2020年12月1日火曜日

光風 145号「感謝!」

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 「寮の楽しさ」と言えば、みんなで遊べることです。みんなで遊ぶために、男子寮前にある広場にバスケットゴールを設置してあります。海に近い太夫浜に野ざらしにしておくわけですから、数年で交換しなくてはなりません。今まで使っていたゴールもそろそろ限界。光風館のコンクリに穴を開けて、鎖をねじ込みくくりつけてありますが、そのゴールは鎖で留めておかないと自立できないほどガタができていました。しかしまだそこに立っているので使えるといっちゃ使えます。先日、光風館のある保護者から寮生の喜ぶことに使ってくださいと、献金をいただきました。そういうことなら、保護者会費の娯楽費に組み込ませていただく了承を得て、一部はハロウィンのお菓子に(光風館はハロウィンに配りませんでしたが)そして残りの一部を使わせていただき新たなゴールを買ったのです。

 このプレゼントにはみんな大喜びで、車からゴールを降ろすなりワイワイ集まり組み立て開始です。「いくらしたんですか?」「ん、25万……」(ウソです) おーーーやったー!!ウソの価格とは言え金額を聞いたらさらに大喜び。でもこれを買うことができるようになったのはある保護者からの献金を頂いたからだよと教えると、「大事にしような!」となんとも素直な反応です。もう早くこのゴールを使いたいのかどんどん組み立てていきます。説明書もろくに見ないで……。これが悲劇を生み出しました。

 メインの支柱が3分割にされていて3つをつなぎ合わせるんですが、そのうちの1つを向きが90度ずれたまま無理矢理つなぎ合わせたのです。そうなってしまうと、色んな部品をつなぎ合わせていく穴がすべて90度ずれてしまい、組み立てられなくなりうまく組み立てたとしてもてっぺんのゴールが横を向くというなんとも奇妙なゴールになってしまうんです。で、つなぎ合わせた部分に食用油を塗って、「いったい何をしているんだ?」と思いきや間違えた支柱を抜こうとしているのです。しかしそんなことしたって支柱は抜けません。高校生男児数名が力を合わせて引っ張ろうが、金づちでたたこうが何をしたって抜けません。まあ言い換えればそれだけがっちり頑丈だと言うことなんですが……。

 で、最終手段は90度ずらして新しい穴を開けていくという作業です。急いでホームセンターに駆け込みました。電動ドリルは持っているので、鉄の支柱に穴を開けるドリルの刃が必要だったのです。小さな穴から徐々に大きくしていくために、支柱の穴も大きさが違うので何本か新たに刃をかって、説明書には全くない作業に取りかかりました。これでうまくいかなかったら、自腹で新しいゴールを買うつもりでした。が、なんと、以外にできるんですよね。組み立て開始からいったい何時間経ったでしょうか?できあがってすぐに消灯になってしましました。いつの間にかこんな時間になっていたことには私は大反省です。それだけ私も含めたみんなが夢中になってしまったのです。そして、この作業の陣頭指揮を執ったのは、先日大学受験を終えてただいま結果待ちのK君です。彼の指示は的確でした。ちゃんと説明書を見ようとみんなを落ち着かせたのも彼でした。彼が説明書を読んで、ひとり一人に、ここをあーしろと指示をして……。

 最初から君がやってくれれば、すぐにできあがっていたんじゃないでしょうか?とにもかくにも、次の日早速、新しいゴールは移動式にして、前のかろうじて使えるゴールも使いオールコートでバスケットボールを楽しんでいる彼らを見て、前日の苦労は一瞬で吹き飛びました。改めて、寮生のためにと色んな形で支えてくださる保護者の皆様に感謝をして、楽しくここでの生活を送ってくれることを願ってなりません。ありがとうございます。