2020年7月11日土曜日

光風 94号「壱・弐・参」

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 私がのぞみ寮に赴任してきた頃、36回生が3年生で私は38回生と一緒にのぞみ寮に入寮したのです。それから十数年、あっという間でしたが、思い返せばあの頃の男子寮と今を比べてみると全く違います。何が違うのか?何よりも学年の壁を越えての交わりが本当に増えました。あの頃、先輩と後輩が一緒にテレビを見ているなんてあり得ない光景でした。先輩と一緒に居る時間に緊張感は欠かせないものだったんです。

 あれから十数年。今では学年が入り乱れて、館内のあらゆるところで時間を共に過ごしています。一言で言うと仲がいいです。しかし、大事なところは押さえています。後輩達が気をつけないといけないこと。壱に挨拶 弐に言葉遣い 参は気遣い。どんなに気心が知れてもこれをいい加減にしているとさすがに注意されます。今の時代ではもしかしたら古いのかもしれません。中学を卒業してきたばかりの新入生の数人に、これまで言葉遣いに気をつけたことが一度もないという生徒が居ます。でも、逆に言えばこの3つさえきちんと努力していれば注意されることはあまりないのです。そしてその新入生達が、2年もすれば最上級生。自分が注意されていたことを指摘している姿にちょっとした成長を感じるひとときになっています。