2022年5月19日木曜日

大望館通信 第316号 「寮祭〜番外編 バイオリンリサイタル〜」

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 前回の通信でも記載したように、今年の寮祭は3年ぶりに保護者の皆様に来校していただくことが出来ました。コロナ禍以前の寮祭は保護者会総会のあとに立食パーティをして、1年生の出し物を披露するという流れでしたが、感染症対策のため立食パーティは断念しました。しかし、「寮生が輝いている姿をぜひ見ていただきたい!」と思い、保護者の皆様に感染症対策の御理解と御協力をいただき、開催することが出来たのです。今回は立食パーティではなく、保護者の皆様と寮生の食事時間を分けることになりました。そのため、寮生が食事している時間帯に保護者の皆様にはチャペルで待機していただきました。長時間待機していただくことになるので、寮生活の様子がわかるスライドショーを準備しましたが、間を持たせることに限界を感じ始めた瞬間でした。

 

 礼拝の奏楽のためにピアノとバイオリンのリハーサルが始まって1曲終えた時、会場から大きな拍手が起こったのです。このような時に頼りになる彼の存在に気付き、私は話し掛けに行きました。「お願いがあるのだけど、今ここで演奏出来る?満足いくまで演奏していいから!」そのお願いに対して、彼は「はい!ぜひやりたいです!」と二つ返事で引き受けてくれました。そこから彼のバイオリンリサイタルは始まり、会場を大いに沸かせてくれました。最後には会場のリクエストに応えて、合計4曲を演奏してくれました。寮祭の出し物が始まる前、急なお願いにも関わらずバイオリンリサイタルをしてくれた彼に心から感謝しています。

 

 敬和学園では生徒の存在や才能に助けられる場面が多くあります。しかし、それは教職員の立場から感じていることに過ぎません。言い換えると、敬和学園では自分の才能を発揮する場面が多く用意されているということです。今回の寮祭やフェスティバルなどの大きな行事に限らず、日常生活の中でも自分の才能を発揮する場面は多くあります。その経験を通して、ひとり一人が大切な存在であることを自覚し、成長していくのです。改めて、敬和学園を築き上げているのは生徒ひとり一人の存在であることを実感する機会となりました。