2016年5月6日金曜日

みぎわ館通信 2016年5月1日 第236号

舞台稽古

 4月29日(金)は寮祭が行われました。寮祭は夕方から保護者の方と共に夕食を摂り(立食パーティです!)、1・2年生の出し物を楽しみ、礼拝を持ち共に祈る時を持ちます。1年生が入寮し、2年生・3年生がそれぞれの学年になっておおよそ1か月。この1か月で出来てきたチームとたっぷり楽しみ、たった1か月で大きく成長した姿を保護者の方に見ていただく機会になっています。共に食べて・楽しんで・祈って……のぞみ寮らしい行事だと思います。
 その準備が着々と進んでいました。準備開始は実は春休み前から。そのトップバッターは2年生たちでした。お楽しみ会で披露する1年生主演の劇の台本作りからです。春休み明け、何度も学年でミーティングを持ち、やっと完成した台本をもとに17日から1年生の練習が始まりました。台本の読み合わせから始まり、ダンス練習に発声練習まで!?極秘扱いの台本と稽古なのですが、みぎわホールから漏れ聞こえる……どころではない、まるでドアが丸開きかのようなボリュームのにぎやかな・にぎやかな声と音楽と物音に、ついつい覗きに行ってしまう私たち。「あ、先生なんですか?」と厳しい警備の目が私たちに向けられます(笑)。それでも強引に?少しばかり見学して、流れはよくわからずともみんなと一緒にアハハ!と笑い、撮影成功に至りました。
 なんだか日に日にチームワークがよくなる1年生と2年生。そして学年を超えての1・2年生のチームワークもほんわか温かいです。寮祭の練習を通してお互いの距離が近くなっていることが見て取れます。これが大きく一つ、この時期に寮祭を行う意味なのです。
 みんなが集まり、共に時間を過ごし、同じ目的に向かって動き・考え、共に笑い、支え合い……どんどん絆が強まっていくのは当然でしょう。そして、こんな機会がなければ、こんなに早い段階で「みぎわっ子」として学年の壁を越えて、ここまで心通い合わせることはなかなか難しい。活気ある、温かな雰囲気づくりに寮祭の出し物練習が大きな手助けをしてくれていることは間違いありません。最初は「出たくない」と目を潤ませて話に来る1年生も、日を追うごとに笑顔で輪に加わり、声を張り上げ、踊る姿が見られます。こんな短期間でも成長があるのです。 さぁ、いよいよ寮祭。稽古を通して得たものをたっぷり見せてくれたのかは次号に続きます!乞ご期待。(森口)

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ちょっと一息

 寮祭の練習が連日続き、お疲れモードかと思いきや、意外とそうでもないような1・2年生。たっぷり声を出して、たっぷり動いて、たっぷり笑って……練習終りに出る言葉は「お腹すいた~!」です(笑)。元気な証拠。なによりです。
0501_mi05 そんな叫びに応えて、みぎわ館恒例?夜のおやつタイムが開催されました。鉄板2枚分もの大きなパウンドケーキをザクザクと切り分けてくれる3年生。こんな風にするんだ!と目新しい光景に釘付けになる1年生達。「みんな~、食べにおいで~!」の放送を聞きつけ続々と集まるみぎわっ子たち。食べ物あるところに、みぎわっ子あり……の様子は見ているだけで笑顔になります。一人一切れずつですが、みんなで分けると美味しいです。おやつが美味しいと言う事よりも、仲間と分け合う事、共に食べられる事が何より美味しくしてくれます。
 分け合う事・共に食すことは、そういえば毎日の寮生活で溢れています。毎日の3度の食事はもちろんですが、それぞれが持っているおやつやラーメン、気分転換にと寮で作ったスイーツに至るまで、なんでも自分の持っている物を仲間と分け合い、一緒に笑顔になっている姿が見られます。「頂戴」よりも「食べる?」と聞く方が先の様です。「自分が美味しいと思ったものを、相手も美味しいと感じてくれたらめっちゃ幸せ!」と一人の3年生が話してくれたことがありました。こんな幸せに気が付けているみぎわっ子たち、温かいなぁ。その温かさ、どんどん伝染させていってくださいね!(森口)

 

 

 

礼拝のお話 

☆「もう逃げるのはやめな」  I.M 2年☆

 私は「精霊の守り人」と言う本が好きです。3月、ドラマの放送もされています。2年かけて全22回も放送されるそうで、とても楽しみです。これは、100年に1度卵を産む精霊に卵を産み付けられ、精霊の守り人の運命を背負わされたチャグムと、チャグムを託された女用心棒バルサの物語です。チャグムに憑(つ)いたものを疎ましく思う帝と、チャグムの身体の中にある卵を食らおうと狙うラルンの二つの敵からチャグムを守るため、バルサは身体を張って闘い続けるのです。
 私がこの本と最初に出会ったのは小学校6年生の時でした。おススメの本として、図書館で紹介されていました。読書が好きな私は興味を持ち、借りて読んでみることにしました。しかし当時の私には少し内容が難しく、読み終わった時「この本、あまり好きじゃないな。もう読むことはないな。」と思っていました。しかし、高校生になりまたこの本を手に取るチャンスがやって来ました。高1の夏、夏休みの宿題だった読書感想文を書くため課題図書の中から一冊選ばなければいけなかったのですが、その中にこの本が含まれていました。
 最初はこの本を選ぶつもりはなかったのですが、他に気になる本が見つからず、仕方なくもう一度この本を読んでみることにしました。読んでいくうちに、ある一つの事に気が付き始めました。それは、「この本、おもしろい!」でした。小6の時には面白くないと思った本を、4年経った私が読んだ時には全く逆の「好きだ!」と感じたのです。特に好きだったのは主人公に投げ掛けられた言葉「もう逃げるのはやめな」と言うセリフでした。
 私は人間関係から逃げてしまう事があります。中学までの私は友達と上手くいかなくなった時、自分から歩み寄ることができず、相手が近寄って来てくれるのを待つばかりでした。私が逃げたことで、相手を傷つけてしまったこともありました。でもこの本の「もう逃げるのはやめな」というセリフを読んでから、逃げずに自分から歩み寄ろう!と思うようになりました。今でも逃げてしまい、後悔してしまう事がありますが、そんな時はこの本の言葉を思い出して、物事に対してきちんと正面から向き合えるようになりたいと思うようにしています。これから先も、きっと逃げたくなることってたくさんあるのではないかと思います。目を背けたくなる時もあると思います。でも、例え真正面から向き合うことが難しくても、せめて斜めからでもその出来事に向き合う事ができるようにしたいと思います。