2016年3月23日水曜日

みぎわ館通信 2016年3月19日 第231号

大きな木とみぎわ館

 15日のテストが終わってほっと一息していた夜、みぎわっ子2年生たちと今年度最後のミーティング?を行いました。まずは、疲れた頭と体をちょっと癒しましょう……ということでお互いの肩を揉み合ったり、手をつないでお尻歩きしたりと、身体をたくさん動かしながら、奇妙な動きになってしまう互いにお腹を抱えてひとしきり笑い、デザート争奪チーム戦に突入しました。

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 各階ごとの3チームに分かれ、まずは新聞紙でタワーを作ろう!にチャレンジしました。持ち時間はたった5分で、自立したより高いタワーを作ったチームの勝ちです。「よーい、ドン!」で顔を寄せ合い、「どうする?」とどのチームも相談タイム。でも何せ制限時間が短いのです。相談に時間を使うと作業時間がなくなってしまいます。活発にアイデアを出し合いながら、同時に手も動かしながら……。周りを見る余裕もなく協力し合って一生懸命(もはや必死?)に取り組む姿はかわいすぎて笑ってしまいました。

 面白いのは、材料は新聞・セロテープのみ。条件は当然3チームとも同じ。なのに、作るタワーはそれぞれなのです。ブットイ筒状タワーがあれば、ホッソイ針金状タワー、その二つを足して割ったような太さの通天閣みたいなタワーと、どれ一つとして同じものがないのです。太さも形も。でも、当然ですが全部タワーなのです。みんなの柔軟な発想、面白いなぁと思います。結果は、2メートル超えをしたチームもあれば、60センチと苦戦したチームもありました。どんな結果でも、拍手と笑いが起こるのはさすがです。

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 そして次が本番。たった20本のスパゲティと1個のマシュマロを使って、これまた塔作りにチャレンジしました。持ち時間は作戦会議も含めて18分。「18分もあるじゃん」と余裕顔のみぎわっ子たちも、作戦会議が始まると真剣そのもの。デザートがかかってますからね(笑)。作戦が相手チームに聞こえないようにと気を付けて話し合いながら、少しずつ作業に入っていきました。ポキポキ折り始めるチーム、数本まとめてテープでぐるぐる巻きにするチーム、ながーくくっつけ始めるチームと、取っ掛かりもまるでバラバラ。塔を作る……という目的は同じなのですが、いろんなアイデアがあること、いろんな方法があること、それぞれがなかなか良いアイデアを持っていることを知る機会になっていました。

 この塔の最大のポイントはマシュマロを頂上に置くこと。うまく塔を作れても、マシュマロを頂上に置くことでグニャ~と倒れてしまいがちです。そこを考えながら細くて折れやすいスパゲティで塔を作らなければいけませんので、本当に難しいのです。

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 こうしよう、あ~しよう、あれやって、これやって、こうしたほうがいいんじゃない、こうするよ?など、いろんな声をかけ合って、同じ目標に向かって心を合わせて取り組むみんな。これって、寮生活にも通じるところがあるってことにも気が付いたようです。

 毎日みぎわ館で生活をしながら、「ステキなみぎわ館創り」をしたい……、みんなの目指すところは同じです。ではそれを実現させるにはどうしたらいいのか?それは、この塔づくりと同じなのではないでしょうか。自分のアイデアを臆することなくどんどん発信し合い、仲間と協力して取り組んでみる。声をかけ合って、思いを出し合って、改善に改善を加えながら、達成を目指す。予想外にグニャ~となってしまうこともありますが、でもそれも一つ楽しい。考えた方法がなかなかいいことに気が付くと嬉しい。仲間に「いいねぇ」と言われるとワクワクする。「こんな方法もあるよ!」と誰かが言ってくれると認められたと喜びになります。そしてそれを聞いていた周りも、自分も!と伝える勇気が出てきます。

0319_mi07 みんなが同じ目標に向かって、歩幅はそれぞれであっても、歩みだすことでとっても素敵な循環が生まれます。今回、2種類の塔づくりをしたわけですが、それを通して、「ステキなみぎわ館創り」をするために大切な事、必要な事もたくさん体験することができました。
 このミーティングはお絵かきで締めくくられました。大きな大きな木を一本とそこにみぎわ館を描いてほしい。私からのお題はこれだけです。このお題を聞いてチームごとに描き上げられた3枚の絵はこれまたそれぞれに個性たっぷり。でも共通していたのは、笑顔のみぎわっ子たちがたくさん描かれていたことです。1・2年生全員(榎本先生と私も!)の笑顔やその特徴をつかんで描き込んでいたチームがあれば、その雰囲気(笑って、慰めて、食べて、遊んで……)を表現していたチーム、建物の窓からたくさんの笑顔が見える絵を描いていたチーム。どれもステキな笑顔がいっぱいの、一本の大きな木とみぎわ館が描かれていました。みんなが、自分が暮らすみぎわ館をこんな風に表現してくれることが、こんな表現ができる暮らしをここでしていることが、嬉しくてたまりません。

