが終わった今でも連絡を取り合っています。このキャンプに参加したのは初めてで不安なことも多かったけれど「また来年も参加したいなぁ」と思えるほど、とても濃い充実した4日間でした。

「 自分とは違う考え方を知るミーティング 」 A.A(大望館1年・東京都)
僕は大望館に来てから、ミーティングの大切さに気付くことが出来ました。これまでミーティングは野球の試合の反省などを話し合うものだと思っていました。しかし、今では寮についてや関係性について話したり、たまにみんなで雑談したりとこれまでとは違うミーティングをしています。みんなで同じ部屋に集まって互いの話や愚痴を話して、最初意見をあまり言わなかった子も少しずつ話すようになり、互いに注意し合える関係にも少しずつなっています。しかし、まだ意見だけを言って「そこからどうしたらいいか?」などの提案ができないこともあります。そういったところは少しずつ直していきたいです。
ミーティングで自分とは違う意見や考え方を知り、逆に自分の意見や考え方を相手に伝えることで自分を知ってもらうこともできます。だから、ミーティングの時間を通して話し合うことは大切だと思います。これからも話し合いを通じて、いろんな意見を聞いて、自分とは違う考え方も身につけていきたいです。
また、僕は今回立候補してブロック委員になりました。ブロック委員は主に1年生の代表で、1年生と先輩を繋いでいく役割があります。以前よりも大変なことは増えましたが、他の1年生に頼り、先輩や先生に相談をすることも増えました。相談やミーティングを通じて、自分の考えを見つめ直して色々な課題などに向き合い、何か問題が起きた時は仲間に頼ることを忘れずに、1年間ブロック委員の仕事をやり遂げたいです。
「 寮務教師からの一言 」 菅田 大希(大望館担任)
色々な悩みを持ち、考え倦(あぐ)ね、葛藤を抱きながらも前を向いている大望生の側にいながら、「私も彼らのように真っ直ぐ人と向き合えているか?」と自問し、葛藤する日々です。置かれた状況に関係なく、全員が一緒になってご飯を食べたり、全員で野球などのスポーツをしたりと「共に在ること」を彼らは大切にします。また、一人の喜びを皆で喜ぶこともあります。そのような彼らの背中からは大望館としての共同意識を感じ、向かうべき方向を示しているようにも感じます。私も彼らのように葛藤に向き合い、日々前を向いて共に歩める人間でありたいです。