 みんなが描いてくれた、貴重な3枚の絵。来年度のみぎわ館運営において大きな大きな役割を果たしてくれる予定です。みんなが目指す、ステキなみぎわ館創り、ぜひ実現させていきましょう!!(森口)

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テスト三昧

0319_mi10 みぎわっ子たち、本当によく勉強します。第5定期テストに向けてその2週間前くらいから、ホールで勉強する人たちの姿がちらほら見られるようになりました。「なにしてんの?」と気楽な私が声を掛けると、「もう!先生!もうすぐテストですよ!もう2週間しかないんだから!」とのこと。「……お疲れ様です。」としか返しようのない私でした。
 もう2週間しかない……数年前までは「まだ2週間あるし~」と、余裕シャクシャクのみぎわっ子たちだった気がします。一体いつからこんなにも勉強に取り組むようになったのか。そう言えば、一人のみぎわっ子がこんな事を言っていたことがありました。「テストってさ、やったらやっただけ点数獲れるんじゃないかと思うの。自分が狙う点数獲るためには、獲れるだけ勉強すればいいって気が付いたよ!」と。そして、確かにその人は一生懸命勉強していました。分からないところは時に仲間に聞き。先輩にも聞き。勉強がはかどらないと嘆く後輩と机を並べて、時に教え。。。そうやって、机に向かう姿勢の輪が広がっていったのでしょう。
0319_mi11 「何でこんなに私は勉強できないんだろうと諦めかけた時、同室の仲間たちが、先輩達が教えてくれ、一緒に勉強してくれ、私に付き合ってくれた。こんなに応援してくれる人たちがいるならやらないと!と頑張れた。人生初の高得点もゲット!」と喜んでいる人もいました。彼女は仲間のおかげで夢に描いた進路先で今でも頑張っています。寮生はこんなところでも支え合うのです。寮生活って、やっぱりいいなぁ。改めて思います。
 今回のテスト期間も、同じお部屋の先輩後輩が励まし合って、取り組んでいるシーンが毎晩のように見られました。「明日の朝、4時起きして一緒に勉強しよう!起こし合おうね!」なんて言いあっているのも聞こえてきました。4時起きなんて無理?イエイエ、寮生はちゃんと起こし合って取り組むのです。すごいです。
 仲間と共に暮らして、毎日の全ての事柄で助け合って支え合って生活するみぎわっ子たち。それが自然に出来るんだから、ステキだよね~♪(森口)

 

 

 

礼拝のお話

 「母のようなお母さんに」   K.M(1年)

  私はこの前の冬休みに、いつも明るくて強くて大好きな両親から私が生まれる頃の話を聞かせてもらい、とても驚きました。それは、母が私を生む際に不妊治療をしていたということです。この話を聞いた時点では、私はまだ「ふーん、そうなんだ。」くらいにしか思っていませんでした。しかし先日、保健室の先生と話す機会があり、「不妊治療って辛いんですか?」と何気なく聞いてみました。すると先生は、「赤ちゃんが欲しいと望んでいるのにできないんだから、赤ちゃんが欲しいと思う分だけ辛いと思うよ。」と話してくれました。

 私はこのとき、両親には本当に心の底から感謝しなくてはいけないと思いました。なぜなら、私は敬和に来る前に母に、「どのくらい子どもがほしかったの?」と聞いたことがあったからです。その時の母の答えは「すご~く、すご~く欲しかったんだよ。」と答えてくれました。赤ちゃんが欲しいと思う分だけ不妊治療は辛いと聞きました。母はきっと言葉では言い表せないくらい辛い思いをしたんだと思います。不妊治療は止めたければ止めることができます。もし母が止めていたら、今私はいません。そう考えると、辛い治療を続けてくれたこと、欲しいと望み続けてくれたこと、今まで大切に育ててくれたこと、敬和に行かせてくれたことなど、挙げたらきりがないほど、これまでの私の人生のすべてを両親に感謝しなければと思います。

 そして、今寮にいる私は、まだきっと反抗期真っ只中です。家に帰ると反抗して怒ってばかりしてしまいます。そんな私を育てるのに、とても苦労しているんだろうな……。きっと私も結婚して子供ができたら、同じ苦労をし、今の母の気持ちがよく分かるのだと思います。

 私は今将来何になるかはまだ決めていませんが、一つだけ決めていることがあります。それは父のような人と結婚して、母のようなお母さんになることです。